
今回のラボ通信では、『胚移植』についてお話させていただきます。
胚移植とは、体の外で受精させた受精卵を、子宮の中に戻すことをいいます。方法としては、人工授精とほぼ同じです

当院で行っている移植方法は、以下の4種類です。
● 初期胚移植
当院で最も多く行われている胚移植です。確実に胚移植ができるように、培養2-3日目の初期胚と呼ばれる段階で胚移植を行います。残った受精卵は凍結保存したり胚盤胞まで育ててから凍結保存することができます。
● 胚盤胞移植
受精卵の数や良好胚が多い場合に、初期胚移植を延期して、追加培養を行います。培養5日目に胚盤胞に育った受精卵を移植します。ただし、胚盤胞にならなかった場合は、移植中止となる可能性があります。
● 凍結融解胚移植
新鮮胚移植が残念ながら妊娠に至らなかった場合、採卵時の子宮内膜の厚さが十分でない場合は凍結保存した受精卵を別の周期に移植することができます。その場合、子宮内膜を育てるための周期に入り、子宮内膜が厚くなったら、凍結していた受精卵を溶かして移植します。
● 二段階胚移植
移植を数回繰り返してもなかなか妊娠に至らない場合に行います。(新鮮または凍結保存した)初期胚を移植し、2-3日後に胚盤胞を移植します。妊娠率は上がりますが、受精卵を複数個移植するため、多胎妊娠率も上がってしまうデメリットがあります。
移植は手術室で行います。当院の手術室には、培養室の顕微鏡像を写せるTVが備わっており、あらかじめ移植する前の受精卵の写真を写しています。子宮の中に受精卵を移植する直前には、子宮の中に入れる細い管(カテーテル)に、受精卵を入れる様子もライブ映像でご覧いただけます。

その後、超音波で移植する位置を確認しながら、受精卵が入った培養液が子宮の中に入る様子(実際に白く光って見えるのは、一緒に入った空気の泡)もご覧いただけます。 *子宮の状態によってご覧になれない場合もございます。

移植後には、移植した受精卵のお写真をお渡ししています。是非お守り代わりにしてくださいね

以上が、胚移植についてのお話でした

ご質問等がございましたら、いつでも胚培養士にお声かけください
