オーガニックなサーフフィルム「シーワーシー」 は2008年グリーンルームで短縮版が上映され話題になり、ユーチューブでも爆発的なアクセス数で注目度が高まっている。この作品を手がけたネーザン・オールドフィールドは、2003年、処女作「ライン・フロム・ア・ポエム」を発表。インディペンデントながらサーファーズ・ジャーナルで高い評価を得た。
いかにサーフィンが人生に深い意味を持たせるか、本作はサーフィンが私達の人生をより深いレベルに導くと語る。ネーザンがサーフィンと人生を結び付ける理由は、サーフィンは純粋な行為でそれを追求する者も自然と純粋な方向に向うと考えるからだ。海と向かい合うことでハートとマインドが開く。そして感受性が豊かになり海と親密な関係になれる。サーフィンは無形の贈り物で人生にインパクトを持たせてくれる。忍耐、謙虚さ、聡明さ、この世界に属しているという意味、純粋でシンプルな喜びの価値。どんなサーフィンをするかより、なぜサーフィンするか、それが重要だと伝える。
パフォーマンスにばかり注目するサーフィン界では「シーワーシー」は異端児であろう。何回ターンをしたか、どれだけ波を切り裂いたかではなく、本作はサーファーのハートとマインドを鼓舞する。水中撮影は「ビリーブ」でベスト・ウォーター・シューティングの称号を得たミック・ウォーター。陸上からの撮影とのシンクロは優雅な臨場感を醸し出している。出演はラスタ、アレックス・ノスト、トム・ウェゲナー、CJネルソン、セイジ&ヒース・ジョスク等とショートもロングも関係ない超個性派ばかりだ。
ネーザンはオーガニックなフィルム製作を心掛けている。台本や作られたものは必要ない。波に遭遇するように偶然の出会いがキャスティングを決定する。共鳴できるサーファーとの出会いと自然を通して伝える。目的は自然の持つ美しさと野生を伝えること。映像はサーファーのアクション以上に背景、波の美しさを強調する。サーファーは景色の中で輝いていることに気付く。サーファーのバックボーンとなる普段の生活にも焦点を当てているが、サーフィンとライフスタイルとの関係をはっきりすることで見えてくることがある。「インディペンデントだから本当に好きなことだけに集中できる。それは利点でもある。スポンサーや誰かの意見に左右されずに制作できる。」 一部の水中撮影を除いて音楽セレクション、処女作「ライン・フロム・ア・ポエム」同様に編集、オンサリングまで全て一人でなされた。スポンサーがいれば楽な面もあるだろうが、完璧な自由に勝るものはない。」メッセージ色が強いフィルムで芸術的な映像と安らぐサウンドは飽きがこない。
SEAWORTHY シーワーシー ― 海への適応
2009年度オーストラリア作品 DVD “Seaworthy”
¥4,800(税込)日本語字幕付き
ご購入はこちらからhttp://page13.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/r51382597