事務局長通信

きんようび通信No.442

きんようび通信No.442

2019年6月7日

▲この間、いたたまれない事件が続いている。「家族関係」や「状態像」に着目し共通点を強調する報道や意見も見受けられるが、個々には違う事件であり今後行われる裁判を慎重に見守ることが大事ではないか。今の私たちに必要なのは、冷静に考えることではないだろうか。

▲なぜ、これほど貧しく生きにくい世の中になっているのか。昨今強まりを見せる「自己責任論」に基づく施策や、その根底にある考え方が深く浸透しているとも言えるのではないか。「人間が命の瀬戸際に追い込まれることのない社会(環境)を作る方向で対策を進めていかなければならない」(ライフリンク・清水康之)との指摘通りだ。

▲改めて個人の尊厳・一人ひとりが大切な存在であることを広めたいと思う。いたずらに強調することなく、「みんな違ってみんないい」という思いを多くの人と共有することが、安心して暮らせる社会に近づくことになるのだと思う。「ひとりぼっちの人をつくらない」努力は、社会運動の中でもっとも大切にされてきたことだ。

▲母親が、「こんなことがあったわ」と話してくれた。今から30年ほど知り合いが起こした事件、許されることではないと思いながら「嘆願書」が来て複雑な気持ちのまま署名したのだと言う。ゆくえがわからないそうだが「ひと言話してみたかったな」と寂しそうだった。

▲さて、谷川俊太郎さんの詩を読み返してみた。高2娘に聞くと、今も教科書に載っているのだという。「生きている」ことをしっかり感じていたいと思う。

生きる/谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ


【今日は何の日】
http://www.nnh.to/06/05.html

【今週の一句】
酒飲み川柳
雨の音
慣れた頃には
セミの声

【今週の歌】
・「Al Kooper」…<Jolie>
1973年発表のアルバムに収録されている曲。名曲ですよね。

https://www.youtube.com/watch?v=Rb64tNQiFDU

【今週のグルメ情報】
・「QUAN ONG NHAT」…JR寺田町駅北口・マクドナルド横の路地入ってすぐ。
自宅近くのベトナム料理のお店。美味しいフォーでした。
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270203/27105066/



【追伸kirakira2
まもなく梅雨入りかな。

「雨の日と晴れの日とどっちが好きですか」。

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