しょうくんの ちょこ勉

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直訳^_^; 堤中納言物語 はいずみ

2010-11-21 | 古文を学ぶ
作者不詳の堤中納言物語。
虫ばかり大事にして他のことには全く興味のない姫君のお話『虫愛ずる姫君』が有名ですが、他のお話もなかなか興味深い短編(たんぺん)です。

その中から『はいずみ』をご紹介しましょう。
ここに出てくる男は、一緒に住んでいる女性がいるのですが、他の女性の所にも通うようになり、そちらの親から早く一緒に住んでやってくれと頼まれ、今まで一緒に暮らしてきた女性に家の隅っこに移ってくれないかと伝えます。
 (ひどい男ですね。プンプン。)


この女は、いまだ夜中ならぬ先に行き着きぬ。見れば、いと小さき家なり。

一緒に住んでいた女は、まだ夜中になる前に行きついた。見ると、とても小さい家である。


この童、「いかにかかる所にはおはしまさむずる」と言ひて、いと心苦しと見ゐたり。

付いてきた召使は、「どうしてこのような所においでになるのだろう」と言って、とても気の毒でじっと見ていた。


女は、「はや、馬ゐ(率)て参りね。待ち給ふらむ」と言へば、「『いづこにか泊まらせ給ひぬる』など仰せ候はば、いかが申さむずる」と言へば、泣く泣く「かやうに申せ」とて、

女は、「早く、馬を連れて帰ってしまいなさい。お待ちになっていらっしゃるでしょう。」と言うと、「『どちらに宿をとっていらっしゃるのか』とおっしゃられましたならば、どのように申し上げましょうか。」と言うので、泣く泣く「このように申し上げなさい。」と、


  いづこにか送りはせしと人問はば心はゆかぬ涙川まで

どちらに送っていったのかとどなたかが問うたならば 心は進んで行かないのですが涙の流れている川まで来てしまいました。


と言ふを聞きて、童も泣く泣く馬にうち乗りて、ほどもなく来着きぬ。

と言うのを聞いて、召使も泣く泣く馬に乗って、それほども経たずに着いた。
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