めなろぐ

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□映画『ロボッツ』字幕版と吹き替え版

2005-10-16 04:11:15 | □草なぎ剛
字幕版については、私は映画公開の2ヶ月くらい前の試写会で観ました。そのときはなぜか小池百合子環境大臣と北野大教授がゲストに来てて、環境に関するレクチャーみたいな話をされてました。確かに3R(リデュース、リユース、リサイクル)については、このロボッツのテーマにつながるのかな。北野お兄ちゃんのお話は、暖かくてわかりやすく、楽しかったです。

映画については、とにかく暖かい作品だなあと。全編CGアニメって今まであまりちゃんと見たことはなかったのですし、全くの架空の世界で、しかも登場人物だけでなく、何もかもがロボット、機械の世界で、有機物や生物が一切無い世界。…なのに、妙に暖かくて人間くさいのです。全てが機械で出来てても、無理やり人間のこの世界に合わせてるような。キリスト教で人間は神を模して作られた、という話があったように、このロボッツワールドは人間世界を模して作られたのか。

なにせ、主人公のロドニーの生まれるところから、成長する過程が面白い!ちゃんとお父さんお母さんが居て、誕生はコウノトリでなく宅配便のお兄ちゃんが運んでくるベイビーキット?そこで夫婦共同作業(笑)で組み立て作業が。ここらへんはちょっと、プラモデル作成気分か、日曜大工な感じなのに、最後の詰めではお母さんが必死で力んでるところが笑える~。こうやって人間の赤ちゃんも作れたらいいのにね。でもパーツを忘れられたりしたら困るけど(笑)

考えてみれば最初から成人状態のを購入すればいいのに、パーツの切り替えで徐々に成長していくというのが凄い。しかもこの夫婦、ちょっとお金がないのか親戚からのお古の二周り大きいパーツでよたよたしてるロドニーちゃんの姿がかわいかったし、思春期の頃は女の子パーツのお古だったりするのもちょっとアヤしくて笑えた。
皿洗いの仕事を一生懸命手伝おうとするロドニーの健気さや、発明家として街に出て行こうとするロドニーに、夢を追うことを応援するお父さんの親心、いずれも泣ける~。やっぱり少年の旅立ちは列車なのねっ!個人的にジ~ン(←元999ヲタだったもので 笑)。
ここでちょっとこだわってしまったのは、別れ際の台詞。前にロボッツの予告ハイライトをWSで見たときは、ロドニー「自慢の息子になって帰ってくるよ」に対して、パパ「今でも十分自慢の息子だよ」となってたけど、それに相当する字幕と、吹き替え版の台詞、いずれも微妙にニュアンスが異なっていたんです。私的には最初の予告のがかなりツボで、それだけで泣けたくらいだったし、聞き取れた限りの英語の台詞では、その予告字幕のが一番正確だったように思ったけど…他はなんでそう意訳しちゃうかな。確かに映画の翻訳って、時々あれ?って思うような訳があるから、本当は原語で聞けるのが一番いいんだろうけどね…。DVD版ではどうなってるだろ。

まあ、それはともかく、男の子の成長モノとしても定番を踏んでて良く出来てます。
楽しい仲間たちの出会いも欠かせないけど、特にフェンダーとパイバーのキャラは最高。フェンダーのお調子モノっぷりと、体バラバラっぷりはある意味無敵(笑)(関係ないが、前売り特典のストラップロドニーもいつのまにからバラバラ状態(泣))ロドニーたち主人公周りが真面目な分、フェンダー兄妹の底抜けの明るさとオープンさは、肩の力を抜けさせて心地良いです。パイバーも思春期なお年頃の割りにはひねたとこもなく、元気で明るくて好感が持てる感じ。お友達になりたいタイプね。
しかし脇鳴らしとか、おならとか…ロボットなのにどうやったら音が鳴るんだあぁぁぁ~。

それにしても、さりげなくこの映画、歴代の映画に対するオマージュもこっそりちりばめられてます。雨に歌えばならぬオイルに歌えばなんか堂々パロディだし、スターウォーズのダースベイダーの声も、まんまだし。(爆)作り手たちの、映画に対する愛情が見えてくるところです。映像も、色合いやらCGなのに生?と思えるような光沢や細かいサビの部分は、鉄なのになんだかレトロな暖かさを感じさせるところが凄いです。そんな、いつの間にかこの世界観にとっぷりとはまらせてくれるところは、作り手の愛を感じます。ロドニーがが街についてからのジェットコースター的な見せ場も、映画館ならではの臨場感が味わえて、ビデオやテレビではモッタイナイと思わせられます。

