進歩への準備と意志が調和した。10日のグランプリ・シリーズ第3戦フリー種目でのキム・ヨナ(17)=軍浦スリ高=の得点は122.36。昨年のグランプリ第4戦で優勝した際に自らが立てた個人最高得点の119.32を3点以上上回った。4分の演技後半で狙っていた3回転を1回転としたことから6点ほど点数が低くなったことと、例年に比べると審判員の判定が厳格になった点を考慮しても、周囲を完全に圧倒した演技だった。8日のショートプログラムでの58.32点(3位)と合わせて計180.68点での優勝だ。キム・ヨナは2位米国のキャロライン・チャン(156.34)、3位イタリアのコストナー(143.86)を大きく上回る点数で、フィギュアで世界最高レベルの実力者であることを証明した。
ミュージカル『ミス・サイゴン』のメロディーに合わせてキム・ヨナが披露したフリープログラムは、技術的な側面では昨シーズンよりもワンランク進化した。脚を交差させるスピン・コンビネーションも導入した。直線ステップの連続でレベル1(最低ランク)を受けたのがやや悔やまれる。キム・ヨナはスケートブーツの問題と腰の負傷を克服し、精神的にも安定を取り戻した。中国ハルビンのインターナショナル・スポーツセンターはリンクの氷の質にやや問題があり、他の選手たちはほとんどが2回ほど転倒した。12人の中の10番目に登場したキム・ヨナは、演技前にリンク上の異物を拾うほどの余裕を見せた。体重を3キロほど減らしながらも筋力トレーニングを続けたおかげで、演技には弾力が感じられ最後の体力的な不安も見られなかった。
キム・ヨナは現地でのインタビューで、「ショートプログラムでは今シーズン最初の大会だったので緊張した。フリーではリラックスできた」「失敗は少しでも許されないと思っていた。今後の大会では表現力をレベルアップしたい」と述べた。キム・ヨナは12日の帰国後、韓国でトレーニングを重ねた後に22日から25日までロシアで行われるグランプリ第5戦に備える予定だ。世界ランキングはトップの浅田真央に続き2位を維持した。