はいどうも。またお久しぶりのむらっぱです。
まあそういうわけで(略)、今日は新潟市にある県の醸造試験場まで『2級酒造技能士』の実技試験を受けに行ってました。何度か書いてる通りでこの資格、取得が業務命令でございます。ゆえに後日、交通費も日当もいただきます(←くれるものはすべてもらう主義)。
で、多分今日を逃すと書かないような気がするので、記憶がハッキリしているうちに実際の試験内容とその対策でもダラダラと書いていこうと思います。
【試験の進め方】
・主催者側が受験者二人で一組のペアをつくり、試験終了までそのペアで同時に試験を受けます。
実技試験の作業内容は後段に書くとおり7種類あり、主催者側の割り振った時間割に沿って試験が行われます。全員が作業1から順に行われるわけではありません。
・時間割はペア間では共通ですが、作業場所や器具、監督者の都合から同時に複数のペアで試験が出来ないので、終了時間が結構バラけます。
実作業時間トータル120分のところ、待ち時間もかなりあって、たっぷり1日かかると覚悟したほうがいいです。
・どの作業試験の前にも、試験内容の説明、受験番号と氏名の記入時間が試験時間とは別に設けられています。
・試験時間はストップウォッチで計測しており、その辺はシビアです。大抵、試験時間終了○分前に一言かかります。
・時間内に作業が終了した場合は、ペアの終了を待たずに退室できます。
【諸注意】
・減点方式の試験です。採点欄がそうなっていたので。
・試験終了まで、施設の外に出れません。昼メシの買出しも不可。多分喫煙も不可。当然ケータイはOFF。
・12月の新潟は非常に寒いです。室内であっても暖房が効いていないところがあるので、寒さ対策は万全に。
・控え室は全受験者で共通です。つまり、進行具合によって特定の作業試験が終わったペア、終わらないペアが出来るので、試験内容に関する私語は厳禁となっています。その他雑談は自由。ホットの番茶もありました(…どうでもいい)。
ではここから、実際の作業内容と対策を書いていきます。
特に断りのない限り、選択式の問の場合は、選択肢の記号を記述して回答します。
実作業の絡むもの(作業4~7)は、作業態度も減点対象となります。器具を壊したら失格ともいわれています…。
【作業1:精米判定】
問1、白米の精米歩合の判定
・精米された白米と、その玄米が別々のシャーレに入っています。精米された白米の精米歩合を答える選択式の問です。
・選択肢は(1)55%から5%刻みで(4)70%まで。
・米はシャーレから出して手に取ったりしてもいいが、つぶしたりした米はシャーレに戻さず、別容器に廃棄するよう指示されます。(問2同様)
《対策》
・実際に蔵で精米した米を見比べて覚えてください。対策って言ったって、これしかないです。
・精米歩合は55~70%あたりを見ておけば十分だと思います。
問2、白米の特徴又は欠点の判定
・精米した4種類の米が別々のシャーレに入っています。それぞれの米の特徴又は欠点を答える選択式の問です。
・選択肢は(1)原型精米されたよい見本(2)スジ(溝?)が残っている(3)芽(胚芽)が残っている(4)破米が多い、の4種。
《対策》
・不要です。見れば誰にでもわかります。
【作業2:麹判定】
問1、麹の老若及び破精込み並びに酒母麹の適正比較判定
・直径20cmくらいのデカいガラス製シャーレに入っている麹から、(1)麹の老若(2)破精込み具合(3)酒母麹への適正を答える問です。
・(1)(2)(3)それぞれに2種類の麹シャーレが与えられ、「老ねているのはどちらか」「より破精込んでいるのはどちらか」「酒母に適しているのはどちらか」といった問われ方をします。つまり2者択一です。
・手に取ったり、味を見てもOK。取り出した麹は戻さずに、所定の容器に廃棄します。(問2同様)
《対策》
・私は理屈から入りました。ベストなのは毎日麹室に見に行くことです(そりゃそうだ)。
判別方法は下記。
(1)えーと…すいません、わかりませんでした(笑)麹の老ねって、どこで判別するんですか??見た目はほとんど変わらなかったので、適当に答えちゃいましたよハハハ。
(2)破精とは菌糸のまわり具合。よって、麹菌の菌糸が米粒(内部含む)により多く付着しているもの。
(3)酒母に適しているのは総破精型の麹。故に同上。
問2:麹と生成酒の粕歩合との関係についての判定
