質疑応答のやりとりをして「元をとろう」と思ったら
それに適した距離にいるべきなのだが、それ以前に
「元をとろう」という意識すらないのかも?
後ろに座る学生、教員に厳しく自分に甘く 産能大調べ
2007年05月05日13時13分
教室の後方に座る学生はテストの成績は悪い一方、講義への評価は厳しかった――。産業能率大(神奈川県伊勢原市)の松村有二・情報マネジメント学部教授が約140人の学生を対象に調べたところ、そんな傾向が明らかになった。自由に座席を選べる講義では、前に座る学生ほど勉強に取り組む姿勢も前向きのようだ。
調査は、05年9月~06年1月の松村教授の「調査の基礎」の受講生を対象にした。学生にはICカードを渡し、着席時に座席の端末に載せることで、誰がどこに座ったかがわかる。定員298人の教室を使い、11回の講義で各学生の着席パターンを記録。期末試験と講義の最後に行った授業評価アンケート(10項目)の結果を、前方(32人)、中央(81人)、後方(30人)の3グループに分けて分析した。
試験では、前方の平均点が51.2点だったのに対し、後方は30.9点と、20点以上開いた。一方、授業評価では、「配布資料の役立ち具合」「教員の熱意」「理解度」など全項目で前方より後方の方が厳しい評価をした。後方グループには、教員に厳しく、自分に甘い姿勢がうかがえる。
後ろだとスクリーンが見づらいから成績が悪いのか、それとも成績が悪いから後ろに行くのか。分析はこれからだ。調査は今年度いっぱい計3カ年続けるという。
分かりやすい講義をするために調査を始めた松村教授は「(後ろに座るのは)自分が教員から見えづらいよう、少しでも長い距離を取りたいのかもしれない。でも、見え方は同じなんですがね」と話している。