経営学の専門家、テイラー博士によるMLM検証サイト(というよりニュースキン検証サイトに近い)がある。
http://www.mlm-thetruth.com/
Google検索すれば日本語でも読める。しかし実際のところ理論は難解で、分かったような気にはなるものの人に説明できるレベルの理解は私には難しい。専門用語も多用されているため、翻訳文だけだと意味不明、原文と併せて読む必要がある。少しずつ読んでいるのだが、ひとまずここで大きく書かれている結論を書くと以下の通り。
MLM(ニュースキンビジネス)は、99.9%の人からお金を奪い、0.06%の人が黒字になるシステム詐欺だ。参加すべきではない。
これを裏付ける様々なデータと理論が書かれている。もっともなように見える。しかし立派な肩書きを持った学者がトンデモ学説を唱えるのはよくある話なので、これも鵜呑みにはできない。しかもこれを書いたのはアメリカ人であり、我々日本人とは根底の価値観が違う。基本的にまず疑ってかかることにする。さて、今回は上記内容だけに焦点を絞って考察してみる。
数字はただの数字であり、そこからどのように情報を読み解くかが重要だと私は考える。上述内容は確率論であるが、それについての記述が曖昧だ。私は高校数学レベルの確率はマスターしている。確率は分母と分子にどんな数字がくるかによって決まる。サイコロを1回振って1の目が出る確率は6分の1だ。ここに条件がつくと数値は一気に変わる。2回振って連続して1の出る確率、といえば36分の1。2回目だけ1である確率は36分の5。
上記の99.9%の人からお金を奪うというくだり。分子はお金を失った人、分母はニュースキンビジネスに参加した人というようになっている。しかしまず分母について。何をもってニュースキンビジネスに参加したと定義しているのか?ちょっとやってみようかな。。三人に声かけたけれどダメだった、辞めようという人。24万円の買い込み教養された人。製品を使って、ビジネスやるつもりはないけれど多くの人に伝わった人、、、全て含むのだろうか。ここにたった1つの条件、例えば毎月300pt.以上の買い物を半年以上している人、LOIを出したことのある人、などと条件付けしただけで数字は化ける。曖昧すぎる。
次に分子だが、黒字の定義を(収入)マイナス(支出)が1ドルでもプラスの状態としている。これでは主婦の買い物現象レベルの話だ。遠くでバーゲンがあるので出かけたが、往復のガソリン代のほうが高かった、という話だ。キャッシュフロー(お金の流れ)とお金に関する知性のレベルアップが肝である。飲み会などせずに1万円を節約するより、一回の旅行を我慢する方が手元にお金は残る。ニュースキンをストップした自分の手元には、交通費や飲食費などの分、浮いたお金が手元にあるが、小銭を手元においているだけで今の不況時代を乗り切れる、などと楽観的にはなれない。ちなみにニュースキンからのコミッションは私の通帳に振り込まれている。
なぜ理屈っぽく疑うかというと、この理論と私の知る現実の乖離が甚だしいからだ。理論は現実から離れたとき机上の空論となり、現実と一致して知恵となる。果たしてこの博士の主張は知恵になるのだろうか。現時点で私は机上の空論と思っている。しかしもう少しよく読んで考察してみることにする。
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