・問1と同様に2種類の麹シャーレが与えられ、「それぞれの麹で酒を仕込んだ時に、粕歩合が少なくなるのはどちらか」といった問われ方をします。
《対策》
・これも理屈から。破精落ちした麹で酒を仕込むと、破精落ちした米はモロミ中で溶けずにそのまま粕になります。二つの麹を見比べて、破精落ち部分が少ないほうが正答となります。見れば明らかにわかります。
【作業3:酒母判定】
問1、香味による酒母の種類の判定
・300mlビーカーに入った酒母のサンプルが3種与えられます。それぞれが、普通速醸酒母の(1)膨れ前(2)湧き付き時(3)使用時のどの時点のものかを答える選択式の問です。
・味見OKです。サンプルの数分の薬さじと吐き出し用容器があります。(問2同様)
《対策》
・これまた理論から。酒母の時間経過による状態がわかっていれば、なんとかなる。
例えば糖分(ボーメ)なら、(1)(2)(3)の順に高い。
酸度とアルコールなら、(3)(2)(1)の順に高い。その辺を勘案して答える。
・ぶっちゃけ、サンプルを全種舐めてみて一番酒っぽいのが(3)で、一番甘ったるいのが(1)。
問2、酒母種類の判定
・同じく300mlビーカーに入った酒母のサンプルが2種与えられます。片方は高温糖化、片方は速醸であり、「普通速醸で仕込んだものはどちらか」といった問われ方をします。(確か時期は仕込み直後だったと思う)
《対策》
・理論理論。単純に高温糖化酒母のほうが汲み水割合が大きいので、水っぽさの少ないほうが速醸。
【作業4:もろみ判定】
問1、与えられた試料の酸度、アミノ酸度の実測
問2、与えられた試料の日本酒度及びアルコール分の実測
・どちらも選択ではなく、実測値を記述します。
《対策》
・実測実務を数多くこなしてください。経験者にみてもらいながら何回かやってみるとできるようになります。
・ポイントは第一に器具の扱い方。それぞれの測定器具に勘どころがあるので、横からあーだこーだ言われるのを覚悟でやって覚えるのが一番です。
・第二に試薬の色変化の見極め。酸度、アミノ酸度は、滴定による指示薬をいれたサンプル色の変化で値を算出します。その際の色の目安は文言ではわかりにくいので、実務者から教わってしまうのが手っ取り早い方法です。
(例えば、単に淡緑色って言われたってわからんっしょ?)
・それと、この作業における回答は記述式なので、小数点以下や、日本酒度の±はお忘れなく。
【作業5:容量測定】
問1、ホーロータンク中の水量の測定
・ホーロータンクに張られた水の容積を、尺棒による測定と、桶帳を使った計算から算出し、容量を記述します。
・電卓は持参の指示もありますが、現場にもあります。
問2、問1の水量にさらに水を加えた場合の空積深の算出
・「問1の水量に100リットル加えた時の空積深は?」といった問われ方をします。こちらも求めた数値を記述します。
《対策》
・これも数をこなすしかありません。尺棒と桶帳の使い方を覚えて、繰り返しやればできます。
・問1がコケると、自動的に問2もコケます。その点では要注意作業です。
【作業6:製成作業】
問、酒造用ろ紙ろ過機の組立
・途中まで組み立ててあるろ過機を、最後まで組み立てます。
《対策》
・うーん…「事前講習でやるから来い」ってだけじゃダメですよねぇ…。
・要は醸造試験場にあるろ過機で出題されますので、他のろ過機がどれだけ組めても本番のろ過機が組めないと落ちます。こればかりは本番の実機で組んでみた経験が一番役に立つとしかいえません。
【作業7:きき酒】
問:清酒のきき酒によるそれぞれの特徴の判定
・きき猪口に入っている5種類の酒をきき、次の5つの特徴に割り振る問題です。
(1)吟醸香(2)酸臭(3)ジアセチル臭(4)老ね香(5)紙(ろ紙)臭
《対策》
・あらかじめ出題されそうな代表的な酒の香味を覚えちゃいます。
(1)…いわゆる吟醸香。青リンゴみたいな香り
(2)…酢酸臭。酢のような香り
(3)…ヨーグルトとか乳製品のような香り
(4)…粕漬けのような香り。色も激しく着色している
(5)…あえて言えば紙の香り。この中では一番特徴がない。消去法で残ったもの
【まとめ】
・当たりハズレがあるものの、とにかく待ち時間が長いです。ダレます。
・答えに迷ったら、最初に出した答えにする:試験の基本です。
・終わった作業をいちいち悔やまない:人生の基本です。
しかしまあ…
これだけ言っといて、落ちてたらさぞかし面白いでしょうね!!
