防雪柵設置・撤去

　貸家Ａについて、夫＠不動産屋がおずおずと、話をしはじめた。
　実は、貸家Ａの物置の屋根から、隣家の勝手口に雪が滑り落ちるという苦情があったとのこと。
　それに対応するために物置と敷地の間に防雪柵を設置したところ、今度は隣家から、この防雪柵のせいで勝手口が開けられなくなって困っていると連絡が来たとのこと。
　臨家からは、こういうことは設置前に事前連絡が欲しいと苦情を言われたとのこと。
　そこまで言って、もじもじとした。
「これは、こちらで勝手に判断したことだから……う、うちで払いま……す」
　なんか、可哀想になった。
　大家＠ワーキング妻である私の便宜を図って、旦那は色々と判断して動いてくれることが本当に多い。
　それにはいつも助けられている。
　今回もそうやって便宜を図ってくれたものが、裏目に出たということだ。

　今回のことは、旦那にとっては勉強代となっただろう。
　今後は、臨家との間の工事関連は、必ず事前に臨家と連絡を取るようになるだろう。うちのことに限らず、彼のスキルアップになった筈だ。
　こちらも、いつも便宜を図ってもらっているのだから、今回のことは、大家の代わりに工事してくれたり動いてくれた、ということで処理することにしよう。
「防雪柵設置と撤去の費用、うちで持つよ」
「そ、そうか。……ありがとう」
　旦那はほっとしたようだった。

　翌日、旦那＠不動産屋は、おずおずと銀行の引落し用紙を差し出した。
　私関連の貸家の修繕が必要な時は、彼はいつも銀行の引落し用紙を持って帰り、私がハンコだけ押している。
　防雪柵の設置と撤去の費用、約６万円の引落しに、私はハンコを押した。

　その翌日、旦那＠不動産屋は、建設業者の領収書を持ってきた。

　入居者のため、と思ってそのままにしてある物置なんだが、前は物置のタキロンの屋根が台風で近隣に飛んで行ったりとか、何かとトラブルを起こしている。
　いずれ、どうにかしないといけないかなあ。いっそイナバ物置とかに替えてしまったほうが楽かな。

　階下で音がした。旦那がトイレに起きた音だ。
　階下に降りて、ねぼけ目の旦那をつかまえた。
　私は朝が早い。旦那は遅い。
　もう一度寝るところだという旦那に、寝る前に提案した。
　今度、一度貸家Ａにふたりで行って、スケールと方眼紙を持って、現場の状況を見てみようと。
　その上で、どういう物置が良いか検討しようと提案した。
　旦那は了承した。
「君の貸家Ｂに前に設置した物置みたいなもので良いの？」
　貸家Ｂの物置はまだ見てなかった。実家の隣なのに。
「明日見るよ」と答えた。
　正確には明後日になりそうだ。
　土曜日は実家に顔を出す日だ。その時に見ておこう。

追記　１時間後に、旦那からメッセージが届いた。
　「さっきの物置見に行く件ですが今週は私は仕事です。あと、こういう話は本来は翌朝にしても良い筈だし、この場（メッセージなど）で伝える事も出来るはず。夜中にトイレに起きた人を捕まえて「緊急」でない「仕事」に「関連」する話を振らないで欲しい。貴方が夜中に活動するのは貴方の勝手なので止めはしないが、パートナーの睡眠をこの様な事で邪魔しないで貰いたい。」
　そうだよね。私にとっては「良い思いつき」で、「忘れないうちに伝えておきたい」と思っていて、私と旦那の勤務開始時間はずれているから、朝、会わない日もあるから今のうち！と思って捕まえたんだけど、それは旦那にとっては、平穏な筈の家庭内、しかも半分睡眠している状態で捕まえられてはたまったものではなかったんだな。家族とは言え配慮が足りませんでした。反省文を返信したのは言うまでもありません。