踊る人 TAMU

ダンサー,インストラクター,振付師

TAMUお問い合わせ

踊る楽しみを少しでもたくさんの皆様と共有できる時間を一緒に創ってゆきたいと思います グループレッスン、プライベートレッスン、振り付け提供、イベント出演、イベントレッスン、イベント企画 承ります お気軽にお問い合わせくださいませ odoruhitotamu@yhoo.co.jp http://www.odoruhitotamu.com

片足のおじさん

2013-10-15 02:30:00 | cuba



10月14日体育の日の今日はイベントレッスン、出張レッスン盛沢山の1日で楽しい1日でした~

たくさんの新しい出会いもあり、自分はやっぱ皆と踊ってるときが一番イキイキしてるのだなぁと自分のことですが

客観的に。

お越しくださった皆様LOVEですありがとうございました

またお会いできる日を楽しみにしております



このところ踊ることが少し辛かったので、、、。

(たまにあるので気にしないでください


もう前みたいには楽しく踊れないんじゃないのだろうか??

とぐるぐる頭の中で駄目な考えを張り巡らせていると


キューバで出会ったおじさんの事を思い出した。


ハバナからちょっと遠出してビーチに行った時の事


その日は土曜日だったから地元の人も観光客の人も、まぁそれなりに来てて(ゆうてもホントそれなり)


海の家みたいなところではバンドが演奏してて。


まるで楽園



でも少し気になったのが

お金をせびりにくる人たち。

物乞いというとちょっと雰囲気が違うんだけど

何かにつけ1ペソくれという人。

勝手に似顔絵描いて買えという人。

新聞紙でくるんだおやつの豆を売り歩く人。


これ職業なのか自分の意思でやってるのかわからないのだけど、この紙にくるんだ豆売りの人は街でもよく見かける。


その中に片足のおじさんがいて松葉杖をつきながら、私に豆を売ろうと近づいてくる。


私は物売りの人たちにうんざりしてたし、めんどくさかったので、松葉杖で歩くおじさんの足がのろまな事をいいことに

おじさんが私のところにたどり着く前にスタスタスタと海の家(らしきBAR?)に歩いていった。


海の家での演奏はすごく楽しくてルンバやソン、ブラジル人のお客さんもいたのでボサノバも演奏してくれた。


「踊れ!踊れ!!」とバンドの人たちが言うのでもちろん私は全部踊った


CUBAにきて習いたてのルンバも披露して、久しぶりに聞くボサノバやサンバも新鮮でサンバステップもはしゃぎまくって踊ってた



海の家の外にさっきの片足のおじさんが立っていてずっとこっちを見てたのは気が付いていた。礼儀なのか入ってはこない。


ちょっと「いやだなぁ~~~~」とは思ってたのだけどそんな事よりこの海で踊るのが楽しかった。


ふと見ると片足のおじさんはとても笑顔になってた。

それどころか私が新しいステップを踏んだりルンバ独特の女性のポーズをきめたりするたびに「オオォ!」とか叫んですごく楽しそうに笑ってる

私もおじさんに笑顔で返した


演奏が落ち着いたころおじさんが私のことをよんで言った


「君はどこから来たんだ!?踊りを習いに来たのか!?踊りがすきなのか!?」


そしてさっきまでプイッッとそっぽを向いて自分のことを無視してた私に

「君の踊りが好きだ。たくさん学んで、日本に帰っても踊りつづけなさい」と。


嬉しかった。

と同時に驚いた。  

自分の心の小ささに。


このおじさんは私よりもずっと長く生きていて

おそらく戦争か病で片足を失った

私よりもずっと辛く理不尽な経験をつんできて

それでもなお何処から来たかも解らない,のうのうと生きてきた私にそんな暖かい言葉を笑顔でかけてくれるこのおじさんを

無視したのだから


どうしたらいいのかわからなかったので

豆を二包み買った。

それしか御礼をする術がわからなかったから。


そしてまた演奏が始まって

店内で飲んでたへべれけのご機嫌イタリアンガイが皆に酒を振舞った

もちろんそのおじさんにも

ハバナに戻る最終のバスが来るまで皆で踊ったり歌ったり、飲んで騒いで豆をたべた




もう2度と会う事は無いだろうけど

このビーチでであった人たちとあのおじさんがくれた言葉に恥じないように

私はこの国で踊り続けよう