二度目の鑑賞。
今回は少しネタバレを含む。
前回も同じ劇場の朝イチ上映だったが、評判が呼んでいるのか観客はグンと増えていた。
まだシルバー世代のご夫婦がほとんど。
もっと若い世代にも観て欲しいな。
あらためて観て、いろいろと不明だったことが腑に落ちた。
そして、要所要所で登場するタンポポの綿毛。
我々人間も、自分の意志とは関係なく見知らぬ環境に放り出されていく。
そこでしっかりと根を張り、自らの居場所を作って、次の世代へバトンを継承する。
人の幸せは、環境が決めるのではない。
その人がどう生きようとするかで決まるのだ。
幼馴染の水原は、久しぶりに会ったすずへ別れ際に言う。
「すずはこれからも普通であってくれ。」
普通であろうとすることが何より難しい時代に生きた人々の願いは、極めてシンプルだった。
戦死したと伝えられた兄が、実は夫周作との出会いの場でもあったバケモノになったと楽し気に想像するすず。
エンディングでは、親戚の家で出会った座敷童が、実は遊郭の街で出会ったリンになったという漫画になって出て来る。
どちらも時間のズレが生じていてそんなことはあり得ないのだが、時や場所という概念を超えて、人と人は繋がっていくのだ。
そして現代に生きる我々もその大きな輪の中にいる。
決して人々は後ろ向きに生きているのではない。
原爆が投下された後、実家に戻ったすず。
画面上にことさら被災の状況が描かれる訳ではない。
しかし、そこには明らかな「死」の匂いが漂っている。
それでも人は立ち止まることなく生きていく。
「火垂るの墓」の様に、当時を経験した者にしか理解し得ない地獄を描く作品とは別に、戦争をこうして「普通の生活との関わり」という視点でとらえた作品が存在してくれるのは、戦争というものを後世に伝えていく意味で重要なことなんだろうと想像してみたりする。
全体がほんわかと表現されている中で、兵器に関するシーンは音響と合わせて極めてリアルに恐ろしく描かれている。
他にも、遊郭でのリンとの出会いや、寄港した水原との一夜、空襲で焼夷弾が呉の家の屋根を突き破って降ってきたシーンなど、作品中で多くを説明しない分観客にいろんなことを考えさせるシーンがたくさんあって、整理しきれない。
ボロボロ泣く映画でもなければ、ゲラゲラ大笑いする映画でもない。
是非、映画館で観てどなたかと感想を共有してもらいたいと願っている。
加えて言うなら、日本がこういう映画こそ「稼ぐ」マーケットであってほしいと思うのだが。
今回は少しネタバレを含む。
前回も同じ劇場の朝イチ上映だったが、評判が呼んでいるのか観客はグンと増えていた。
まだシルバー世代のご夫婦がほとんど。
もっと若い世代にも観て欲しいな。
あらためて観て、いろいろと不明だったことが腑に落ちた。
そして、要所要所で登場するタンポポの綿毛。
我々人間も、自分の意志とは関係なく見知らぬ環境に放り出されていく。
そこでしっかりと根を張り、自らの居場所を作って、次の世代へバトンを継承する。
人の幸せは、環境が決めるのではない。
その人がどう生きようとするかで決まるのだ。
幼馴染の水原は、久しぶりに会ったすずへ別れ際に言う。
「すずはこれからも普通であってくれ。」
普通であろうとすることが何より難しい時代に生きた人々の願いは、極めてシンプルだった。
戦死したと伝えられた兄が、実は夫周作との出会いの場でもあったバケモノになったと楽し気に想像するすず。
エンディングでは、親戚の家で出会った座敷童が、実は遊郭の街で出会ったリンになったという漫画になって出て来る。
どちらも時間のズレが生じていてそんなことはあり得ないのだが、時や場所という概念を超えて、人と人は繋がっていくのだ。
そして現代に生きる我々もその大きな輪の中にいる。
決して人々は後ろ向きに生きているのではない。
原爆が投下された後、実家に戻ったすず。
画面上にことさら被災の状況が描かれる訳ではない。
しかし、そこには明らかな「死」の匂いが漂っている。
それでも人は立ち止まることなく生きていく。
「火垂るの墓」の様に、当時を経験した者にしか理解し得ない地獄を描く作品とは別に、戦争をこうして「普通の生活との関わり」という視点でとらえた作品が存在してくれるのは、戦争というものを後世に伝えていく意味で重要なことなんだろうと想像してみたりする。
全体がほんわかと表現されている中で、兵器に関するシーンは音響と合わせて極めてリアルに恐ろしく描かれている。
他にも、遊郭でのリンとの出会いや、寄港した水原との一夜、空襲で焼夷弾が呉の家の屋根を突き破って降ってきたシーンなど、作品中で多くを説明しない分観客にいろんなことを考えさせるシーンがたくさんあって、整理しきれない。
ボロボロ泣く映画でもなければ、ゲラゲラ大笑いする映画でもない。
是非、映画館で観てどなたかと感想を共有してもらいたいと願っている。
加えて言うなら、日本がこういう映画こそ「稼ぐ」マーケットであってほしいと思うのだが。