おじいちゃん 料理を作るの巻

~80代男性 料理初心者のリアルな料理マニュアル~

「おじいちゃんに料理をしてもらおうと思った訳」…とその後(1)

2016-06-20 11:29:55 | おじいちゃん今日も元気です…
「おじいちゃんに料理を作ってもらおうと思った訳」…とその後(1)

このブログを始めようと思った訳は1番初めに書きましたが、最近見て下さるようになった方もおられるかも…と思い、
もう一度ここに書かしていただきました。
それと、このような経緯で料理を作り出した「おじいちゃん」の近況報告も少し書かせていただきますね。
よろしければご覧下さい。

まず「おじいちゃんに料理をしてもらおうと思った訳」

 私の父は今84歳です。5年前、献身的に介護をしていた母を自宅で看取ってから、父はボーっとテレビを見ている時間が増えました。母は亡くなる7年位前から認知症の症状が出て、父も私も大変苦労しました。そこで、父には認知症になってほしくないと思い、予防に何をしたら良いかといろいろ考えました。
幸い父は元気で、マメな人なので、家の掃除や庭の手入れをしたり、好きなジャズのコンサートを聴きに出かけたり…など、それなりに動いてはいましたが、それでも以前と比べるとぼんやりしている時間が随分増えました。
近所の公立の体育館の中高年向きの体操教室に誘ってもみましたが、私が忙しくて行けなくなると徐々に足が遠のいてしまいました。やはり昔の考え方でしょうか…どうせ体を動かすなら他の人に喜んでもらえる方が良い…と考えているようでしたので(周りの者からすると大変ありがたい考え方ですね)何か手伝ってもらおうかと思いつきました。
 初めはお裁縫でした。
父は以前からミシンを使うことができたようで、「雑巾がなくなったから古いタオルで縫うわ。」と言って、母が使わなくなってから奥の方にしまい込んであったミシンを引っ張り出してきました。ミシンで雑巾を上手に縫っているのを見て、縫物を頼んだらどうかしら…と思いつきました。買い物中毒のような所があった母の遺品の中には何故か大量の布もあったため、それを使っていろいろなものを作ってもらうようになりました。
型紙などはありませんが、簡単に出来上がり図を書き、そこに寸法を書きこみ、布と一緒に渡すようにしました。初めに枕カバー、これが上手くできたので、次に同様のやり方でクッションカバー、少し大きめのごろ寝敷布団のカバー…これはチャックもつけてもらいました。時間はかかりましたが、とても上手にできました!その後、鍋つかみ・鍋敷き・椅子カバー・ストーブをしまっておくときのカバー・服のリメイク(すそ上げなどのサイズ直し、古いブラウスの袖を取って袖なしにする、きつくなったスカートのウエスト部分を取ってゴムを入れてもらう…)、ついには「これと同じように作ってみて」と頼んで娘のスカートを作ってくれる所まで、工作好きだった父は結構楽しんでやってくれました。が、日々の生活でお裁縫を毎日のようにしてもらうのは難しく、ついに種切れとなってしまいました。

 そこで今度はお料理を手伝ってもらったらどうかしら…と思いつきました。私は仕事を持っており、お料理好きの娘が大学生の間は随分助けてくれましたが、ちょうど娘が卒業して就職することになったため、今まで娘に助けてもらっていたのを父に頼めたら…という切実な理由もありました。

 父が今までに作ったことのある料理は「サツマイモと玉ねぎのお味噌汁」だけでしたが、それが作れるということは、サツマイモを洗って切る、玉ねぎの皮を剥いて切る、だしをとる、お味噌を溶いて味をつける…などができるという事です。これは丁寧に説明したら少しずつできるかもしれないな…と考えました。

 やり方としては、横に付いて教えながら…というのは時間的にも難しいかと思い、とにかくパソコンで料理のレシピを打ち、大きな字で紙に印刷し、クリアファイルに入れて、材料も一緒に渡すようにしました。そして、その時すぐにレシピを読んでもらい、わからないことがあればその場で聞いてもらい、説明するようにしました。
このレシピを発表しようと考えた理由は3つあります。

