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革の染色、実況中継 その6 表面染色

2014-02-25 08:11:51 | 日記
革の染色、実況中継 その6 表面染色

余分な染料をよーく洗い流してあげた後は最終の色調整、お客様ご要望の色見本とピッタリ合うように(実際には100点満点は不可能ですが、、、)染料を上掛けしていきます。
染色加脂工程を終えた革は、ごく淡い色を別として、まだ表面の染料の乗りが足りません。この、色の深さも合わせていかなければなりません。
コックリした色かボケた色か、言い方を変えると、スエードの毛先までしっかり染料が乗っているのか、あるいはその逆で毛先が白っぽいか、なども判断して染料を配合していきます。

再び200リットルほどのお湯を注水し、回転させ、染料を投入し、先ほどと同様にカットして乾かして、色見本と見比べます。
染料を配合→投入→10分後にカットして乾かして見本と見比べる→また配合して投入→10分後にカットして乾かして見本と見比べる、という作業を繰り返して、徐々に目標の色に近づけていきます。一番神経を使う午後の山場、最後は経験と勘で勝負です。

納得出来る色が出せたら、上掛けした染料を結合させるために再度ギ酸を入れて10分ほど回転させます。そして水洗いして完了です。

これで今日のスエード染色作業は終了、もう終業時間も近いです。
革をタイコから出して(実際には引きずり出して、ですが)、すぐに水で満たした樽(容量120リットルの元皮革用薬品のポリ容器を樽って呼んでます)に入れます。
すぐに馬掛け出来ればベストなのですが、時間的に不可能です。また、台の上に山積みにして帰ると、水分が切れて次の工程のために良いのですが、シワや汚れが心配で、夜落ち着いて一杯やれませんので。



このように全作業の流れを考えると、1日に一人の染色工が担当出来るタイコ数は3台かな? と思います。繁忙期には避けられない時があり、4台もたまにやりますがだいぶキツイです。
いずれにせよ、やり甲斐のある楽しい仕事だな、と感じます。


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