タニマチの目

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それぞれの綱取り

2014-01-28 22:40:19 | 大相撲
大相撲初場所が終わりました。


稀勢の里の綱取りは失敗、
それどころか休場と負け越しという無念な結果でした。


今場所の稀勢の里は何が悪かったのでしょう。
今もってよくわからないというのが実感です。


ひとつには、立ち合いの“間”が悪かったということは言えると思います。
初日の豊ノ島戦、五日目の碧山戦、中日の栃煌山戦では、明らかに自分の呼吸で立てていませんでした。

対戦相手も勝つためにいろいろ考えているのでしょう。
立ち合いの呼吸が綱へのひとつのハードルとなった初場所でした。

地力では、横綱に肩を並べるものを持っていますから、
また近いうちにチャンスはやってくるはず。
長い目で見守っていきたいと思います。


さて、今場所14勝を挙げ、
来場所13勝以上の優勝で綱の可能性有りと言われている鶴竜について。

よく“巧さ”が評価される鶴竜、
その評価に違えず、今場所も琴欧洲戦では左前ミツから翻弄する見事な相撲を見せてくれました。


しかし、“巧さ”だけの横綱のイメージはあまり湧いてきません。

腰の柔らかさから繰り出される強力な上手投げの白鵬、
下半身に重心を持ち、誰よりも低く鋭い立ち合いができる日馬富士、
綱を張る力士は、必ず強力無比な武器を持っています。

鶴竜にはそれが不足しているような気がするのです。
今の鶴竜の相撲は、稀勢の里・琴奨菊に比べても“線が細い”です。

もう少し上背があったなら、
あるいはもう少し突っ張りが強力だったなら、
鶴竜の綱取りの感触は違っていたでしょう。


しかし、逆に言えば、
この取り口で優勝争いをするまでの相撲が取れること自体凄いことです。

「いつの間にこんな強くなったのか」という大相撲ファンの驚きとともに番付を上げてきた鶴竜には、
未知の伸びしろがまだまだあるのかもしれません。

「これで悔しくなかったら、もう辞めた方がいい」と、
これまでにない気迫と悔しさを表に出してくれた今場所が何かのきっかけになれば、、、


鶴竜の今後の成長に思いを馳せながら
春の到来と大阪場所を待つことにしましょう。



 

熱戦の多い千秋楽でした

2014-01-26 22:34:11 | 大相撲
大相撲初場所は両国国技館で観戦しました。


鶴竜が盛り上げてくれましたね。


本割の結びの一番では、
両者が一旦離れる展開になってから、
鶴竜がもろ差しになって白鵬を寄り倒します。

右肩からぶつかる白鵬に対する鶴竜の低く鋭い立ち合い、
鶴竜の左が一瞬白鵬の前廻しに掛かります。
ここでしっかり前廻しを取って横から崩す展開になれば、それはそれで鶴竜の流れだったでしょう。

ともあれ、立ち合いは互角か、積極性という意味ではむしろ鶴竜が勝っていました。
白鵬には若干の焦りが生じていたはずです。
それが、離れてからの張り、もろ差しを呼び込むという展開を作ったのだと思います。


優勝決定戦では、白鵬が貫禄を見せますが、
仕切りでは稀勢の里が乗り移ったような気迫を鶴竜が見せてくれました。
あんな鶴竜を見たのは初めてです。


魅せてくれたのは鶴竜に限りません。
今日千秋楽に勝ち越しを掛ける力士が多かったためか、
幕内は近年稀に見る熱戦の多さでした。


稀勢の里の休場と負け越しは残念だったものの、満腹の両国観戦だったと感じています。


大相撲初場所については明日以降にもう少し記事を書きます。
もちろん寅さんについても。

稀勢の里が勝ち越せるか不安です

2014-01-25 10:13:38 | 大相撲
今日の夜はブログを更新できないので、
相撲を観る前に書いています。


さて、大相撲初場所は残り2日です。


稀勢の里はここまで7勝6敗、まだ勝ち越していません。


なんといっても、右足の親指の怪我が大きな不安要素です。
相撲は両足の親指の付け根に重心がかかる競技ですから、足の親指の怪我は致命的です。

昨日の白鵬戦では、ピョンと跳ねるように立つ、明らかに異常な立ち合いでした。
右足の親指と人差し指をテーピングで巻いて、通常の相撲が取れるわけがありません。


そして残りの取組相手は、
今場所後半になって前に出る力強さが増してきた鶴竜、
右の大胸筋を壊していながらも、右は抱えるだけで寄れる琴奨菊です。
どちらも苦戦が予想されます。

今場所は負け越しを覚悟しなければならないかもしれませんね。
あるいはいっそのこと休場を決断した方がよいかもしれません。


明日の千秋楽は両国で観戦します。

個人的には、
今日の稀勢の里・鶴竜戦では鶴竜に勝ってもらって、
千秋楽まで優勝争いをしてほしいところなのですが、、、

ようやく栃乃若が勝ち越しを決めました

2014-01-24 23:16:14 | 大相撲
大相撲十三日目を終えています。

栃乃若がようやく勝ち越してくれました。


今日は貴ノ岩に左に動かれて、土俵際まで寄られましたが、
左を差せたので残すことができました。


今日の相撲にも表れたように、栃乃若は左右の動きに弱いですね。

差し手の腕を返してトットッと小刻みにガブるように寄っていく相撲は、
栃乃若の体格では明らかに窮屈です。
そのためタイミング良く左右に躱され、前に落ちる展開がこれまで何度もありました。


ひとつの解決策は、突っ張りなどで直線的な相撲展開を作ることではないかと思います。
流れの中でどちらかを差して上手を取れば、自分の相撲でしょう。


突っ張りといえば、三段目優勝を決めた堀切の腕は本当に長いです。
師匠の錣山(元関脇の寺尾)親方のような相撲を取りたいという本人の弁でした。
確かにあの突っ張りがさらに回転を増したら、脅威ですね。

遠藤に納得の拍手が送らました

2014-01-23 23:50:06 | 大相撲
大相撲初場所、優勝争いが佳境を迎えています。


今日は遠藤が大関琴奨菊に挑みましたが、
一気にガブリ寄られ土俵を割りました。

前廻しを狙いに行く遠藤の立ち合いでしたが、
これで廻しを与えるほどヤワな大関ではないということですね。
解説の北の冨士も、「眉間で当たっていかなければならない」と言っていました。


しかし、負けて花道を下がる遠藤に対して館内からは大きな拍手が送られました。

もし遠藤があっさり勝ってしまったら、
やはり拍手は起こったでしょうが、観ていた人には多少の違和感が残ったでしょう。

あの拍手は、遠藤に対するエールであると同時に、
「さすがにまだ地力では勝てないよね」という納得の拍手だったのだと思います。


内容的には完敗だったにも拘らず、
遠藤に大きな拍手を送る大相撲ファンにむしろ感銘を受けた初場所十二日目でした。