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登山ガイドyassyの実験的ぶろぐ

槍ヶ岳

槍ヶ岳・・・憧れの表銀座縦走路から目指す山旅

登山者であれば誰もが(?)憧れる槍ヶ岳を表銀座から目指すという贅沢かつちょっと無謀な山行計画。3年前に奥穂から見えた槍・・・いつかは登ってやろうとずっと練ってましたが、今夏ついにチャンス到来、というか時間は見つけるモノ。夏休みを前倒し3日間かけて縦走します。
水曜の午後から休みをいただき長野県安曇野へ車を走らせます。奥穂の時と同じく盆前の閑散期&梅雨明け10日狙いの木曜~土曜までテント泊全行程2泊3日。登山口と下山口が異なるためマイカー移動は地元タクシー会社「陸送サービス」を手配済み。中房温泉から入り燕~大天井~東鎌尾根~槍へ、そして3日目に上高地へ下山する予定です。心配なのは天候ですが、なんと初日の予報は雨!こりゃ大変な山旅になるかもしれないと対策と覚悟を決めます。果たしてどーなるのか?無事帰ってこれるのか?・・・結果は、以下のとおりであります。

■記録
8月3日

午後から休暇をいただき長野へ。めまぐるしく変わる天候のロングドライブ

姥捨というSAで夕食。明日からに備え詰め込んでおくしかない

8月4日


陸送サービスの手続きを終え安曇野の里で車中泊。で朝からレトルトカレー^^

予定通り4:55発の乗合バスに乗り込み穂高駅経由で中房温泉へ。ところがバスを降りるともう雨が本降りに💦みんな一斉に河童に着替えている

いきなり合戦尾根の急登。もう覚悟決めて行くっきゃないのだ☹

ベンチが定期的にある。第一~何とかベンチとそれぞれ名前がついている

娘の傘が役に立っている。ザックカバーしても中濡れるんだよね。最初だけでも被害は最小限に抑えたい

蒸し暑い~!!みんな耐えてる感じ。にしても凄い登山者の数。そのほとんどが燕岳まで

登山道が花崗岩に変わってくるとこの看板!!

合戦小屋到着。雨も上がった感じイイ感じ!!

合戦小屋と言えばこれっしょ!!ホント助かる~

この辺からは有明山と大天井岳が見えた。晴れてきている?でも大天井(下)遠いな~

まだ続く合戦尾根。前の女性はなんと今日から大天井ヒュッテでバイトなんだそうだ。今日はこの天候なんで既にテン泊→ヒュッテ泊に変更している。「じゃ自分が最初の客だね」→「よろしくです~」などど会話する^^

頂上近くなるとお花畑。キンポウゲとかトリカブトとか様々模様

ひゅー燕山荘到着。1200mを登り切ったぞ😌

ここでなんか食べとかないと。中に入らせていただく。コロナ対策は万全な感じ

ここは料亭か~。さすがは燕山荘様。胃の調子が今一なんで暖かいキツネうどんをいただくことに

食べ終わり外に出ると晴れてきている😮さっきまで霧中だった燕岳が見え始めている

でも今日は燕にも大天井にも登らない。少しでも槍に近づくことが第一義である✋

さて、いよいよ表銀座へ。なんとしてもあの稜線の向こうまで行かねば・・・

コマクサが花崗岩の砂に映える。因みにこの燕付近の花崗岩は石英が多く含まれているので余計に白い

今日この先を歩く人は少ないようだ。なんかちょっと寂しぃーなー。でも、しばらく歩いていると先行パーティーが♡

追いついてしまった。「お先にどうぞ」と言われたが、宿泊地を聞けば同じ宿なのでご一緒することに。ラッキーである^^

とかやっていると、おおー!!ついに槍が顔を出してくれた😆今日は無理だなと思っていただけに幸運なり

蛙岩(ゲェロ岩)通過。有名なやつだね

にしても素晴らしすぎる稜線。さすが表銀座です!!