一方ラシェット達の世界は、なんだかアメリカ的大企業に対する痛切な皮肉がいっぱいで、この点でもこの映画は単純に子供向けでなく、むしろ大人向けな映画ではないかと思わせるところです。特に、古い型のユーザを無視してひたすらアップグレードを推し進めるところは、家電や車や、コンピュータのモデルチェンジを勧める某大企業らを思わせてなりません。大量生産、大量消費を美徳とするようなアメリカで、こういう映画がヒットしたのは嬉しいかも。日本でさほどヒットしなかったのは不思議。誰でも楽しめる作品なのにね。

ヒロインのキャピーは労働者階級出身らしいけど、映画を観ただけではちょっとわかりにくかったかなあ。でもロドニーたちを応援していこうとするところの気持ちは、ちゃんとわかるようには作られてたと思う。
ビッグウェルドさんの引退の過程と、なんでそんなにドミノにハマったんだ?しかもそのボディではどうしたって、無理だろうという引っかかりはあるものの、「私はとても…忙しい」という言い訳にはちょっと痛いところを突かれた感じだった。

潜入舞踏会でのなんちゃって伯爵ぶりとか、カカーと叫ぶ羞恥シーン(爆)とか、笑わせてくれたし、後半の脱出、戦闘シーンとかもハラハラドキドキで、時にはハチャメチャで楽しい~。
無事両親のところに凱旋したときに、お父さんの夢をかなえてあげるところは、ちょっとこそばゆい感じがしたけどなんだか最後まで夢があって、後味のいいハッピーエンドで締まりました。

ただ、エンドロールがかな~り長いのね。不思議なことに、ヤイコの主題歌は字幕版の方だったらしい。なんで吹き替え版の方でないんだろ。まあ、エンドロールに製作過程のロボッツたちがいろいろかかれてて、それをじっくりみるのも楽しいことは楽しいんだけど。

剛の声はなかなか上手くはまってました。アニメの声優については過去いろいろ経験があったけど、洋画の吹き替えというのではお初か。一瞬、本当に剛の声?と思えるくらいのハイトーンな感じもあったりで。でも字幕版を観た時から、不思議なくらい剛の声だと、本当にピッタリと思えたんです。性格といい、まるであらかじめ草なぎ剛を意識して作ったんじゃあるまいな、と思えるくらい。吹き替えキャスティングを企画した人の気持ちがなんだかわかる。これを機に、剛にはまたいろんな吹き替えのお仕事、やって欲しいと思えました。

矢田ちゃんの声も、意外に落ち着いたイメージで、ロドニーよりもお姉さんに見えるキャピーのイメージに合っていました。アフレコ会見よりはもちろん上手でした。

山ちゃんフェンダーはオリジナルを超えた弾けっぷりでした。もしかして、元脚本を超えたアドリブも入ってたのかな?DVDでは是非両方を聞き比べて確認したいところです。

西田さんのビッグウェルドさんも違和感全くなく、ハマっていました。
メイン4人以外は、ちゃんとベテラン声優さん方で脇を固めていたのがまた安心できました。ここ最近はみんな別々のアフレコなんだね。なんだかそれも寂しい気がするけど。

この忙しい夏の間、字幕版は試写会で1回、吹き替え版は舞台挨拶の時と福岡スマコン遠征中にソラリアシネマで1回ずつ観たきりになってしまいました。(しかもソラリアでは結構空いていた…)本当は会社帰りに何回か観ようと携帯ストラップ人形目当てで前売りを何枚か買ってたのですが、結局それも友人知人に配って、観てくれ~してしまいました。吹き替えって、昼間くらいしかやってくれないので、夕方は字幕版ばかりだったのが辛かったなあ。黄泉がえりやホテビはかなり映画館に通ったのですが。剛のビジュが観れないのが通いきれなかった原因ね(爆)。

でもDVDはもちろん買いますし、また観れるのが楽しみ。
まだ観ていない方は、是非是非DVDもしくは、再上映されたら映画館で観てもらいたいです。どんな世代でも楽しめる、一見の価値はあると思いますよ。