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鬼畜な美食家 Ⅱ 一章

2021-07-29 15:42:51 | 縄奥小説

  鬼畜の美食家Ⅱ 一章


 その日、美智子は会社の先輩と二人で高級レストランでの食事を楽しんでいた。

先輩の名前は洋子。 美智子にとって洋子は内心、心の敵であり友情などみじんの気持ちすら持てないほどの憎い女だった。

美智子はこの先輩である洋子に彼氏を寝とられ仕事の手柄を度々、横取りされる憎い女だった。

 だが美智子にして見れば洋子は他の女達と比べてもバストもウエストもヒップさえも同性からも羨ましがられる程の魅力的な女であったことは間違いなかった。

美智子はいつかこの憎い女、洋子に貯まりにたまった憎しみをはらそうと常に頭の中で画策していたが、なかなか良い手だてが見つからないまま時は過ぎていった。

 そして時おなじくして警視庁をも打つ手なしの5年前の未解決事件が再び捜査されかかろうとしていた。

鬼畜の美食家事件・・・ 5年も経過していたこの事件に目をつけた一人の刑事。 

5年前のこの鬼畜事件は未だに解決していないことを偶然にも警視庁、警視(刑事)が資料室で別の事件の捜査資料を探していて偶然、発見された物だった。

刑事は5年前の猟奇的な事件に引きずりこまれていった事に自分でも未だ気づいてはいなかったかのように思えたと後に自らの手帳に記入した。

 そして更に半年が過ぎたころ、不審なけが人を大学病院から警察に連絡が入った。 その連絡を受けた刑事たちは速攻で病院を訪れ医師から状況を聞いた。

医師によれば怪我人の女性が運びこまれる30分前に119番に連絡が入って救急車が到着した時、女性は両方の乳房を切り取られ左足の内ももの肉が無くなっていたと言う。

 速攻で記憶が蘇った刑事達は5年と半年が過ぎた、あの事件を思い浮かべていた。

幸いにも命にはべつじょうは無いものの、救急車の隊員の話しによれば、患者は応急手当てが完璧にまで施されていと証言した。 まさかあの事件が?

 刑事たちは思いもよらない5年と半年前の事件を否応なしに思い出さされていた。

またか・・・ 刑事の一人が小声で壁に両手を軽く叩いてつぶやいた。

 日本国中を騒がせたあの事件。

鬼畜の美食家たちが活動を始めたのかも知れないと誰もが不快な記憶を脳裏に滲ませた。

 「この件はまだ附せとけ」 と、課長の判断で翌日の新聞には今回の事件報道は一切なかった。そして所轄と警視庁の合同捜査本部が開かれ「今回の件は誰にも話すな!」と、捜査一課長の号令が室内に飛んだ。

警察では、被害者と話せると医師から言われ、隠密裏に被害者の病室に足を運んだものの被害者女性の受けた傷はあまりにも大きく思うように進展することはなかった。

「犯人を知っているのは被害女性」と、判断したものの女性は満足な受け答えが出来る状況ではなかった。

ただ、救急車の隊員から女性を乗せた場所を聞き出して、刑事たちはその場所にある建物の全てに鑑識とともにしらみつぶしのようにくまなく調査が進められた。


 被害者が居た場所の周辺には個人所有の別荘が10~15件もあったものの、ほとんどの別荘は全て施錠されていて外からの侵入は時事上、無理であったことから警察は何処かに入れる箇所が無いのかと額の汗をぬぐった。

「もしかしたらこれは別の場所からこの道端に置かれていたかもしれないな」 一人の刑事がつぶやくと周囲は調査の範囲を大きくとって調べ始めた。

 探し初めて一時間が経過したあたりで突然「班長!ありましたと!」 言う大声が刑事たちの耳に突き刺さった。

刑事達と鑑識の集団は見つけた場所へと足を急がせた。 そしてそこにあったのは築数十年が経過したであろう真っ白な3階建の誰かの別荘であった。

そして刑事と鑑識がドアノブをゆっくりと回すと「カチ!」と言う音ともに真っ白なドアが開き一人、また一人と中へ入っていった。

 刑事一人と鑑識一人のチームになって別荘の中へ次々と引きずりこまれて行った。

すると「おかしいな。被害者を襲ったなら何かの痕跡がなきゃ・・・」 刑事と鑑識達は同じ思いで声をそろえた。

 建物の中は数十年間も使われた形跡が無く床はホコリだらけであって人間が歩けばホコリが舞い上がるほどであった。

「こんな場所で犯行を行えるはずがない」 と、複数の関係者は口を揃えた。

 犯行現場はここではないと意見が一致したものの、周囲には建物はおろか倉庫も無い。

「一体犯人達はどこで被害者を」 と、一同は無言になった。

 すると一人の刑事が「全室のカーペットの下を探して見よう!」と、大声を張り上げた。 そして最後の望みをかけるかのように刑事と鑑識は一斉にカーペットをまくり上げた。

「あった! あったぞ!!」と台所のカーペットの下に地下室へと降りられる縦横90センチほどの扉を見つけたが、一人の刑事は床に這いつくばってホコリの厚みに疑問を投じた。