全部見えてきた。双六、鷲羽、水晶、野口五郎・・・よだれモノだね

大下りの始まり。ガスのかかり方が凄い。この5人パーティは三重の同級生だそうで関西弁でとっても面白い方々。長い縦走も話をしながらじっくり歩くことができて助かる~

ガスは取れたけど今度は雷と雨が💦槍も隠れてきているし・・・

稜線を振り返って。本当にいい路だね~♪

何か動くモノがいる!雷鳴っているだけに雷鳥かな!と思ったら猿だった。かな~りがっかり😦よくこんなとこまで登ってくるよな~

初めてみたミヤマコゴメグサ(上)。そしてジオラマのような苔とチシマギキョウの組み合わせ

ずっとこの「最後尾の先輩」と話で盛り上がる。雷も鳴っているが楽しい^^

鬼門通過中。この鎖と梯子が曲者。滑らないようみんな慎重に

雨が激しくなってきた。レンズが・・・伝説の山案内人小林喜作のレリーフもこの通り

切通し分岐通過。大天荘は右だがヒュッテ泊りの我々は左へ。当然大天井岳はパス。まぁいつか常念縦走の際にでも。今日はあくまでヒュッテまで行くのが目的

よく歩いてきたな~。雨で霞みよく見えないが燕岳は確認できる

そしてここからが本日最大の難所だ。雨で濡れた岩場のトラバース。滑ったら一巻の終わりなのである

これどう行けばいいってんだ~💦。緊張の瞬間

いや~かなりしつこいトラバース。上は雷で右は余裕で垂直に数百メートル。正直生きた心地がしなかった

やった~小屋が見えた!! いや~よーやくって感じ😣

チーム三重の先輩方ありがとうございました。無事ヒュッテ着😆

この日の泊り客はチーム三重5人と単独1人、そして自分の7人のみと言うことで、なんと個室状態😀キャンセルの電話も鳴り響いてたね。この天気だしね。そしてスタッフバックに包んでなかった物(テント、マット等)はずぶ濡れ。乾燥室と部屋で乾かすしかない。今日は小屋泊りに変更しておいてよかった😑

8月5日


翌朝、雨は見事に上がりいい天気。昨日からの胃痛で薬を飲む。夕飯(本当は美味しい豚カツ)も何とか詰め込む感じ。プレッシャーかな。これは朝ごはん(下)。美味くは食べられないが蓄電しとかないと・・・

食堂から見えた風景。ツルタテとか凄いね~

チーム三重の皆さんに「今日はテント泊なので先に向かう」旨伝え5:30過ぎに出発。大天荘から降りてくる登山者もポツポツ

30分ほど歩くとビックリ平。ココ本当に驚きの景色が広がるところ👀

まずは槍がお出迎え・・・開いた口が塞がらない

数々の有名な山々。贅沢だ~

歩いてきた稜線と常念岳とその奥に富士山とか南アなどなど

でも決して油断はできない。ナイフリッジもある

おお~中間地点の西岳ヒュッテが見えた!!その奥に穂高連邦と涸沢カール

ふ~休憩~。でここからヘルメットとハーネスと思い準備すると別の2人組先輩からアドバイスが。「ハーネスは使う所無いと思うよ」・・・そーなのかー。ただただお荷物だったとはトホホ。でもテレビでは着けてたけどな~😮

まぁいっか。んではいざ東鎌尾根へ!!

先ずは300m超の激下り。ここはかなり危ない。落石注意!!

梯子、鎖でまだまだ降りる。この後登り返し・・・考えたくない😅

最低鞍部の水俣乗越。さっきアドバイスくださった2人組先輩は、なんとここでまさかのエスケープ😦頂上まで気を付けてねと・・・別れを告げられる。はあ?

んではさようなら~。と言うことでここから単独なり

梯子やら色々見えてる。まぁゆっくり焦らず行こう

槍沢と大曲の絶景。明日はあそこ帰るんだね

ひたすら登って来た東鎌尾根。随分来たな~

と思ってもまだまだあの奥の奥の奥までか~

更に強烈なアップダウン。これは体力を削ぎ取られた60段もある鉄梯子

何度も足が止まりその度に一服した。呼吸を整えながらもうちょっと・・・

とりあえず一つ手前の大槍ヒュッテ通過

まだある。油断禁物。結構この辺で滑落多いらしい

やった。今日の目的地殺生ヒュッテ到着。覚悟はしていたがやはりしんどかった東鎌尾根。歩き切ったぞ😆13:00早々に受付を済ませ雨が降る前にここに張ってしまおう

で我が家の完成。こんなロケーション。なんて幸せ^^

日が照っているうちに乾かす。結局昨日乾き切らなかったんで丁度良かった。水を含むと重くなる・・・反省点。次はリュック内全体をカバーできるスタッフバックを買おう!!

