福石みんのニュース備忘録

福井市民の福石みんが集めたニュース備忘録

アルツハイマーの進行抑制につながる薬剤を発見、福井大講師が論文発表

2012年02月01日 04時00分00秒 | 社会・文化
コレステロール低下薬にアルツハイマー進行抑制か 福井大講師が発表  - MSN産経ニュース 
2012.1.31 18:53

 血液中のコレステロール値を下げる薬剤に、アルツハイマー病などの認知症を進行させるタンパク質を減らす効果があることを、福井大の浜野忠則講師(神経内科学)が突き止め、31日発表した。発症を防いだり、遅らせたりする可能性があるという。

 厚生労働省などによると、認知症患者の半数近くがアルツハイマー病とされるが、現在、根本的な治療薬はない。浜野講師は「臨床研究で効果を検証し、数年以内に治療薬として使えるようにしたい」と話している。

 アルツハイマー病は、記憶をつかさどる海馬など脳の神経細胞に、リン酸化した悪玉の「タウ」と呼ばれるタンパク質が蓄積して細胞を破壊し、記憶障害を引き起こす。

 浜野講師によると、神経変性疾患の治療にも役立つ可能性があるという。

 研究成果はオランダの科学誌電子版に掲載された。

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コレステロール薬で認知症発症率が低下 福井大・濱野講師が論文発表 - MSN産経ニュース
2012.2.1 02:35

 福井大医学部の濱野忠則講師が、高コレステロール血症治療剤「ピタバスタチン」にアルツハイマー型認知症の発症率低下や進行を遅らせる効果があるとする論文をまとめ、オランダの医学誌「ニューロバイオロジー・オブ・エイジング」オンライン版に掲載した。

 アルツハイマー病は脳にタウと呼ばれるタンパク質が変質して凝集し、脳内に蓄積されることで発症しやすくなるという。

 濱野講師はピタバスタチンを服用している患者に認知症の発症が少ないことに着目。人の神経細胞やマウスを使って検証し、タウタンパクや変質後の同タンパクを減少させる効果を確認した。

 今後約5年をかけて約100人の患者で効果を確認し、治療薬の開発につなぎたいという。濱野講師は「既存の医薬品なので、研究にかかる期間も短いはずだ」としている。

 また、脳の神経が変質するほかの病気にも効果が期待できるとしている。

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脂質異常症治療薬、認知症にも効果 福井大の濱野講師が発表 社会 福井のニュース :福井新聞
(2012年1月31日午後8時17分)

 高脂血症など脂質異常症の治療薬がアルツハイマー型認知症の予防や抑制にも有効であるとする研究成果を、福井大医学部の濱野忠則講師(46)が31日、同大松岡キャンパス(永平寺町)で会見し発表した。論文はオランダの国際科学誌「ニューロバイオロジー・オブ・エイジング」電子版に掲載された。

 認知症患者は全国に200万人いるとされ、中でもアルツハイマー型はその5~7割を占める。治療は症状を軽くする薬物投与が主で、根本的な治療法はないという。従来、脂質異常症の治療で一般的な薬「スタチン」を処方された患者に、発症が少ないとの研究はあったが、十分知られておらず、仕組みも分かっていなかった。

 濱野教授は、脳の神経細胞が死ぬ「神経原線維変化」と、その原因となる「タウタンパク」の変質に着目。アルツハイマー型の特徴のうち、これまであまり注目されてこなかったもので、2007年から研究を始めた。実験ではスタチンの一種「ピタバスタチン」の投与前後を比較し、投薬後はタウタンパクの変質をもたらす特定の酵素の活性が、大きく減少していることを確認。その結果として、細胞内の変質したタウタンパクが減少することも確かめた。

 論文は昨年11月29日発行の科学誌に掲載された。既に10年秋から、同病院の患者を対象にした臨床研究で、認知機能の改善具合などの検討を始めている。今後5年間でさらに100人程度で効果を検証する計画。

 濱野講師は「脂質異常症の薬が認知症にも効果があると示せた。既に安全性が確認された薬であり、3~5年以内の適用拡大を目指したい」と話した。さらにタウタンパクは「前頭側頭葉型」認知症など、他の神経変性疾患にも関係している点を指摘し「治療へのさらなる応用も期待される」と研究の進展にも触れた。(柴田裕介)