北関東審判講習ということで群馬県伊勢崎市で行なわれた講習会に参加してきた。公式のサイトで告知されているとおり、今年の講習会は新設された打突異種A群の審判資格審査をメインとして行なわれているが、新しい体制なので様子見かなあぐらいに思っていた。しかしおいおい取得して…、などと言っていると置いて行かれるようだ。というわけで今回の講習会の内容をここに書いておきたい。これから受ける人には参考にしていただければと。
実際行なわれたのは下記の内容(時系列順)。
会長挨拶
基本動作模範指導
小太刀基本動作の審判
異種基本動作の審判
昼食
異種打突審判(異種A群資格審査)
昇段審査
盾短刀打突審判
安全講習
クロージング
まず田邉賢一先生と細川先生による基本動作の模範。注目は新種目盾短刀の基本動作、それから長剣フリーの基本動作。盾小太刀では盾は面横に固定して動かないのに対して、盾短刀の場合は上を避けて突け、左を避けて突け、などの号令で盾によるガードの動作が入る。下を避けて突けが、短刀と盾が干渉しそうで難しそう。それから長剣フリーの基本動作っていつの間に増えた?長剣の基本動作は両手長剣でやるものと思っていた。動作自体は小太刀と同一。得物が重い分ただの縛りプレイな気が。
ついで基本動作の審判講習。方式は講習会参加者の中から交代で2人ずつ基本動作を行ない、その他全員で勝ち負けの判定を行なう。最後に全員で答え合わせをして正解不正解を決める。甲乙つけがたいときはどちらに上げても正解になることも。という感じで大まかな進め方は例年の講習会の通り。今回は小太刀同士の審判を10回やったあと、異種同士の試合についても10回実施された。審判資格の検定には始めの小太刀10本の正答率のみで合否が出る。後半異種の審判は純粋に審判講習のためのものだった。
昼休憩のあとは打突の講習会に入る。異種A群(小太刀、長剣フリー、二刀、両手長剣)の打突審判資格の検定だ。今回20名ほどいた参加者全員が赤白旗を持ち一斉に副審を務める。主審は1本でも旗が上がる度に待てをかけ、合議で判定を確認して処置を決定、結果的に誤審だった参加者は減点となる。今回の対戦カードは小太刀vs二刀、長剣フリーvs長剣フリー、盾短刀vs小太刀、盾短刀vs両手長剣。合計30回分の判定が行なわれ、誤審2割以内に収めるとめでたく異種A群資格合格になる。今回参加者が少なめだったので全員一斉でやったが、キャパ的にあれが限界だったように思われる。コートを1周ぐるりと副審が取り囲むぐらいの壮観ぶりで、真後ろから見る盾短刀をジャッジするのはキツいものがあった。合否がかかり血走った眼の副審にびっしりと取り囲まれて試合をする選手の感じる圧はさぞやすさまじかったことだろう。もっと参加者の多い回では交代でやったり2コートに分けてやったりすることになるのではないか。
ところで、基本動作の審判と異種A群打突の審判については、全員に審査用紙が配布され全員参加で検定を受けることができた。なので、受付で審査料各2,000円を払うよりは、全員参加で検定に受かってから資格が欲しい時だけ審査料と発行料をいっしょに払う方がよさげであった。落ちたらそのまま払わなくていいので。リスクを取って先に申し込んだ人にはちょっと不公平が生じたのではと気がかりになった点ではある。
その後は段級取得希望者のための昇段審査、突き系/長物の安全講習、盾短刀の打突審判試験を並行して実施。ばらばらにやっているので、資格がいろいろ欲しい人は上手く立ち回らないと取りこぼす恐れがある。盾短刀は突き以外に面への斬撃だけ有効打とするといった情報が一時流れたが、これはもう完全に引っ込んでいるらしく、“斬”ではなく“打”でも有効となっている。実際3月改正のルールブックで盾短刀については“短刀に準ずる”と簡単に記載された模様。つまり面、小手への打突は全て有効で判定してOKだ。
以上で終了。
異種A群審判、盾短刀の部新設を始めとしてやることが年々増えていっている。今年度はA群の講習を重点的にやるとアナウンスされており、来年度以降B群、C群と進んでいくことだろう。費用がかさむなあというのはまああるとして、A群はひととおり終わったと本部が判断して次々行ってしまうと、流れに乗っていない人やこれから始めようとする人はついていくのが大変だろうなと思う。去年からの安全講習も取りたい人はひととおり取得したようだが、今回の講習会でも実施してくれた。同様にA群や従来の個別資格も引き続き対応していってもらいたいと思うところだ。