岬の坂道 2010年01月31日 08時28分00秒 | 和歌話香詩句 岬に立てば油壺 ここで暮らすの人の家 晴れの日ばかりはありはせぬ 嵐に耐えたる屋根瓦 我が故郷に三浦姓 多くはこの地の出身と 徳川政策大名に 付きたる家臣の旅路かな 過去の地震で城跡も 姿留めず雑木に 埋めたられた盛哀は 風音木の葉が詠うのみ 海へと下りる急な坂 趣味の釣り船動かざる 霞みし富士の輪郭も 止まる時のスナップか この坂下りれば岩波を 洗わる海に道は絶え 行き詰るのも人生と 来た坂上るもまた良しとする
無音のセッション 2010年01月30日 06時25分00秒 | 和歌話香詩句 横須賀メインストリ-ト 商店街での美化活動 駅やバスへと人の波 ホウキで見送る朝の刻 シャッタ-下りたる通りにて 唯一電飾看板は ファ-ストフ-ドのチェ-ン店 地域独自の味かすみ 横須賀名物ハンバ-ガ- 海軍カレ-もまだ開かず 腹を空かせて次の地で 海鮮物に期待をす 誰ぞ掛けたるベンチにて 無言の憂鬱の表情を 読みてしばしの会話する 泣かぬサックス異国街 ジャズは得意で無きけれど スィングドラムを叩こうか 隣に座りてバスドラを 踏み込むビ-ト膝スネア- 時が止まったままの彼 街の景色のワンピ-ス 深夜にこっそりベンチ立ち 郷愁アルトの音色出す
盾須賀 2010年01月29日 07時20分00秒 | 和歌話香詩句 沖縄米軍基地問題 賛否の最中に横須賀へ JR線の駅前は 街とは遠い軍港地 神の盾なるイ-ジス艦 ディ-ゼル型のサブマリン たかが大きさ知れた物 それが世界を足に敷く 安全保つが兵器とは 愚かな政略守られて 平和国家でうたた寝る 錆び付く良心何処へやら 雄の持ちたる本能か 利害に民族宗教と 他者を威嚇し均等を 保つ湖心の魔を恐れ 早朝基地へと続く群れ 軍事で暮らす人々は 是非は問うても語れまい 我等の正義は人任せ
本州島へ 2010年01月28日 14時13分00秒 | 和歌話香詩句 青函トンネル行く列車 ランプが示すが最深部 地下鉄通勤日常と 変わらぬ暗闇時計り テレビで知りたる難工事 湧水寒さに落盤と 人柱の上駆け抜ける 祈り言葉は風音に消え プレ-ト地震に活断層 火山の群発揺れも有り 海底つないだ血管の コンクリ-トを過信とはせず 陽が差しそこは竜飛の地 内地の島の突端は 見知らぬ景色のはずなれど 何故か安堵の本州人 青森座席を反転し 向かうは八戸はやて待つ 列車ならでは旅風情 お国訛りもちらほらと降る
はるばる帰るぜ函館から 2010年01月26日 09時30分00秒 | 和歌話香詩句 ホテルのドア-から入る風 身震いたまらず目貼りする そんな明け刻サイレンで 起こされたるは朝の火事 函館駅前老舗ビル ホテルの窓から見える距離 隙間風にも焦げ臭さ 客無き時間が幸いか 窓から見下ろす人混みは 名所と聞きたる朝市場 獲れたてスルメのイカソ-メン 頬張るほどに口に入れ 旅で行く地の空港は 市街と距離を置くものの 函館空まで近き街 一気に帰るも考えり 市場抜ければ駅に出て 青函トンネル潜る機を この時とばかりのチケットは 上野までへの特急券 凍ったビ-ルに涙酒 地ビ-ルちびる思い出を 手土産とばかりに乗り込みた 白鳥号の加速が辛し