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まあそういうわけで(略)、今日は新潟市にある県の醸造試験場まで『2級酒造技能士』の実技試験を受けに行ってました。何度か書いてる通りでこの資格、取得が業務命令でございます。ゆえに後日、交通費も日当もいただきます(←くれるものはすべてもらう主義)。
で、多分今日を逃すと書かないような気がするので、記憶がハッキリしているうちに実際の試験内容とその対策でもダラダラと書いていこうと思います。
【試験の進め方】
・主催者側が受験者二人で一組のペアをつくり、試験終了までそのペアで同時に試験を受けます。
実技試験の作業内容は後段に書くとおり7種類あり、主催者側の割り振った時間割に沿って試験が行われます。全員が作業1から順に行われるわけではありません。
・時間割はペア間では共通ですが、作業場所や器具、監督者の都合から同時に複数のペアで試験が出来ないので、終了時間が結構バラけます。
実作業時間トータル120分のところ、待ち時間もかなりあって、たっぷり1日かかると覚悟したほうがいいです。
・どの作業試験の前にも、試験内容の説明、受験番号と氏名の記入時間が試験時間とは別に設けられています。
・試験時間はストップウォッチで計測しており、その辺はシビアです。大抵、試験時間終了○分前に一言かかります。
・時間内に作業が終了した場合は、ペアの終了を待たずに退室できます。
【諸注意】
・減点方式の試験です。採点欄がそうなっていたので。
・試験終了まで、施設の外に出れません。昼メシの買出しも不可。多分喫煙も不可。当然ケータイはOFF。
・12月の新潟は非常に寒いです。室内であっても暖房が効いていないところがあるので、寒さ対策は万全に。
・控え室は全受験者で共通です。つまり、進行具合によって特定の作業試験が終わったペア、終わらないペアが出来るので、試験内容に関する私語は厳禁となっています。その他雑談は自由。ホットの番茶もありました(…どうでもいい)。
ではここから、実際の作業内容と対策を書いていきます。
特に断りのない限り、選択式の問の場合は、選択肢の記号を記述して回答します。
実作業の絡むもの(作業4~7)は、作業態度も減点対象となります。器具を壊したら失格ともいわれています…。
【作業1:精米判定】
問1、白米の精米歩合の判定
・精米された白米と、その玄米が別々のシャーレに入っています。精米された白米の精米歩合を答える選択式の問です。
・選択肢は(1)55%から5%刻みで(4)70%まで。
・米はシャーレから出して手に取ったりしてもいいが、つぶしたりした米はシャーレに戻さず、別容器に廃棄するよう指示されます。(問2同様)
《対策》
・実際に蔵で精米した米を見比べて覚えてください。対策って言ったって、これしかないです。
・精米歩合は55~70%あたりを見ておけば十分だと思います。
問2、白米の特徴又は欠点の判定
・精米した4種類の米が別々のシャーレに入っています。それぞれの米の特徴又は欠点を答える選択式の問です。
・選択肢は(1)原型精米されたよい見本(2)スジ(溝?)が残っている(3)芽(胚芽)が残っている(4)破米が多い、の4種。
《対策》
・不要です。見れば誰にでもわかります。
【作業2:麹判定】
問1、麹の老若及び破精込み並びに酒母麹の適正比較判定
・直径20cmくらいのデカいガラス製シャーレに入っている麹から、(1)麹の老若(2)破精込み具合(3)酒母麹への適正を答える問です。
・(1)(2)(3)それぞれに2種類の麹シャーレが与えられ、「老ねているのはどちらか」「より破精込んでいるのはどちらか」「酒母に適しているのはどちらか」といった問われ方をします。つまり2者択一です。
・手に取ったり、味を見てもOK。取り出した麹は戻さずに、所定の容器に廃棄します。(問2同様)
《対策》
・私は理屈から入りました。ベストなのは毎日麹室に見に行くことです(そりゃそうだ)。
判別方法は下記。
(1)えーと…すいません、わかりませんでした(笑)麹の老ねって、どこで判別するんですか??見た目はほとんど変わらなかったので、適当に答えちゃいましたよハハハ。
(2)破精とは菌糸のまわり具合。よって、麹菌の菌糸が米粒(内部含む)により多く付着しているもの。
(3)酒母に適しているのは総破精型の麹。故に同上。
問2:麹と生成酒の粕歩合との関係についての判定
