コロナ禍で何年も中止を余儀なくされた鹿児島マラソンが、久しぶりに3月5日(日)開催される。前から書いているが、今のコースでの開催はもうやめて欲しいと切に思う。迂回路が不便な国道10号線の海岸部を日中約7時間半もストップさせる上、市街地にも大きな交通マヒを及ぼす。ここまでして流行りの都市マラソンを強行しなければならないのだろうか。市民ランナーのわがままに応えないといけないのだろうか。

12日(日)、同海岸部を車で往復してみた。

走ったのは16時前だったが、開催当日と同じ日曜日というのに、上りも下りも結構な交通量。こんな多くの車に迷惑をかけることになる。長時間にわたって。
長時間規制対象の鳥越トンネル南入り口から重富郵便局前交差点まで片道13キロ。眺めはいいかもしれないが、山が海に迫った単調なルート。道には、街なかの道路と違って微妙にカーブや起伏や傾斜もあり、ここを走った複数の経験者から「走りにくかった」「しんどかった」「もう走らない」という声を聞いた。沿線にほとんど応援する人がいないのもこたえたらしい。往復だと26キロほど。全42・197キロのうち、ここが半分以上を占める。想像するだけで大変そうだ。
迂回路が乏しいのもここの欠点。主催者は、うんと内陸部の県道や、場合によってはと有料の九州自動車道を設定しているが、大会に無関係な人たちに失礼ではないか。無礼ではないか。
このマラソンルート沿線に住民は少ないとはいえ、家も事業所もある。一日身動きができず、商売にもならないわけで、そもそもこの人たちにも大迷惑ではないか。
補償はされているのかもしれないが、仙巖園も休園になる。市内周遊バス「シティビュー」も終日運休。この日たまたま鹿児島にやってきた観光客は、さぞガッカリすることだろう。

鹿児島マラソンのノボリに「鹿児島のすべてを感じよう」と書いてある。関係者には、大会に無関係な人たちの思いをぜひ感じ取って欲しい。