文楽平成二十一年二月公演
第三部「女殺油地獄」(おんなごろしあぶらのじごく)
てっきり心中ものだと思ってました。
っていうか、見たことあると思っていたけど、その記憶も曖昧で・・・
あれ?あれ?自分の忘却力にビックリです。。。
いや、ココは、新たな気持ちで見られた!と、ポジティブすぎですが忘却力に感謝しておきましょう。
で、お話は、ちょいワルどころではないワルワル息子が、借金トラブルの果てに強盗殺人!という凄惨なもの。
ですが、出てくる人皆、なぜか憎み切れない情を感じさせます。
そのワルワル息子・与兵衛ですら・・・な~ぜ~。
それはきっと勘十郎さんの与兵衛!
だって背中すらカッコイイ!ワルイ奴なのにぃ!
茶屋の暖簾をくぐる時、殺すことになるお吉に借金を頼む時。
中年の哀愁のある背中ではなく、図体は大人でも中身はまだまだ、
若くて色んなものにつっぱって空回りしてしまう子供の淋しい薄い背中。それは、弱さや甘えだったりするのだけれど、実は皆持っているものだから、、、
あれは近所のお吉や、ましてや親ならなおさら守ってあげなきゃって思いますよ。
でも止められない。
殺しの場面も、ひぇ~と思いながら見入ってしまいました。
人形で良かった~~~。
美しさすら感じられるものね。
そして、きれいに滑ってました。おみごと!
今回は三部制の第三部。開演が6時30分ということで、いつもより観客の年齢層が若い気がしました。
実は私は、三部制はめんどくさい、って思ってたけど、やっぱりそうする意義もあるんですね。
この時間なら、コンサートと一緒くらいで、会社帰りに寄れますものね。
土日のチケットは、ほとんど入手困難なので、この時間なら会社勤めの友達も誘いやすいかも。