
看護師の武矢です

今日は子宮筋腫と不妊の関係についてお話したいと思います。
子宮筋腫についてはたくさんお話ししようと思えば延々とお話できてしまうぐらいあると思いますので、今日は不妊との関係について簡単にお話しさせてくださいね。
では、まずはじめに子宮筋腫とは何でしょう


子宮筋腫とは子宮の筋肉からできる良性の腫瘍です。
小さいものも含めると全女性の4~5人に1人はあると言われているぐらいポピュラーな病気です。
卵巣から出されるホルモンを栄養に大きくなることは分かっていますが、詳しい原因はまだわかっていないようです。
筋腫はできる場所によって粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫に分けられます。



子宮筋腫のなかで、一番妊娠の邪魔をするといわれているのは粘膜下筋腫といわれる筋腫です。
筋腫の大きさや場所にもよりますが子宮の内側に飛び出しているので多くの場合は着床の妨げになっていることがあります。
小さな粘膜下筋腫があるだけでほかに不妊の原因が見当たらない場合など、この筋腫を取っただけでも自然妊娠が望めることも多くあります。
また場所によっては精子や卵の通りを邪魔したり、卵管の動きを妨げることによって排卵した卵をキャッチできないピックアップ障害の原因となることもあるといわれています。
漿膜下筋腫の場合は、一般的に子宮の内側を変形させないため、妊娠しにくい原因にはなりにくいといわれています。
筋層内筋腫に関しては妊娠に「影響する」「しない」の両方の意見があります。
影響ないだろうという見解で筋腫の手術を行わず不妊治療に取り組み出産に至らなかった症例が、手術後に出産まで至ったという報告もあります。
このように筋腫のある場所や大きさ、数など患者様の状態によって、治療するか否かは異なってきます。
小さいものが少量、そして自覚症状もないような場合は特に治療が必要ない場合も多く、医師の指示に従って定期検診をうけて様子観察ができる場合が多いです。
しかし筋腫自体がある程度以上の大きさであったり、何らかの症状(月経痛、貧血など)がある場合には不妊治療の前に筋腫の治療が必要な場合もあります。
治療については主治医としっかり相談して決めましょう。
今回は簡単ですが筋腫についてお話させていただきました。

当院では、子宮筋腫の手術が必要と判断した場合、連携病院に紹介し適切な手術を受けて頂き、一日もはやく不妊治療を受けて頂けるようにシステムを整えています。
筋腫と不妊についての相談も可能です。
いつでもお気軽に看護師までお声かけください。