 一つ目は、親バカならぬ子バカ?かもしれませんが、父の奮闘ぶりをできれば多くの方に知って頂きたいと思ったことです。
今までほとんど料理をしたことがない83歳のおじいさんがどこまでできるのだろうかと(失礼ながら)思っていましたが、意外や意外!なかなかの健闘です。予め頼んでおけば、メインディッシュを含めて、しっかり夕食の準備をしてくれるようになりました。私が作れるときにも、サイドメニューを頼むこともあり、有難い助っ人です。作ってもらえるだけでも本当に大助かりですが、味付けや見た目もどんどん進歩してきていると思います。私は今56歳で、最近 体力知力共に下降気味だなと落ち込むこともありますが、83~84歳にかけての父の料理の腕前の進歩を見ると、人間80代からでも進歩するものだなあと、とても励まされています。

 二つ目は、このように料理初心者の父が上手く料理を作れるようになったという事は、ひょっとするとこのレシピも良かったのかな?と(ずうずうしくも…)思ったからです。ほとんど何もできない初心者の父のために簡単すぎることまで書いているので、料理をしたことがない人にもわかりやすいかと思います。お恥ずかしいのですが、なるべく簡単にと考えてずいぶん手抜きもしていますし、味より安全第一…と考えている部分もあり、一般のお料理研究家の方の美味しいレシピとは全く異なるものですが、本当の初心者の方にはお役に立てるかもしれません。

 三つ目は、最近認知症の予防に料理がとても注目されているという事です。
料理をする時には、出来上がりを頭の中で想像しつつ、手を動かして材料を変化させます。見て、においを嗅いで、味を見て、ジュージュー焼ける音などを聞き、少し冷ます、温めるなど皮膚の温度覚まで、五感をフル活用しての行動です。
父にも多少の物忘れはありますが、とても元気で、料理をしてもらうようになってから特にいきいきと暮らしてくれているように感じます。
これからも料理を続けることで、認知症を予防していくことができるかどうか、まだ1年ですが今後の父を見ていきたいと思っています。

…とここまでが第一回目のブログの内容でした。
 父に料理をお願いするようになったのが2015年3月でしたので今で約1年3か月になります。
83歳4か月から料理を始めて今は84歳7か月ですが、周りから見ていても、
もちろん年齢的に多少の物忘れはありますが、認知症を疑わせるようなことはありません。
 
 自分でも昨年料理を始める前までは、全て私や娘が作ったものを食べていたのですが、
母が亡くなってから、何となくお腹が減らない日が増えて、やや小食になり、
(元々やせの大食いで、体は細いのに大食漢でした)体重も数キロ減ったと言っておりました。
が、自分で料理を作り出してからはお腹もすくし、食欲も出て、ご飯がおいしく食べられて、
体重も以前のベスト体重に戻ったそうです。
 
 料理をすると手や頭を使うのはもちろんですが、料理を作る間立って作業をするのも良いのではないかと思います。
長時間座ってばかりいると成人病が増えるという報告もあり、立って作業をすることで体調が良くなっているのかもしれません。
 昨日も話していたら、夕食のメニュー、一汁二菜または三菜すべてを頼んだ場合は2時間から3時間かかるそうです。(結構時間がかかっていたのですね!ありがとうございます…)
 が、父いわく、
「こっちのお鍋が焦げてへんか見てかき混ぜたり、あっちで切ったり、またこっちで味付けしたりしてたら時間があっという間にたってしまうから、長いこと立ってても全然しんどくないねん!」
「そう思うと料理を作るのはおじいちゃんみたいな(自分の事を「おじいちゃん」と呼んでいます)
年寄りにはほんまにええ運動になると思うし、他の人にも勧めてあげたらええかもしれんなあ。」
とのことでした。
 
 いろいろな環境の方がおられますし、父のように元気でない方も多いとは思いますが、
本人もこのように言っております。
料理で生活に張りが出て、気力や体力を保ち、認知症予防にもつながるのでは…と思います。
お年寄りのお料理…お勧めです。











最新の画像もっと見る

コメントを投稿