中村叶の詩

中村叶の詩です。元気になれる。勇気がでる。心安らぐ。

一杯のジュース

2006-03-11 12:55:54 | おはな詩(職業)
一杯のジュース

生まれつきの小児麻痺の子どもを
初めて飛行機に乗せた

生涯寝たきりだった子ども
仙台発大阪行き日航812便

67歳の私は
妻と二人で東北旅行を終えて
帰路につく機中の人

小児麻痺の子どもは
昨年40歳でなくなって
だから、写真が飛行機に乗った

生涯寝たきりだった子ども
初めての飛行機旅行

あっ、富士山!
霊峰富士が雲海から頭を出していた

40年の生涯を寝たきりで過ごし
この美しい富士のお山を見ることもかなわず
昨年、遠くへ旅立ったわが子

さぁ、見てごらん 富士山がきれいだよ
写真を窓際に置いた

客室乗務員の女性が
飲み物を配っていた

私の席のところへ来ると
「お写真の方にもどうぞ」と
一杯のジュースが差し出された

一杯のジュース
「お写真の方にもどうぞ」

美しい富士山と
わが子よ
40年の生涯を寝たきりで過ごした
お前のための・・・


< 「虹の架橋」は群馬県大間々町の洋品店・足利屋、さくらもーる「アスク」が発行する地域情報紙のタイトルです。いろいろな活動を通して出会った心温まる話題や地域情報を満載して毎月1日に発行しております。>という『虹の架橋』に連載の『小耳にはさんだいい話』第16話「一杯のジュース」に想を得て詩にしてみました。http://www.sunfield.ne.jp/~yachan/niji/
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5 コメント

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高校1年生の感想(一杯のジュース) (管理人)
2006-03-12 19:25:20
 死んだ人は、心の中で生きているという言葉があうと思う。写真の方にどうぞとジュースをわたした。その時、本当にジュースを飲んでくれるような気持ちになると思う。



 ちょっと感動した。

 「お写真の方にもどうぞ」とジュースをくれた客室乗務員の人はすごいと思った。

 なんかあたたかい感じがする。



 そのジュースをさしだした乗務員は、心の暖かい人なんだと思った。(自分の子供なのに小児まひの子供とか生涯寝たっきりの子供という言い方がきになった)

 

 とてもふくざつなかんじがした。

 いい客室乗務員だった。

 40年の長さを考えたときさらにふくざつにかんじた。



 のみ物をくばった女の人の一言で、すごく感動しました☆

 美しい富士山 初めて写真だけど みれて、しあわせな気持ちになれたかな



 すごく良い話だと思います。自分がもし写真を持ってる側だったらうれしいと思う。



 このお話には優しさがいっぱいだと思った。

 

 客室乗務員は気がきく人だなと思った。

 

 私ならきっとジュースをどうぞなんて言えないし差し出せないと思う。自分には優しさが欠けているところがあると思っています。



 客室乗務員の女性はすごい行動をとったな、と思いました。私もこの女性のようにできるだろうか? と考えてみたけれど、むずかしくて私にはできないと思った。だけどこの女性みたく人間力の強い人になりたいと思いました。

 

 ぼくは、客室乗務員が「お写真の方にもどうぞ」って言うのがとても印象的だった。

 ずっと病気に苦しんでた子供の事を考えるとかわいそうだ。

 

 このスチュワーデスはとてもすばらしい人だと思いました。

 だって、写真の人にもジュースを差し出すってことは写真の他界してしまった人をたった一人のお客さんとふるまっていたので、そこに感動した。



 自分だったらできないと思った。すごいと思った。

 なにげないやさしさ、思いやりがある人はいい人だ。そんな人あんまりいない。みんながそうだったらもめないのに。

 自分もそんな人になりたい。ならなくっちゃ。

 

 客室乗務員のヒトはすごいと思う。

 私にはできないと思う。 そこまで気を配ることができないと思う。

 こうゆう人になれたらいいです。もしこうゆう人がたくさんいたら、ほとんどの人が幸せになれるかもしれません。

 

