教科書やマニアルにはない考え方。

これはいずれ本を書くためのメモみたいなものなので、理解不能・誤字脱字でいっぱいです(^▽^;)

「いじめ」を無くしたい!(私から、大切な者へ)71

2014年07月10日 | 日記

《補われた知と対をなすもの-16》 「カモメのジョナサン」より

彼はこれまでいつも日常の何でもない些細な経験から、いろんな事を素早く学びとってきていたが、今や長老みずからの特別指導をうける身となってからは、彼はまるで羽根のはえた流線型のコンピューターさながらに新しい思考をたちまち吸収していったのである。

しかし、やがてチャンが姿を消すその日がやってきた。彼はものしずかに皆に語りかけた。すべての生活の隠された完全な原理を少しでも深く理解するために、研究と練習と努力とを決して途中でやめてはならぬ、と彼な熱心に説いてきかせた。やがて語るにつれ、彼の羽毛はしだいに輝きをまし、ついに誰も彼を見ていられないほど眩しくなっていった。

「ジョナサンよ」と彼は言った。それが彼の最後の言葉だった。

「もっと他人を愛することを学ぶことだ。よいか」

彼がふたたび目が見えるようになったとき、もうチャンはいなくなっていた。

 

日がたつにつれ、ジョナサンは自分がときどき、置き去りにしてきた地上のことを思い返していることがあるのに気がついた。もしも彼がここで知りえたことの十分の一、いや百分の一でも、むこうにいるときに知っていたとしたなら、あちらの生活はどれほど豊かなものになっていたことだろう!彼は砂浜に立ち、物思いにふけりだした。むこうにも、自分の限界を突破しようと苦闘しているカモメがいるのではなかろうか。飛行を、小舟からでるパンの耳を手に入れるための移動手段としてのみ考えるのではなく、飛ぶことの本当の意義を知ろうと苦闘しているような、そんなカモメがいるのではなかろうか。もしかすると、群れの前で自分が知った真実を語ったために追放されたカモメだっているのかもしれぬ。

優しさについて学べば学ぶほど、また、愛の意味を知ろうとつとめればつとめるほど、ジョナサンは、一層、地上へ帰りたいという思いに駆られた。それというのも、ジョナサンは、これまで孤独な生き方をしてきたにもかかわらず、生まれながらにして教師たるべく運命づけられていたからだし、また、独力で真実を発見しようとチャンスを探しているカモメに対して、すでに自分が見いだした真実の何分の一かでもわかち与えるということこそ、自分の愛を証明する彼なりのやり方のように思えたからである。

・・・・・サリヴァンは、そんなジョナサンの様子を気遣って言った。

「ジョン、きみはいちど追放されたカモメなんだぜ。昔の仲間たちが、今さらきみの言うことなんか聞くはずがないじゃないか。例のことわざを知っているだろ。あれは本当のことさ。『最も高く飛ぶカモメは最も遠くまで見通す』というやつだ。きみの古巣にいるカモメたちは、地面の上でギャアギャア仲間げんかばかりやっている。連中は天国から何千キロも離れたところにいるんだ。それなのにきみは、やつらをそこに立たせたまま、天国を見せてやりたいっていうんだからな!ジョン、彼らには自分の翼の先っぽだって見えないんだよ!ここにいたまえ。そして新入りのカモメたちを助けてやりたまえ。彼らはすでにちゃんと高いところにいるんだから、きみの伝えなきゃならないことを充分理解できるはずだぜ」

ちょっと黙りこんだ後で、彼は言葉をついだ。

「もしあのチャンが、彼が通りぬけてきた過去の世界へ帰っていってしまい、ここで皆を教えることをやめていたとしたらどうだったと思う?はたして現在のきみはありえただろうか?」

この最後の指摘は身にこたえた。まさにサリヴァンの言う通りだった。『最も高く飛ぶカモメが最も遠くを見通せる』のだ。

ジョナサンはそこにとどまって、やってくる新人のカモメの手助けにはげんだ。彼らはみな、実に聡明で、授業の内容を素早く理解した。しかしジョナサンの心には、また以前の感情がよみがえってきた。あの地上にだって学習する能力のあるカモメが、一羽や二羽いるかもしれないじゃないか、と彼は思うのだった。もしチャンが、自分が追放されたあの日に彼のところへ来てくれていたとしたら、自分は今までにどれほど多くのことを身につけることができていたことだろう!

「サリー、わたしは帰らなくちゃならん」ジョナサンはついに言った。

「きみの生徒たちは、とてもうまくやっているよ。彼らは君の新人教育を充分手伝えるさ」

サリヴァンはため息をついた。だが議論ははじめなかった。

「きみがいなくなれば淋しくなるだろうな、ジョナサン」彼が言ったのはそれだけだった。

「みっともないぞ、サリー!」ジョナサンはとがめるように言った。

「馬鹿なことを言うんじゃない!こうしてわれわれが毎日練習しているのは、いったい何のためだ?もしわたしたちの友情が時間や空間のようなものにたよって成立しているものだったなら、やがてわたしたちが時間と空間を克服したあかつきには、どういうことになる?それはわれわれの自体をも破壊することになるんじゃないか!空間を克服したあかつきには、われわれにとって残るのはここだけだ。そしてもし時間を征服したとすれば、われわれの前にあるのはいまだけだ。そうなれば、このここいまの間で、お互いに一度や二度ぐらいは顔をあわせることもできるだろう。そうは思わないか、え?」

サリヴァンは思わず笑い出した。

「この気ちがいめ」彼は親しみをこめて言った。

「もしこの地上にいる誰かに、数千キロのかなたをどうやって見るか教えることができる者がいるとすれば、それはジョナサン・リヴィングストン、きみぐらいのものさ」彼は砂に目をおとして呟いた。

「さらば友よ、ジョン」

「さようなら、サリー。また会おう」

そう言うと、ジョナサンは心の中で、以前の海岸に集まっている膨大なカモメの群れの姿を思い出した。そして彼はすっかり身についたやり方で自分は骨と羽毛のかたまりではない、なにものにもとらわれぬ自由と飛行の完全な精神なのだ、と念じた。


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