Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

けっこん・せんか

2014-05-08 00:26:23 | 読書感想文(その他)


連休中、図書館でまとめて借りた本のうちの1冊、檀ふみさんと阿川佐和子さんの共著「けっこん・せんか」を読みました。
「ああ言えばこう食う」などの往復エッセイで有名な檀さんと阿川さんの、雑誌などに掲載された対談を集めた本です。書きおろしの部分はあまりないので少々新鮮味に欠けるところもありますが、今より何十年も前の、お二人がまだ結婚も出産も全然あきらめてないころ(失礼!)の若々しい対談から、もはや悟りの境地に達しつつある最近の対談までバラエティに富んでおります。

ただ、対談したときのシチュエーションのせいなのか、「ああ言えばこう食う」などの往復エッセイを読んでないと意味がわかりづらい話題のものが多くて、檀&阿川コンビの初心者向けではないと思います。逆に、往復エッセイを読んだ人がこの本を読むと、同じテーマでもエッセイよりももっとくだけててきわどい話が読めるので、興味深いと思います。檀さんと阿川さんの共通のお見合い相手の話とか、檀さんの恋バナが始まったとたんに寝てしまう阿川さんとか。お二人それぞれのお父様とのエピソードとか。そして何より、恋愛観・結婚観の話とか。

檀さんと阿川さんの語る恋愛および結婚についての話は、いつもなんというか雲をつかむような、真面目に読む必要があるのか疑わしいものが多いのですが、今回この対談集を読んで、ひとつだけ「なるほど」と納得することがありました。それは、「会ってすぐの相手に自分のことをべらべらしゃべってはいけない」ということです。「秘すれば花」というやつですね。あんまりオープン過ぎると、相手が自分に興味持ってくれないぞ、と。それに気がついて己が人生の乏しい経験を振り返ってみると、なるほど確かにそうかもしれない…と納得することしきり。まあ、私が早い段階で相手にぼろぼろ打ち明けちゃうのは、過去のトラウマが原因でもあるのですが。相手に手の内をどのタイミングで、手持ちの札のどれから見せるのかは、経験とセンスが必要なんでしょうね。

あと、エッセイのように文にしたためられたものではなく、話し言葉で語られるお父様たちとのエピソードは、なんだかとてもリアルに感じました。そのせいか、エッセイのときのように笑って読めない部分も多く、檀さんも阿川さんも、ほんとに大変だったんだなぁと何を今更な感想を持ってしまいました。と同時に、自分と父親の関係も考えさせられました。共通点、影響を受けてそうなところ、どうしても許せないところ、これからどう付き合っていけばいいのか、などなど。逆に、お母様たちの話があまりでてこなかったのは残念でした。檀さんはともかく、阿川さんのお母様は出てくるたびに泣いている気がする…。

若い頃の対談から最近の対談までまとめて読むのは、時の流れを痛感して切ないものが勝手にこみあげてきましたが、それだけ長い間、少しずつ相手に対する認識が変わっているとはいえ、友情が続いているのはなかなかすごいことだと思います。仲良きことは美しきかな。私もこういう友達が欲しいなぁ。いや、でもやっぱり私はイチ抜けしたいかなぁ。もはや今更抜けたところで「イチ」でもなんでもない年齢に達してしまっているけど(汗)




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