・問1と同様に2種類の麹シャーレが与えられ、「それぞれの麹で酒を仕込んだ時に、粕歩合が少なくなるのはどちらか」といった問われ方をします。
《対策》
・これも理屈から。破精落ちした麹で酒を仕込むと、破精落ちした米はモロミ中で溶けずにそのまま粕になります。二つの麹を見比べて、破精落ち部分が少ないほうが正答となります。見れば明らかにわかります。
【作業3:酒母判定】
問1、香味による酒母の種類の判定
・300mlビーカーに入った酒母のサンプルが3種与えられます。それぞれが、普通速醸酒母の(1)膨れ前(2)湧き付き時(3)使用時のどの時点のものかを答える選択式の問です。
・味見OKです。サンプルの数分の薬さじと吐き出し用容器があります。(問2同様)
《対策》
・これまた理論から。酒母の時間経過による状態がわかっていれば、なんとかなる。
例えば糖分(ボーメ)なら、(1)(2)(3)の順に高い。
酸度とアルコールなら、(3)(2)(1)の順に高い。その辺を勘案して答える。
・ぶっちゃけ、サンプルを全種舐めてみて一番酒っぽいのが(3)で、一番甘ったるいのが(1)。
問2、酒母種類の判定
・同じく300mlビーカーに入った酒母のサンプルが2種与えられます。片方は高温糖化、片方は速醸であり、「普通速醸で仕込んだものはどちらか」といった問われ方をします。(確か時期は仕込み直後だったと思う)
《対策》
・理論理論。単純に高温糖化酒母のほうが汲み水割合が大きいので、水っぽさの少ないほうが速醸。
【作業4:もろみ判定】
問1、与えられた試料の酸度、アミノ酸度の実測
問2、与えられた試料の日本酒度及びアルコール分の実測
・どちらも選択ではなく、実測値を記述します。
《対策》
・実測実務を数多くこなしてください。経験者にみてもらいながら何回かやってみるとできるようになります。
・ポイントは第一に器具の扱い方。それぞれの測定器具に勘どころがあるので、横からあーだこーだ言われるのを覚悟でやって覚えるのが一番です。
・第二に試薬の色変化の見極め。酸度、アミノ酸度は、滴定による指示薬をいれたサンプル色の変化で値を算出します。その際の色の目安は文言ではわかりにくいので、実務者から教わってしまうのが手っ取り早い方法です。
(例えば、単に淡緑色って言われたってわからんっしょ?)
・それと、この作業における回答は記述式なので、小数点以下や、日本酒度の±はお忘れなく。
【作業5:容量測定】
問1、ホーロータンク中の水量の測定
・ホーロータンクに張られた水の容積を、尺棒による測定と、桶帳を使った計算から算出し、容量を記述します。
・電卓は持参の指示もありますが、現場にもあります。
問2、問1の水量にさらに水を加えた場合の空積深の算出
・「問1の水量に100リットル加えた時の空積深は?」といった問われ方をします。こちらも求めた数値を記述します。
《対策》
・これも数をこなすしかありません。尺棒と桶帳の使い方を覚えて、繰り返しやればできます。
・問1がコケると、自動的に問2もコケます。その点では要注意作業です。
【作業6:製成作業】
問、酒造用ろ紙ろ過機の組立
・途中まで組み立ててあるろ過機を、最後まで組み立てます。
《対策》
・うーん…「事前講習でやるから来い」ってだけじゃダメですよねぇ…。
・要は醸造試験場にあるろ過機で出題されますので、他のろ過機がどれだけ組めても本番のろ過機が組めないと落ちます。こればかりは本番の実機で組んでみた経験が一番役に立つとしかいえません。
【作業7:きき酒】
問:清酒のきき酒によるそれぞれの特徴の判定
・きき猪口に入っている5種類の酒をきき、次の5つの特徴に割り振る問題です。
(1)吟醸香(2)酸臭(3)ジアセチル臭(4)老ね香(5)紙(ろ紙)臭
《対策》
・あらかじめ出題されそうな代表的な酒の香味を覚えちゃいます。
(1)…いわゆる吟醸香。青リンゴみたいな香り
(2)…酢酸臭。酢のような香り
(3)…ヨーグルトとか乳製品のような香り
(4)…粕漬けのような香り。色も激しく着色している
(5)…あえて言えば紙の香り。この中では一番特徴がない。消去法で残ったもの
【まとめ】
・当たりハズレがあるものの、とにかく待ち時間が長いです。ダレます。
・答えに迷ったら、最初に出した答えにする:試験の基本です。
・終わった作業をいちいち悔やまない:人生の基本です。
しかしまあ…
これだけ言っといて、落ちてたらさぞかし面白いでしょうね!!
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