日々是好日

7月21日(金)また、やっちゃいました

今日はEE Tourのガイドの日。早起きして京都に向かった。
阪急烏丸駅からゲストのホテルに向かって歩いていると祇園祭の鉾が見えた。『船鉾』だった。祇園祭のハイライトは7月17日の前祭の山鉾巡行だが、実は後祭(あとまつり)もあり、7月24日には11基の山鉾が巡行する。もう準備ができている。


ホテルでゲストに会った。アイダホ州から来られたお母さんと27歳の長身の次男さんだった。『アイダホ?アイダホポテトの?』しか言えなかったバカなガイド。お父さんは旅行の直前に病気になったため、楽しみにしていた日本旅行を取り止められた。お母さんは高校の教師。英語(日本では国語という)と体育(柔道)を教えておられる。柔道3段。子供3人、孫4人。私と同じやんか。

北大路に向かう地下鉄の中では、ご家族の写真を見せてもらったりして楽しく過ごし、金閣寺にはタクシーで行った。金閣寺の山門にある『五用心』は興味深かったようで、息子さん、英語を携帯に入力されていた。いつものように”No.5 Don’t drink too much sake.”で笑いをとり、ツアーは順調に進むかのように思えた。


金閣寺の拝観券を買うところで、リュックがないのに気付いた。これで2回目。アホすぎる。タクシーの前の座席に座り、リュックとトートバッグを足元に置いた。すぐに取り出したい写真のファイルや熱中症防止グッズなどはトートバッグに、それほど使わないものはリュックに入れておいた。アホなのは、財布をリュックに入れていたこと。このツアーは、ゲストが拝観料やタクシー料金を払うので、現金はあまり使うことはない。置き忘れたのは、タクシーの中に違いない。

また、やっちゃった。ひと月くらい前にもリュックを置き忘れた。失敗に学ばない奴だ。金閣寺の映り込み、ことのほかキレイだったが、私の心は晴れない。でも動揺は隠してガイドを続けた。



ラッキーなことに、お母さんがタクシーの領収書を持っておられた。領収書には電話番号が書かれていた。不動堂に着く頃には、リュックは大徳寺のそばにある交番に届けられていることがわかった。お母さんが女神様に見えた。個人タクシーのおじさん、ありがとう。タクシーの中では、おじさんも子供の頃、柔道をやっていて、1級をとり茶色の帯をもらった話をしてくれましたね。
ツアー終了後に、交番に取りに行くことになった。交通系カードとpaypayはあるので、今日のツアーはなんとかなるだろう。

タクシーで嵐山に着いたら、見事な蓮池。4日前に来た時より、たくさんの花が咲いていた。


息子さんが大きなオタマジャクシをこの辺りで見つけた。息子さんは観察眼が鋭くて、ツアー中、これまで私が気付かなかったことを色々教えてくれた。3人でしばらくオタマジャクシを観察した。あんなに大きなオタマジャクシを初めてみた。ゲストも同じことを言っていた。


竹林を抜け、天龍寺のお庭に行った。今は花が少ないので、申し訳ない気持ちで歩く。でもこの木をじっくり観察。このPurple cherry plumはアイダホのお家にあるそうだ。


今度は、カエル発見。6月からここにいる。私は大きな方しか気付かなかったが、息子さん、左にいる小さなカエルを見つけた。


天龍寺のハス。


種子が可愛らしい。1000年前の種子が発芽した、という話を聞いたことがあるような気がしたが、自信がないので言わなかった。


ランチは嵐山のお寿司やさんで。これはホタテ貝のサラダ。ゲストはこの他にトロの鉄火巻き、穴子の押し寿司、海老を注文された。一つのお皿に乗せられたお寿司の量が多かった。アスリートの息子さん、たくさん召し上がった。私はイクラ入りのちらし寿司丼。支払いに交通系カードもPaypayも使えなかったので、ゲストに奢っていただいた。


着物フォレストに寄ってから、嵐電に乗って終点の四条大宮まで行った。そこからはタクシーで伏見稲荷へ。


参道にあるお箸のお店に入った。息子さんが友人へのお土産に、夫婦箸を買われた。英語、漢字の両方で刻印してくれる。30分でできるそうだ。漢字の変換に苦労した。お店の人のお知恵を拝借した。一番苦労した「ジェ」は2文字に分けて「慈恵」にした。帰りに寄って、出来上がりを見て、ゲスト、大満足だった。


伏見稲荷でもお祭りが行われる。明日は宵宮で明後日が本祭だ。準備に忙しそう。


外拝殿。名前がある。尋ねてみたら画家の名前だそうだ。このあと、画家の作品が、木枠に入れられて、行燈になるようだ。



最後のタクシーは清水寺まで。百体地蔵の横に、石垣があった。息子さんがそれに興味を示された。私は今まで、そこに石垣があることに気付いていなかった。明日は新幹線で大阪に行かれるそうなので、大阪城の石垣をお勧めした。あの石垣は天下一品。

音羽の滝に降りる階段から撮った写真。釘探しをしたが、見つからなかった。見つかったら困るが。


清水寺の起源は、清らかな水探し。お坊さんはここで滝を見つけたそうだ。やはり音羽の滝の水を飲まないと。長い列ができていたが、お母さんは並んで、お水体験。大抵の人は、ほとんど飲まずに口をゆすいでおられる。空のペットボトルに水を入れている人もいる。昔の絵図を見ると、訪問者は背中に滝の水を浴びて、滝行をしている。


二年坂は混んでいた。体力のあるお二人はさっさと歩き、終点の祇園に着いた。真夏に10ヶ所全部回れた。ゲストが強かったから。お水は頻繁に補給されていた。四条河原町でお別れした。この辺りで散策し、夕食を食べたいそうだ。私はリュックサックを取りに北大路に向かった。


今日もたくさん興味深いお話が聞けた。
旅行にこれなかったお父さんは警官をされているそうだ。もうすぐリタイア。森林で働いでいるとおっしゃるので、山火事関連ですかと尋ねるとそれだけではないそうだ。野生動物の保護、狩猟、人身売買、麻薬売買などの見張りなどの業務があるそうだ。所変われば、仕事内容も変わる。

帰宅してから、愛用しているこの本でアイダホ州のことを調べた。


アイダホ州は日本の本州ほどの面積に人口130万人、と書いてあった。お二人はアイダホ州の北の方に住んでおられる。敷地は広く、多分、牧場のようなところではないかと思う。馬を5頭、飼っているそうだ。公共交通はなく、今は2人家族で車3台だが、子供さんがいる頃は5人家族でマックス6台を所有していたそうだ。子供さんたちは16歳になると自分で運転して、学校やスポーツクラブに行った。

私も元高校教師なので、学校の話もたくさんした。高校では外国語は選択科目で、2年間だけ。息子さんは外国語を全く選択しなかったそうだ。お母さんの学校では、スペイン語、ドイツ語、フランス語の他に日本語が選択できるそうだ。でも圧倒的にスペイン語を選択する生徒が多く、日本語は少ないそうだ。

お母さんは150〜160人の生徒を教えているが、そのうち有色人種はたった5人。白人が圧倒的に多い地域らしい。春にシカゴとサンノゼから来た高校生のガイドをして、アメリカってやっぱり”melting pot”なんだなあと思ったが、そうでもない地域もあることに気付いた。アメリカって広い。

今日も教えたことよりも、教えてもらったことの方が多かったような気がする。ゲストさん、ありがとう😊



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