 昇降口へゆっくりと降りる捜査班は鑑識と一緒にライトで階段を照らしつつ静かに降りたった。 そして床に這いつくばってホコリの高さに疑問を持った刑事は鑑識に写真をとらせ、また一つの疑問に眉をしかめた。

そのころ地下室では刑事と鑑識の捜査で大きなライトで地下室を照らしつつ、「なんだここは!?」と、声を驚いたように声を細めた。

「まるでマンションの作りじゃないか!?」

刑事と鑑識は部屋の全てを当たり一枚の紙に部屋の作りを書いてみると、3LDKの全てが書き写させられた、

「探せ! 何でもいいから徹底的に探せ!!」 班長の激が飛ぶと刑事たちは部屋の隅に身を置き鑑識たちは、かがんで床に張り付いて一センチずつ身体を全身させた。

地下室を探し回る刑事と鑑識をよそに台所に這いつくばった刑事は「なんでホコリの高さが違うんだ?」 と、引き上げられていないカーペットを凝視し引き上げられたカーペットのホコリの高さを注目した。

 「まさか・・・ 犯人達は現場を去る時にホコリの高さを一定にならしてから出て行ったのか!?」

刑事は「もしそうなら、いくら地下室を探しても証拠になるモノは無いはず」 と、自問自答を繰り返した。

 警察と鑑識が総力を挙げて調査していると同じ時間に、同期で何でも話せる親友の幸子とバーのカウンターで二人で洋子について愚痴を言い合っていた。

「あんな女、死んでしまえばいいのに!!」 と、美智子は幸子に寄りかかって愚痴を吐露し、幸子もまた美智子のことを気遣って「飲もう! 今日は徹底的に飲もう!!」 と、美智子を励ました。

だが、そんな美智子と幸子の話を二人から、そう遠くない椅子に座り帽子を深々とかぶったサングラスを付けた一人の男がスコッチをおかわりしていた。

その時間、警察と鑑識はその部屋全体から何か出ないかと科捜研にも協力を要請し捜査は翌日まで続き、太陽が昇ると同時に科捜研が車両から機材を下して地下に投入した。

そして数時間後、科捜研の一人が「血液反応を見つけた」 と、大声で叫んだ。

 科捜研は特殊な機材で床に散らばった大量の血液を確認すると部屋の隅々まで機材を使って調べて行き同時に全身麻酔に使われたと思われる液体も発見した。

「やはりここが現場か・・・」 と、班長は眉間にしわを寄せて地下室の広い台所を見つめた。

そして当日の朝、警視庁と合同本部で仮眠を取っていた班長に、病院から携帯へと電話が鳴った。 電話で目を覚ました班長は両手で自分の顔をパンパンと叩くと数人の刑事達と病院へと向かった。

 「患者さんは極度の恐怖症になっていますからお話しは5分だけにして下さい」 と、看護師長に班長はうなづいた。

「よし! オマエの出番がやっと来たな!」 班長は警視庁の女性巡査長に口元をニヤリとさせてから女性巡査長の肩を軽く叩いた。

「俺らはアイツが戻るまでここで休憩していよう」 と、数人の刑事たちと長椅子に座って缶コーヒーを口に含んだ。

女性巡査長がゆっくりと病室に入ると、怯えながら身体を隠すように「大丈夫ですか?」と巡査長が小さな声で被害者の前に静かにちかよった。

「いやあぁーー! 来ないでー!!」 と、被害者の女性は女性巡査長を左手を開いた。

そして数十秒が経過した頃、被害者の女性はノートを巡査長に手渡すとそのまま布団を頭からスッポリとかぶった。

巡査長がそのノートを見た時に息を飲んで書かれている内容に全身を硬直させた。

 医者らしき男が一人、看護師のような人が一人、客のような顔半分を隠した男女4人か5人が居て医者や看護師や客も仮面で顔半分を覆い、私の寝ている会議用の机らしきものの周りを全員で、いやらしい目で見ていた。

衣服ははぎとられ下着姿の私のブラを医師が外しパンティーを看護師が丁寧におろしていくと、一人の客らしき男が歓声を上げ広げられた私の両足を更に大きく開き喉を鳴らしていた。

すると客らしき人達が次々に私の身体の部位を医師らしき人に耳打ちすると、医者らしき人は2度目の全身麻酔を注射し私はそのまま眠ってしまったと、ノートで証言した。

 


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