まんぼひとりごと

読んだ本、見た映画のことを記録しています

2021年読了本「発達障害の子どもたち」

2023-12-13 | ほん
実際に発達障害の子どもを診ている医師、杉山登志郎先生の著書。
いわゆるよく聞く発達障害、ADHD(注意欠如・多動性障害)、学習障害(LD)あたりの話と思って読み始めたら、もっとずっと幅の広い分野の話だった。


発達の領域からの説明は分かりやすかった。

認知の発達   → 精神遅滞(知的障害)
学習能力の発達 → 学習障害
言語能力の発達 → 発達性言語障害
社会性の発達  → 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)
運動の発達   → 身体障害
手先の細かな動きの発達     → 発達性協調運動障害
注意力・行動コントロールの発達 → 注意欠陥多動性障害(ADHD)


「覚えておきたいこと1」
知的障害の数
人口の2.1%その中でもIQ50以下は約1割、つまり全体では約0.2%
発語もほとんどないような子は相当少ないということ。

「覚えておきたいこと2」
脳の発達について
神経細胞のネットワークが張り巡らされるのは5才で完成。
そこから10才までに現象で使わない経路が消える。
これまでに見に付いた言語や、非言語的なジャスチャーが一生の基本になる。
基本的な身辺自立の課題を終えておかないと、後に習得するのは困難。


症例は読んでいてしんどいものもあり、希望を持てるものもあった。
学校の選び方などは子どもの就学について迷っている人は読むと参考になりそう。

上手くいかないことも多いけど、
何も知らずにいるよりは知っていることが多い方が、選択肢は増えると思いたい。
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「ショーシャンクの空に」

2023-09-28 | えいが
スティーブン・キング原作。
優秀な銀行員だったアンディ(ティム・ロビンス)と
囚人レッド(モーガン・フリーマン)らとの
ショーシャンク刑務所でのできごとを描く人間ドラマ。

久しぶりに見ることができた。
理不尽な暴力や腐敗が当たり前にある中で、
たまにくすっとなったり、
努力が実る部分もあったり、
決して希望を捨てなかったアンディ。

本当に無駄のないストーリー展開で、
伏線をきれいに回収して終わるのがすごい。
たまに見返したくなる映画だと思う。
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2020年読了本「自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く」

2023-07-10 | ほん
臨床発達心理士の奥さんと
障害児心理が専門の著者、松本敏治さんとの何気ない会話から始まった、
「自閉症児者は津軽弁(方言)を話さない」という10年間の研究の話。

さまざまな調査結果を文章で説明していくので、
読みやすくはないけど、疑問が連鎖していくのが面白い。

そもそも噂じゃないのか?
話し方の特徴のせい?
語彙が違う理由は?
言語習得方法が違う?
意図が理解できない?

自閉スペクトラム症(ASD)、知的障害(ID)、定型発達(TD)、
比較して調べていくから、その違いが浮かび上がっていく。

模倣や真似のやり方の違いの話では、
映像から覚えた台詞を、絶妙なタイミングで使う
うちの子のことが頭に浮かんだ。
ASDの子だとそっくりに言えても状況に応じて使うのは難しいらしい。
ASDとID、いまいちぴんときていなかった違いがちょっと見えた気がした。

それから、テレビやビデオ、その字幕から言葉を学んだ、かず君の話。
これをきっかけに、テレビの字幕表示をオンにしたのを思い出した。
効果は正直分からないけど、もう2年半以上経ってたんだな。
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2020年読了本「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」

2023-06-11 | ほん
ハイテンションな岸田奈美さんの自伝エッセイ。
読み直しながら泣いて笑った。
初読のときはどうだったのかは、思い出せない。


「弟とわたし」
ダウン症で知的障害のある弟さんの話、3本。

誰かに会ったら元気に挨拶して、
何かしてもらったらぺこっと一礼して、
ひとりで散歩して、バスに乗って、コンビニで買いもの。
まだ小学生のうちの子が、
そんな日常を送れるようになったら、
泣いて喜ぶかもしれない。

言葉や文化が分からなくても、
みようみまねでできることもある。
希望をもらったような気がした。


「母とわたし」
病気で車いす生活になったお母さんの話、3本。

退院後の沖縄旅行の話が特によかった。
「歩けなくなっても、本当に来れた・・」
「歩けなくなったからって、あきらめなくていいんだ」
お母さんのつぶやき。
行動で示した奈美さんはすごい。


noteで読んで大笑いした覚えがあるブラジャーの話。
球場売り子バイトでホットコーヒーを売った話。
夢に見るまで観続けて企画書を作り、
「ガイアの夜明け」の出演を勝ち取った話。
文章も内容もどれもこれも普通じゃなかった。
私も頑張ろう。
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2019年読了本「ここは、おしまいの地」

2023-03-11 | ほん
こだま。

久しぶりに読み返した。
おしまいの地に住む主婦のエッセイ。

身内には言えないまま、この仕事をしているこだまさん。
大胆なのか慎重なのか聞かれて、本人にすらよく分からないらしい。
大きくなってしまった秘密をいつまで抱えていくのだろう。
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