TOKYO ACT 44

及川拓郎活動日誌。

熱にうなされつつ原点を観た。

2007-11-29 16:33:34 | Weblog
相変わらず執筆作業は続き、一つ原稿を送ったと思ったらまた次を送らなければならず、生きるとは中々に大変なものだなぁと実感している今日この頃。
風邪を引いてた。俺はめったに風邪を引くことは無いのだが、今回は舞台の疲れもあってか、いとも簡単にウイルスにやられてしまった。体温計など持っていないので正確な数値はわからないが、俺の中では最高体温40℃ぐらいは余裕で越えているくらいに強烈な風邪の引きっぷりだった。鼻水は出るはタンは出るは色んな汁が体中から出て、久々に「体調悪い」と本気で思った。たまにひいじいちゃんが見えた。
今は何とか落ち着いたが、まだまだ本調子ではなく、あまり執筆に集中できない(いつもだが)。そんなこんなで、プロデューサーの神尾氏から大量に(100本くらい。売れてないの?)送られてきた『ボン・ボヤージュ!』のDVDを観返してみた。2004年に撮ったデビュー作だ。あれからもう10年くらい経ったと思っていたが、何のことはない、たかだか3年前だ。この3年、色んなことがありすぎて、時間の感覚が麻痺している。けれどもたかだか3年前なのだ。
映画は単純に面白かった。手前味噌ながら。たまには自分を褒めないと死んでしまうので許してくれ!唐橋も面白いし、阿部進之介も面白いし、藤原組長も面白い。出演者それぞれが、何だか変な空気を醸し出していて、普通に笑った。
技術的に言えば確かに荒すぎで、今はこれよりも上手くなっている(はずだ)が、何と言うか、やってやるという勢いがある。そりゃそうだ。生まれて始めて撮った映画なんだから。それまでにPVとかCMとか色々やっていたが(劇団の合間を縫って)、劇団の解散後、本格的に映像業界に足を踏み入れてから初めてやった本格的な仕事でもあった。自主映画すら撮ったことのない俺に映画を撮らせようとした神尾氏もぶっ飛んでいたが、今じゃ考えられないような格安のギャラで集まってくれた俳優人もぶっ飛んでいる。もちろんスタッフたちもぶっ飛んでいて、ちゃんとギャラをもらっていたのかさえ定かではない。とにかく全てがぶっ飛んでいて、この作品を評価してくれたコハタアツコ氏も恐らくぶっ飛んでいるんだろう。
そんなこんなで、原点回帰した。恥ずかしながら。
現在の俺は、映像演出なり脚本なりがかろうじて仕事と呼べる状態にはなっているが、それに伴って失いつつあるものも多い。ぶっちゃけしがらみも多くなってきた。それはそれで寂しくもあるが、別にそれらに抗うつもりはない。そこまで若くないし。外見はおっさんだし。
とどのつまりは、失うものは失い、しがらみも受け入れ、けれども謙虚に生きて行こうと。そういうことだ。
俺はまだ何者でもないし。キャントクだし。
とまぁ、何を書いてるのかわかんなくなってきたが、まだ熱があるので許して欲しい。前回に続き、今回も俺の考え、的なことを書いてちょっと自分でも引いているので、次からは無意味なことを書き続けようと思う。これ、今日の昼ごはんー。とか。今日の青空ー。とか。てへっ。

あ。そういえば、朝日ニュースターの『団塊ちゃんねる』というニュース番組のオープニングを演出した。詳細はわからないが、もうオンエアされてると思います。

http://asahi-newstar.com/index.php

コメント (5)
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舞台終了。そして執筆生活へ。

2007-11-22 04:46:11 | Weblog

少年オヤジ公演、『ササクレ~神様になれなかったあの子』が無事終了した。今回も様々な人との出会いがあり、とても内容の濃いひと月だった。何か知らんけど、久々に毎日テンション高いという状態が続いていた。トラブルはめちゃめちゃあったけどさ。けれども舞台の評判は良く、いい気分で次の仕事に取り掛かっている今日この頃だ。が。それにしても眠い。仕事がたまりすぎている。ただでさえ脚本の締め切りを延ばしてもらっているのに、こんなブログを書いていることからもその精神的余裕の無さが窺えるだろう。

思えば俺が演劇の世界に飛び込んだのが19歳の春。大学に合格してすぐの頃だ。俺は映画を撮るために上京してきたのだが、浪人中に某演劇研究会の公演を観て、「凄ぇ!」と心から震えた。そして「こりゃ映画の糧になる」と、すぐさまその劇団への入会を決意したのだった。
それからその劇団が解散するまでの6年間、俺は作・演出としてではなく、舞台俳優として小劇場界で活動を続けた。そこで学んだことは多く、俺は舞台によって育てられたと自負している。あの6年間が無ければ今の俺は無いだろうし、フリーで、尚且つこの年齢で、映像業界で食っていけるだけの何かは、あの時期に培われたと言っても過言ではない。過言か?
とにかく、俺は演劇に感謝しているし、舞台が好きなんだなぁという事を、最近改めて実感している。けれども舞台を本業にする気は全く無く、映像という本業があるからこそ、気負わずに好き勝手なことができるのではないかと思っている。

