世界珍し紀行

世界を旅して衝撃を受けたり、感動したり、恐怖体験したことなどを語る。

NYの奇跡

2007年05月12日 | Weblog
アメリカというより、ニューヨークというひとつの国のような感じだった。
タクシーに乗っても、運転手はフランス人だったりインド人だったり。
街を歩けば、スペイン語だのイタリア語など、ここは一体どこ?
いろんな国の人たちが集まる場所。
そして文化入り乱れた場所。
計り知れない魅力と面白さ。

アーティストたちが集まる場所としても名高いこの地で、私は奇跡の一部に触れた。
彼女は日本で友人を通じて知り合った画家と彫刻家の顔を持つアーティスト。
マンハッタンの隣町のブロンクスにスタジオ兼住まいを持つ。
スタジオに足を踏み入れて、しばしその空気の清らかさと静かな秘められたエネルギーに言葉を忘れる。
窓際からさしこむやわらかい太陽の光が、大理石で作られたマリアさながらの女性像をやさしく浮かび上がらせ、
壁にかけられた絵は静かに私を受け入れてくれた。
空気がきれいすぎる。そしてやわらかい。
私はそこで彼女と語り、ぞんぶんにその空間に触れて楽しんだ。

石ってこんなにもあたたかいものなんだ?
石彫に触れたのは彼女の作品がはじめてだ。
ブロンズだの木彫にはたくさん触れてきたが、石にこんなにも包容力があるとは思わなかった。
私はひたすらいろいろな角度から眺めた。
心と体が静かに癒されていくのを感じた。ストーンパワーとはよくいったもので、アクセサリーにもなっているほどだが、
彼女が作り出すまるみをおびた、繊細な彫刻はそれ以上のパワーを持っているようだった。

あっという間に日が暮れて、けれどいつまでもその場所から出られない力がそこにあった。
また訪れよう。
石。
”地球の欠片”と彼女は言う。
私たちもまた地球の一部だからこそ、この石のかけらから同じあたたかさを感じるのだと。
これからの作品がとても楽しみだ。