整理整頓

・・・・・「整理整頓」のできる人と、できない人の違いには大雑把に四通りあります。祖先型・協調型・少年少女型・幼児型であります。

祖先型は・・・・・傍から見ると、非情で、不寛容で、意志が固く、野心的で、必死になってリーダータイプに見せようとする支配的な気質を持つためにある、整理整頓を行います。現実に視覚で感じることのできる整理整頓は、協調型や幼児型によって成し遂げられます（おもに協調型でしょう）。宗教やパートナーなどは必要なく、独自の引き出しだけを必要とする祖先型の整理整頓は、支配を勝ちとるための包括的な戦略の一部か、傷跡を隠すための整理整頓です。それ以外は協調型や幼児型によって綺麗に整理整頓されます。つまり、成熟したボス猿。協調型や幼児型がそれを認めなくなれば乱雑な風景が現れます。

協調型は・・・・・例えば、軍隊の大部分を形成し計画を実践する兵隊であります。兵隊といえど、攻撃精神にあふれるものはわずかであります。大部分を形成するのは協調性あふれる個人の集まりであります。そうでなくては、個人レベルでの小競り合いが起こり計画は机上の空論となるでしょう。・・・・・協調型は祖先型よりも想像力があり、平等主義的な集団に加入し、階級思考の少ない集団で快適な共同作業を望みます。それは成熟度が祖先型よりも少し低いためだと考えられます。協調型は無防備なまま単独で放っておかれると、不安が大きいために結束力の固い集団を形成して感情的にも身体的にも支え合う必要があるのです。つまり、全体の計画に必要な、効率や安全のために行う行動の一部として表現される整理整頓です。

少年少女型は・・・・・協調型の成熟度よりさらに低い（若さを延長した）成熟度の主です。未成熟がゆえに不安は大きい。依存心と反抗心が混じり合いきわどいバランスで保っています。なので不安を癒す方法は、遊び心や探究心、実験精神をもって、不安を一時意識の片隅に追いやることでしょう。・・・・・そして、階級思考の少ない集団での快適な共同作業の中の副産物、つまり、組織の中の小集団（サークル）のようなきわめて遊びに近い小集団での行動を特に望みます。しかし、彼らの（彼女らの）関心は長続きしません。飽き性なのです。・・・・・整理整頓は、彼ら（彼女ら）にとっては時間割の中にある一斉清掃やイベント事のようなクリーン作戦、指摘されたものだけを片付けるといった行動でしかありません。ですが、彼ら（彼女ら）の身の廻りは乱雑のように普通の人には見えますが、乱雑の中にもしっかりとカテゴリー化しているので、今自分の欲しいものがどこのあるかをしっかり把握しています。唯一、祖先型や協調型から見て整理整頓されていると思える瞬間は、彼ら（彼女ら）が新しい刺激を見つけ遊び心と探究心、実験精神に火がついたときのことでしょう。それは整理整頓ではなく、一掃というべきでしょう。少年少女型は一生を通じて高い創造力を持ち、非常に空想力を持っていますので、あらゆる分野で画期的といわれるものの創始者となることも多いようです。

幼児型は・・・・・人間進化（若さの延長）を究極にまで推し進めた結果なのでしょうか、それとも若さが延長された進化の副産物なのでしょうか、普通なら通過する段階からそれより先に進めなくなっているのです。・・・・・男性的でもあり女性的でもある。依存心による不安感は少年少女型よりも強いので感情の波は激しく、感情面の支えを必要とするあまり宗教に一生を捧げることを選ぶ人も多い。・・・・・ゲイやレズビアンと呼ばれることもあるが、それは強い依存心の対象がそうだっただけで同性愛とは限らない。・・・・・ライフスタイルや整理整頓は、自分が支えとする対象を中心としたものと、周囲の環境を鋭敏に察知する能力を反映して美的感受性にあふれた（一見奇抜な）才能で表現します。・・・・・デザインや装飾、色や形に精細な職業、画家、演劇、作曲、数学、科学など、あらゆる分野での偉大な業績は、この幼形型によって達成されていることがあるとききます。

「整理整頓」ができるできないは、遺伝や経験的学習もありますが、成熟の度合いによっても決められています。・・・・・確かに社会で個人の地位や階級や立場を認識するのには、うってつけの手段です。ですがそれは他の霊長類でも採用している手段でけして新しいものではありません。・・・・・人間の進化（若さの延長）に合わせたもっと合理的な「整理整頓」があるはずです。・・・・・綺麗な空間は何かの始まりを感じさせる。