今日槍は目指さない!!いや無理!!明日の朝にかけるのだ

小屋でビールゲット。昨夜は飲めなかった。まだ食欲は湧いてこないが食えるだけ食わなきゃ😶

夕暮れ時の槍と槍ヶ岳山荘。ところでチーム三重は無事着いたんだろうか?気になる。因みに夜中は一時激しい雨。うるさくて目が覚め寝れない~😰

8月6日


翌朝。なんとモルゲンロートの幕開け。槍もちょっとオレンジ色

ではアタック開始!!

30分程で槍ケ岳山荘。しかし・・・あっという間にガスってしまった😩

でも待機数分で・・・おお😮

よし!!んだば行ってみるが~

途中西鎌尾根への分岐通過。次来るときはこっちからだね

昨夜の雨は乾いている。マークの通りに進む。緊張~

小槍が見えるポイント。あの上では踊れないよな。うんうんやっぱりそー思う

面白怖い。いや楽しい。一昨日の大天井雷雨岩礁トラバースに比べればまだ余裕

アスレチックだ~。わくわく。でも滑れば確実に死にます👇という位の気持ちで

このステップとアンカーのみの場所が難しい。本来こういうところはハーネスで確保必要なんだろうな~

小屋が随分下に見えてきた

上り下りはほぼ別ルート。あと梯子2つで頂上。最後まで気ぃ抜かず

ビクトリー鉄梯子・・・その先は、

着きました~~~~~~~😆ついに天辺へ。でも結構狭い頂。まともに歩けない💦

凄い景観す。夢にまで見た槍の頂上。遥か彼方に穂高連峰。ギザ前穂が美しい

歩いて来た東鎌尾根全部。大感動・・・

小槍。やっぱ踊れない。覗き込むだけで足がすくむ😱

影槍と西鎌と槍ヶ岳山荘。ダイナミックそのもの

並んで順番で写真撮っていただく。もうもうもう言うこと無し

おっ♡チーム三重「最後尾先輩」も到着。心配してたけど皆さん無事宿に到着されたんですね😀因みに到着は17:00だったとか

さて最後に自撮りして

降りま~す。当然下りの方がヤバイ。梯子や鎖は一人ずつ

高度感満載。ほぼクライムダウンっす

殺生ヒュッテが見える~自分のテントも見える~

無事小屋までモドル。この先は禁断の大キレット。自分は生涯行けない気がする。いや行ってはいけないところ

テン場に戻り面倒な撤収。サラバ槍ヶ岳。また近いうちに会いませう。合掌

三度チーム三重「最後尾先輩」と再会し槍沢ロッジまでご一緒した。あの上を歩いて来たんやね~と感動を分かち合う

後はだらだら下山なんだけど、いや~楽しい!!

表銀座と違って登山者一杯。何百人の人とスライドしたんだろ?

ババ平テン場通過。結構張ってる。ここで水ゲット

丁度お昼頃に槍沢ロッジ着。チーム三重はここで昼ご飯にするとのことで、お世話になった御礼を告げお別れする。いつかまたどこかで😄

自分は横尾で昼ご飯の予定なので美しい槍沢の流れを見ながらどんどん下る

槍沢ロッジから2時間弱で横尾に着きました~

まだ腹が本調子ではないので軽めにラーメン。歩いてきた行程を振り返りながら少しゆっくり過ごすことに。ここから上高地までまだ11kmある

1時間歩いて徳沢。ここは一服のみで通過する。もうマイカー回収申告時間の16:00には間に合いそうもないな~まぁいいっか

クマが出たらしい。一匹に右往左往大騒ぎの登山道^^

小一時間で明神とコーラ。いちいち休憩~。もう荷物も重いしヘロヘロ。小梨平キャンプ場(下の写真)は一般ピープルのとっても楽しそーなキャンプ場・・・を横目に進み、

上高地河童橋。締めのソフトは400円だし並んでるし今回はパスすることに

バスターミナルでバスに乗る。マイカーあったー😆ほぼ1時間遅れで到着なり。いや~今日も長かった。でもケガもなく滑ることもなく転ぶこともなくやり遂げた。山々の神様に感謝😙🙏