観に来てくれた人は解ると思うが、俺が映画・ドラマで書いている物語と、舞台で書いている物語は180度違う。とよく言われる。映像の物語はストレートで、舞台の方は攻撃的だというのだ。結局どちらも俺であり、俺のやりたいことである。ただ表現するメディアの違いによって、物語を分けているだけだ(表現などという恥ずかしい言葉を使ってすまんが)。俺の中でこれらが逆に表現されることはありえないし、もちろん両方のメディアで同じ物語を、というのは絶対にありえない。実際、過去に撮ったある映画を舞台化しないか?という話を持ちかけれれたとき、速攻断った。そしてそのとき丁度金が無かったので猛烈に後悔した。どっちやねん。

最近舞台では、ストレートでほのぼのして静かでという物語がはやっているらしい(未だに)と、某演劇評論家に聞いた。老舗の演劇祭の事務局の人である。俺に言わせてもらえば、そんな物語、舞台でやんなよと思ってしまう。が、そんな劇団を否定しているわけで決してない。結局は好みの問題だ。そういうのをやってる人とは、一緒に酒飲んでもつまんねーだろーなぁと思う。ただそれだけの問題である。やはり舞台はライブであり、ぶっ飛んでいるものであり、役者は多少の汗をかくものだというのが、俺の舞台の「好み」である。ストレートでほのぼのしてるのも嫌いだが、全員で面きって暑苦しいのも大嫌いだ。まぁ好みだから仕方が無い。

今回の『ササクレ』では、いいシーンをことごとく茶化した。例えば父が娘に心境を告げ、泣き崩れるシーンは、そのまま終わらせるかと思いきや、父が事件の引き金を引いた男を金属バットで殴打、そして全員で歌いだすという何ともシュールな構成だった。ここだけ取るとシュールすぎて意味が解らないが、とにかく物語の流れには沿った展開だ。ほとんどの客は笑っていたが、中にはポカーンとしてたり眉間にしわを寄せてたりする客もいた。客席に面きって歌っているものだから、客の反応が良く見える(あ、俺も出演してたもんで)。その反応がかなり面白かった。あるアンケートには、「いいシーンなのに、急に歌いだす意味が解らない」という意見があった。安心しろ。俺にも解らない。面白いからやってるだけだ。要は好みの問題なのだ。

今後少年オヤジで作・演をやるかは解らないが、どこかで舞台をやり続ける限りはこのようなテイストを皆さんにお送りし続けたいと思う所存だ。やはり続けることが、舞台での俺の「色」を皆さんに教える唯一の手段になると思った。そしてそれが、客席をそういう「好み」の人たちでうめる唯一の方法なのだと考える。俺は某キャラメルの座付き作家ではないのだ。


今回の舞台に、かつて役者時代の俺を見続けてくれた人が多く来てくれた。当時公演後に少しだけ話したことがある人もいるし、全く話したことが無い人もいた。かなり嬉しかった。映像の世界で生活し始めてからも俺のブログを読んでいてくれたらしく、ちゃんと情報は届いているのだなぁと思った。何と言うか、幸せだなぁと思った。本当にありがとう!心から感謝します。

そんなこんなで、脚本の執筆に戻ります。

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稽古三昧。

2007-11-01 09:46:27 | Weblog

そんなこんなで『ササクレ』の稽古期間中なのである。
早いもので、稽古開始から約2週間が過ぎ去った。ついこの間までは岩手で飲んだくれていたと思っていたのに、月日は百代の過客にして俺はいつになく寝不足である。うえに自転車を撤去されてかなりブルーな日々を送っている。
とは言っても、芝居の方はこの時期にしては中々にすんなり進んでいて、このまま行けばスタジオ入りしてからも俺は「仏の及川」でいられるんじゃないかという淡い期待を抱いたりもしている。が、前回の経験上、それはきっと淡い期待のままで終わるんだろうなという多少の冷静さも持ち合わせているわけである。

とにかく明日から二週間、スタジオに仮舞台を組んでがっつり稽古を行うわけだ。しかしいかんせん稽古場が遠い。家からも遠い上に、現地の駅からも遠い。いっそのことスタジオに泊り込もうかと考えたのだが、座長からそれだけはやめてくれと念を押されたのでやめることにした。じゃあどうすりゃいいんだ!と理不尽なことを言う前に、毎日普通に通い詰めるという方法があることを発見し、なるべく遅刻しないようにしようという消極的な決意をしたのだった。

そんな中、同時進行で進めている脚本の締め切りがすぐそこまで迫っている。俺の寝不足の原因はこれである。かなり切羽詰まっているが、何だか楽しいのでそれもまた素敵なことであるなあとしみじみ思う今日この頃である。



※写真提供今井事務所。
 こんなメンツでお送りします。

少年オヤジの「少年オヤジブログ」上にて、出演者が交換活動日誌的なことをやっております。
少年オヤジブログhttp://blog.livedoor.jp/shounen_oyaji/

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