日々是好日

10月7日(月)琵琶湖自由プラン

今日は琵琶湖ツアー。決まっているのは琵琶湖に行くことだけ。ゲストさんとドライバーさんと相談して行き先を決める。どうなることやら。ドライバーさんが5月にお世話になった方で、とても親切でベテランドライバーのイタヤさんだとわかっている。

フォーシーズンズホテルに行った。この竹林の向こうにホテルがある。


入り口。9時にピックアップ。8時40分に着いたが、ゲストさんはもうロビーでお待ちだった。着くなりドライバーさんから電話があった。9時前には車はホテル前につけないので1階に降りてください、との連絡。わけがわからない。ロビー階は1階のように見えるが。言われる通りエレベーターで1階に降りた。少し迷って、ようやく車がみつかった。ホテルの前は『女坂』と呼ばれる道で、京都女子中・高・大に行く生徒たちのバスが行き交う。それで9時までは通行禁止になるそうだ。


最初からいい歳をしてオタオタしてしまった。ゲストさんはルイジアナ州から来られた70歳代のパットさんとサラさんだった。「どこか行きたいところがありますか」と聞くとMIHO MUSEUM とおっしゃった。慌てて調べたが、今日は月曜日なので休館。ドライバーさんとも協議して、午前中は京都から遠くない比叡山延暦寺と浮御堂に行くことにした。ルイジアナから来られたのでニューオーリンズの話になり、映画『欲望という名の電車』の話で盛り上がった。「ヴィヴィアンリーだったね」「マーロンブランドも出てたよ」同世代だから交わせる話題だった。

1時間ほどで延暦寺に着いた。ここには2〜3回来たことがあるが、ガイドは初めて。下見なしのぶっつけ本番ガイドになった。ドライバーさんに「大丈夫。なんとかなる」と励まされて車を降りた。根本中堂は修復中だったが、屋根を修復している様子を上から見えるようになっていた。お堂の中では、若い僧侶が説明をしてくれた。延暦寺創立以来、絶やすことなく燃やし続けている灯を『不断の法灯』というそうだ。油を足す係が決まっているわけではなく、少しでも油が減ると誰かが注ぎ足すそうだ。油断大敵という言葉は延暦寺で生まれたそうだ。どこまで通訳ができたかはわからないが、本物の僧侶のお話が聞けたのは貴重だった。

そのあと、目の前にあった文殊院に行ってしまった。この辺りの雰囲気はお気に召したが、階段や坂が多かった。サラさんの足元が不安定だった。


小石が積み重なっているのを見て「これは何?」と聞かれたので、咄嗟に5つの石を積み上げて、下から地、水、火、風、空と説明した。空はvoid or spaceと言った。パットさん「ユニバースだね。五重塔と同じだね」とおっしゃった。なんだ、ご存知だったんだ。


根本中堂の方に戻り、ドライバーさんにお水のボトルを持ってきてもらった。人使いの荒いガイドだ。パットさんは、日に3リットルくらい水を飲まれる。

このあと、文殊院とは反対側の大講堂や阿弥陀堂にお連れした。大講堂では信者さんたちが般若心経を唱えておられた。阿弥陀堂では、僧侶が真剣にお経を唱えておられるのを横から静かに見学した。下見をしておけば、もっと上手にご案内できただろうに。すみません。でもとても静かで落ち着いた良いところに連れてきてくれたと感謝された。

比叡山には100ほどのお堂があるそうだが、今日はこの阿弥陀堂で終わりにしよう。急な下りの階段はサラさんには辛そうなので、ドライバーさんに電話して迎えにきてもらうようにお願いした。お堂の横に車が停まっていたので、車で来れるのだろう。ところが下の駐車場から車で来るには有料道路を通らないとならないそうだ。地元の人が代わりに迎えに来てくれた。無料で通行できるパスをお持ちだ。とても愉快なおじさんで、ゲストがアメリカから来られたとわかると、アメリカ国歌を歌い出し、続いてイギリス国歌。フランス国家を歌い始めた頃に駐車場に着いた。お礼に1000円札をそっと渡した。愉快なおじさんは二宮写真館の二宮さんだった。二宮さん、ゲストさんに比叡山のサンセットとサンライズの2枚の大きな写真をプレゼントされた。写真館の前で、ゲストさんと二宮さんの3人が並んだ記念写真をお撮りした。


車に戻り、浮御堂に向かった。途中、展望台があったので、琵琶湖の遠望を楽しんでいただいた。キレイだった。琵琶湖ツアーなので、琵琶湖に近づかなければと思っていたが、遠くから見た方がキレイなこともある。

浮御堂。延暦寺は山の中の大きな寺院。こちらは海に突き出た小さなお寺。好対照だった。ここも好評だった。


この松にはびっくり。


ランチは軽いもので、と言われたのでドライバーさん推薦のお蕎麦屋『日吉そば』にお連れした。パットさんは塩分の制限があるが、少しなら大丈夫ということだった。お二人は山菜そば、私は月見そば。昔ながらのお蕎麦屋さんだったが、英語メニューがあった。お仕事の話を少しした。お二人とも現役。パットさんは弁護士。引退したいが、関わっている仕事が終わらないのでまだ引退できないそうだ。サラさんは連邦判事。クリントン元大統領に任命されたそうだ。定年はなし。日本で最初の女性の裁判官の話をしたついでに、裁判官に女性は多いかと尋ねた。連邦判事の3分の1は女性だとお聞きした。


雨が激しくなってきた。朝、話した時のプランに入っていた琵琶湖テラスも彦根城も行かないことにした。この天気では無理だ。パットさんが陶器の花瓶を買いたいとおっしゃっていたので、ドライバーさんおすすめの『清水焼の郷』にお連れした。清水焼の窯元やお店がたくさんあり、清水寺付近で買うより、良いものを安く買えるそうだ。

ドライバーさんおすすめの『雲楽窯』はあいにく閉まっていた。


会館で教えてもらった『洛中洛外』というお店に入った。人間国宝の作品もあった。


サラさんはジャッジが早い。気に入った花瓶を見つけてすぐに購入された。


このあとはどうしますか、と尋ねたらホテルに戻るとおっしゃった。この天気で楽しめるところはあまりない。予定より2時間も早く終わってしまった。親切で物知りなドライバーさんのおかげで、この琵琶湖ミステリーツアーを乗り切ることができた。ゲストさんは決断が早くてさっさと動くサラさんと時折冗談を言いながら写真撮影のお好きなパットさんの素敵なご夫妻だった。私の体調は万全ではなく、喋ったら咳が出そうなので、午後からは話しを控えた。申し訳なかった。早く風邪を治さないと。

帰宅して、うたた寝してしまった。慌ててかかりつけの病院へ。お薬を1週間分、処方してもらった。



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