4日間風呂に入っていないので温泉して梓川SAでカレー。おっ♡やっと胃が動いてきた感じ。なのでがっつりカレー食べて快適車中泊。明日はゆっくり無事故で帰らなきゃ

■タイム
8月4日
06:20 中房温泉登山口出発
09:04 合戦小屋(スイカ)
10:15 燕山荘(キツネうどん)
11:30 表銀座へ出発
11:59 蛙岩
12:23 大下りノ頭(一服)
14:24 小林喜作レリーフ
14:32 切通岩分岐
15:48 大天井ヒュッテ到着(泊)
※行動時間:9時間28分
8月5日
05:36 大天井ヒュッテ出発
06:10 ビックリ平
07:26 赤岩岳(一服)
08:09 ヒュッテ西岳(休憩、水補給)
08:43 東鎌尾根へ出発 
09:39 水俣乗越(一服後東鎌尾根へ)
10:34 下り三段鉄梯子
10:55 登り木製階段開始
12:27 ヒュッテ大槍(トイレ休憩)
12:51 殺生ヒュッテ(テント受付)
12:59 テント場到着(宿泊)
※行動時間:7時間23分
8月6日
04:47 テント場出発
05:25 槍ヶ岳山荘(待機)
05:32 槍ヶ岳アタック開始
05:58 槍ヶ岳到着(写真撮影等)
06:16 下山開始
06:43 槍ヶ岳山荘
07:05 テント場(軽食&撤収)
07:56 下山開始
08:18 坊主岩小屋(一服)
11:09 ババ平テント場(水補給)
11:57 槍沢ロッヂ(コーラ)
13:41 横尾(ラーメン)
14:55 徳沢(一服)
16:06 明神(コーラ)
16:39 小梨平キャンプ場
16:43 河童橋
17:00 上高地バスターミナル→マイカー回収へ
※行動時間:11時間13分
※3日間合計行動時間:28時間4分

■GPSログ
距離:37.69km、高度の上昇/下降:3149m/-3190m



■勝手に難易度指数
102+危険度はグレーティングC9=120points

■感想、反省等
・何より無事帰れた事とこの山旅を実現できて本当に良かったす
・東鎌の難易度は信州グレーティング「C」で決して高く無いと言われますが、
・体力度は10分の「9」となっています=C9なのです
・臆病な自分にとっては最初からプレッシャーを感じていました
・よく整備されてますが滑れば唯では済まない所だらけ
・登る前の不安が胃痛と食欲不振という形で出たのかなと思います
・でもチーム三重の皆様とご一緒できたのはとても幸運でした
・特に初日雷雨の中の岩稜歩きは精神的に助けられました
・大変感謝を申し上げます!!
・泊まりは小屋もテントも疲れていた割りに寝つけませんでした
・高度未順応なんでしょう。2500m超はいつも眠りが浅くなります
・非日常の3日間堪能できました。とても勉強になりました
・槍の制覇はその数々の出来事の一つなのです
・稜線からのアルプスの眺めはホントここだけ日本じゃないです
・何度も現れる鎖と梯子と階段の数も半端無かったです
・自分としてはそれでも案外安定して歩けたと思います
・ただ体力、特に登りの体力がいつも通り足りません
・15kgの装備も失敗しました。雨にも濡れて余計重くなったし
・このコースは無理せず小屋どまりが正解だと思いました
・結果、3日間ともコースタイムオーバーでした。歳ですかね😅
・でも産むが安し。焦らず決して急がず。結果随分楽しめました!!
・2日目ヘリが飛んでいました。8/5北鎌尾根で遭難死亡あったようです
・山はやはり侮ってはいけないと再度自分を戒めます


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コメント一覧

ohho
最後尾先輩そして4番目先輩。コメントありがとうございます!!
こちらこそ大変お世話になりました。特に初日、雷雨の中の燕~ヒュッテまでの稜線は皆様と一緒に歩かせていただき、とっても心強かったです!!そして槍で再開もできたし・・・。凄いとこ歩いたんだな~と未だ何度も回想しています。またいつかどこかで是非お会いできることを願っています^^
チーム三重
チーム三重の最後尾先輩の前を歩いていた者です。
今回の山行は色々助けていただき大変感謝して居ります。お陰さまで皆楽しく無事に帰ることが出来ました。
また北アルプスでお会いできれば幸せです。
その日が来ること願って居ります。
チーム三重
あえて岩手兄さん、その節は本当にアリガトウ御座いました、初日宿前の1時間あまりには、どないなる事かと思いましたがその他は天候にも恵まれ、お互い念願の槍をやっつけました!無事帰還も出来ましたし、それにステキなブログを見て私たちにとってイイ記念に残る物になりましたー今まで凄い活動ですね、これからも気をつけてご活躍を祈願しております。 最後尾おいさん
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