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『君戀しやと、呟けど。。。』

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『愛しい想い』 Vol.3

2005-11-14 21:42:33 | 小説『愛しい想い』
 待てる?
 咲子が、そう云い残してから、すでに一月以上過ぎていた。

 彼女を信用していないわけじゃない。
 ただ少し、外へ出たくなっただけ。
 ほんの少し、外の空気を吸いたくなっただけ。

 そしてネオン煌びやかな、この街へやってきた。
 ホストが、キャッチしている場所を掻い潜る。
 何処の店にいるのか、皆目見当もつかない。
 咲子の彼氏が、どの店にいるのか。探しようがないからだ。

 顔写真が飾られる店。
 そこに何を捜しているのか。
 でも私は、誰かを捜してる。
 ホストじゃない、誰かを。。。

「魅子?!」
 名を呼ばれ、声のした方へ向き直る。
 そこには学生時代の友人で、卒業してから音信不通だった稲葉悦子が立っていた。
「何してるの。ホスト遊び?!」
「いえ。咲子を捜してるの」
 思わず、違う名を出していた。
「咲子なら、二軒先の店だよ」
 悦子は、あっさりと答えてくれた。
「う・・そ」

「嘘じゃないよ。あそこ、二階にネオンついてるでしょ。あそこ」
 見上げると、アルファベットの並ぶ看板が見える。
「悦子は、どうしてそんなこと知ってるの?!」
 すると彼女は、美しく微笑んで答えた。
「一本隣の道沿いに店持ってる。ただ私は、ホステスの方だけどね」
 店。。。
 此処で。。。

「凄いじゃん」
「咲子には叶わないよ。彼奴は女で、ホスト倶楽部だもん」
 悦子の言葉を理解した時、彼女は私の前から姿を消した後だった。

 咲子がホスト倶楽部。。。
 って、どういうこと

 何だか騙された気になってきた。
 咲子が何を考えて、私の前に現れたのか。
 よく考えたら、私は何も知らなかった。

 初めてって、わけじゃない。
 結婚資金にと貯めたお金も、もう要らない。
 私は三百万の現金を手に、咲子の店と云われた‘candlelight’へと入っていった――。
             To be continued
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