MWS2009スタッフブログ

マルウェア対策研究人材育成ワークショップ関連の情報を掲載しています

昨年のパネルディスカッション1

2009-10-08 11:11:48 | MWS 2008
MWS2008では2つのパネルディスカッションが行われました。今日はその1つを振り返ってみたいと思います。
タイトルは評価型ワークショップを用いたマルウェア対策研究。門林先生の見事なコーディネータっぷりが印象的でした。

Before MWS
マルウェア対策の研究そのものとして、人によっては得たい情報が異なるし、それぞれの研究者が見ている(観測している)情報も異なる上に、どこまで情報を公開していいのだろう?というグレーさもあって、なかなか噛み合わない、研究成果を共有して活用しきれていない、次の一手に進めていない、など大学/IRT/対策ベンダ/ISPの視点から議論がありました。

After MWS
MWS2008の成果をどのように活用していくか、今後の方向性について議論がなされました。運用-開発-研究のつながりから産業育成/国力向上につなげていこう、データセットだけではなくオンラインでの実験環境も整備/共通化して提案方式の評価をより効率的にしていこう、といったマルウェア解析/対策のイノベーションサイクルを産学官のセクター間連携で回していこうと提言。

同時に、MWS2009への期待もぐぐぐぐっと高まったひと時でした。

昨年の表彰を振り返る

2009-09-01 18:51:37 | MWS 2008
MWS2008ではプログラム委員長賞として、一般の部、学生の部で各1件の表彰がありました。

<学生の部>
石井宏樹(岡山大学) ダウンロードホストに着目したマルウェアの活動傾向分析
<一般の部>
松木隆宏((株)ラック) 時系列分析による連鎖感染の可視化と検体種別の推測

石井さんの発表は、CCC DATAset 2008の攻撃元データを丁寧に分析したものであり、攻撃の傾向に加えて、データセットとしての攻撃元データの内容がよくわかるもので、とても好評でした。最終セッションの最後に表彰式が行われ、受賞者を発表したけど当人不在というハプニングもありましたね。

松木さんの発表は、攻撃元データと攻撃通信データを用いて、マルウェアの連鎖感染の様子を連鎖感染ツリーと連鎖感染マップで表したもので、少しばかり聴講者の困惑も見られましたが、多くの関心が寄せられました。

MWS2009でも表彰は予定されています。どんな発表が行われることでしょう、今から10月末の富山が楽しみです。