 初めての飛行機旅行に行くことができずに生涯を閉じてしまった子どもへの思いが伝わってきました。初体験を逃さないようにすることも人生のうちだと感じました。



 人に優しくすると、優しくされた方はうれしいし、優しくした方もうれしくなると思います.。

 優しさのやり方によって思うことは変わると思うけど、人に優しくして損はないと思います。



 客室乗務員の人がすごいと思った。



 40年をねたきりですごしたという少しかなしくかんじた。



 生まれつき体が麻痺している子とか僕からしてみると本当にかわいそうだと思う。しかし、こんな子ども想いないい母親がいるんだったら幸せだったんだと思った。



 この話は寝たきりの我子への愛のみちた詩だと思う。40年間も寝たきりだった我子に見せたかった富士山はどんなにキレイだろうか。客室乗務員の心配りはすごいと思った。



 客室乗務員の人はすごいなと思った。

 私だったらそんな事気付かなかったと思う。この人は人間性がちゃんとある人だなと思った。世の中の人がみんなこういう風に人間性があれば世界は平和になるのにね。



 自分もマニュアルどうりしかできない人間にならないように、もっと人間力を高めようと思った。



 “マニュアル”も確かに大切だけれど少しの気配りの方がよっぽど大切だと思った。



 寝たきりのこどもは、写真でも飛行機旅行ができたことを嬉しく思っていると思う。

 乗務員の心づかいもとても良いと思う。

 

 40年間寝たきりでも頑張って生きてきたのに、富士山も見れずに死んでしまってかわいそうだと思いました。

 40年もねたきりの人はすごくたいへんだと思った。生涯ねたきりの苦しさはそうぞうできない。親もとても心苦しかったと思う。しかし、けして40年あきらめることなく、生きぬいたことはすごいと思った。自分だったら死ぬことも考えたと思う。



 気がきくスチュワーデスだと思った。40才まで寝たきりの子供を育てて大変だったと思う。



 客室乗務員の女性はとてもいい人だなーと思った。人の心も考えてくれるのかな。

 この子供も天国でとてもよろこんでると思う。



 この客室乗務員の女性のように、私も他人に思いやりや、優しさの心がもてる人間になりたいです。



『自分を深める学習』(東京私立S高校)のA先生から高校1年生の感想が寄せられました。

ありがとう。

こんばんは。 (ジョー)
2006-03-12 22:33:37
高校2年のとき、蛍雪時代に投稿して特選に

なった詩です。

最近、短詩ばかりやっているので昔の詩で

お茶を濁します、





   冬近し



昨日……………

葉を落とし尽くした銀杏の梢に          

多彩な夏の幻想を葬った



そして 今日                 

仄かな 悔恨と諦観の中に

沈鬱な冬の日が近づいてくる



ビル街の並木が息をとめ

硬質なアスファルトに落ち葉が乱舞する



そぼふる小雨は 出来たてのネオンを

乱れ散らし それだけの世界を作る



しどけなく 酔いしれた 女、男

自嘲めきながら十字を切る



ちょうど

その頃

木枯らしが 黄昏の挽歌を奏でる



そして

落日が トロイカに乗って過ぎる



存在は灰と化し

夜の中に 生きようとする 心だけが

息づいている



単調な心臓の鼓動



冬近し (中村 叶)
2006-03-12 23:18:07
すばらしい詩をありがとうございます。
はじめまして (スカサワ)
2006-03-13 01:11:05
ご訪問ありがとうございます。

今はたまたま時間のゆとりがあるので、

農作業をけっこうしてます。

そろそろ本業に復帰するので、これからはあまり携われないかもしれません。。



詩、というのは私には未開拓の領域なので、

勉強させていただきます♪
ありがとう (遊民)
2006-03-13 14:18:19
素敵な詩を読ませていただきました。

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