たまに、Na- とか、F2+ とか書いてしまう人がいます。
これは間違いです。かなり重度の間違いです。
NH42- とか、SO4+ とか書いてしまう人もいます。
これも間違いです。でも、比較的軽い間違いです。
なぜならば、これらの多原子イオンは(基礎化学のレベルでは)暗記するしかないので、「覚えてください」としか言えません。
では、なぜ Na- や F2+ が深刻な間違いなのでしょうか?
それは、Na- や F2+ と書いてしまう人は、原子構造を理解できていないと推測されるからです。
原子構造が分かっていないということは、周期表も分かっていないということになります。
周期表を分かっていないといことは、化学結合も分かっていないということになります。
化学結合を分かっていないということは、物質の性質も分かっていないということになります。
物質の性質を分かっていないということは、。。。(つづく)
実は、Na- ではなく、Na+ です。
また、F2+ ではなく、F- です。
なぜでしょうか?
ナトリウムの電子配置を考えてください。高校レベルの電子殻で十分です。
ナトリウムNaは原子番号が11番、つまり陽子が11個、つまり電子も11個です。
よって、K(2) L(8) M(1) になります。
しかし、Naにとって、この最後の M(1) が邪魔なのです。こんなイメージです →
このイボ ● が、邪魔なM(1) です。
でも、このイボ ● は、すぐに取れてしまいます。なぜならば、その方が安定するからです。
つまり、 ←スッキリ~
化学では「安定」って頻出します。
なぜなら、この世に存在するためには、安定でなければならないのです。落ち着いてください。
不安定な落ち着きのないものは、すぐに消え去ってしまうのです。
化学の世界に戻すと、このイボ切除は、最外殻電子 M(1) を取ったことになるので、
電子配置は、K(2) L(8) となり、ちょうど、原子番号10番の Ne と同じになります。
しかし、取ったのは 電子のみで、原子核の中にある陽子は11個のままです。
つまり、電子は10個で、陽子は11個。
つまり、マイナスの電子が10個で、プラスの陽子は11個。
つまり、プラスが1個多いのです。
これが、イオン状態です! それもプラスが多いので、陽イオン!
これを化学式では、Na+ と書いて、「プラスが1個多いよ」という「印(しるし)」を右上に付けて表します。これが、イオン式。
名称は、ナトリウム原子がイオン化したので、ナトリウムイオンです。
Naの場合、最外殻にある余分な電子(イボ●)は1個しかありませんので、Na+ にしかなれません。
しかし、原子番号12番のMgの場合、電子配置は K(2) L(8) M(2) で、余分な電子が2個あるので、マグネシウムイオンは Mg2+ になります。
原子番号13番のAlの場合、電子配置は K(2) L(8) M(3) で、余分な電子が3個あるので、アルミニウムイオンは Al3+ になります。
"+3"ではなく"3+" と書きます。"1+"の場合は単に"+"と書きます。
実は、この「原子が余分な電子を持っている」ということが、金属元素の特徴です。
なので、金属元素の原子がイオン化すると、必ず、陽イオンになるのです。
銀 Ag や 鉄 Fe などのいわゆる遷移元素はやや複雑ですが、基本は同じです。
やはり、Ag+ とか、Fe2+ とか、Fe3+ とかの陽イオンになります。
Feのイオンを2つ書いてしまいましたが、これが「やや複雑」の部分です。
Na+ を理解できてない人は、まだ気にしちゃダメです。
では、なぜ、フッ素原子がイオン化したフッ化物イオンは、F2+ ではなく、F- なのでしょうか?
もう書くのが面倒なので、ヒントのみ。
フッ素は原子番号9番で、電子配置は K(2) L(7)。
L殻には電子が8個入れるのですが、7個しか入っていません。中途半端です。つまり、不安定です。
イメージはコレ→ どうなる?
ちなみにフッ素原子がイオン化すると、名称はフッ素イオンではなく、フッ化物イオン。覚えるしかない。
受講生は講義資料のp.9を復習して下さい
己のイオン式"力"を確認したいならコレとかコレも。
これは間違いです。かなり重度の間違いです。
NH42- とか、SO4+ とか書いてしまう人もいます。
これも間違いです。でも、比較的軽い間違いです。
なぜならば、これらの多原子イオンは(基礎化学のレベルでは)暗記するしかないので、「覚えてください」としか言えません。
では、なぜ Na- や F2+ が深刻な間違いなのでしょうか?
それは、Na- や F2+ と書いてしまう人は、原子構造を理解できていないと推測されるからです。
原子構造が分かっていないということは、周期表も分かっていないということになります。
周期表を分かっていないといことは、化学結合も分かっていないということになります。
化学結合を分かっていないということは、物質の性質も分かっていないということになります。
物質の性質を分かっていないということは、。。。(つづく)
実は、Na- ではなく、Na+ です。
また、F2+ ではなく、F- です。
なぜでしょうか?
ナトリウムの電子配置を考えてください。高校レベルの電子殻で十分です。
ナトリウムNaは原子番号が11番、つまり陽子が11個、つまり電子も11個です。
よって、K(2) L(8) M(1) になります。
しかし、Naにとって、この最後の M(1) が邪魔なのです。こんなイメージです →
このイボ ● が、邪魔なM(1) です。
でも、このイボ ● は、すぐに取れてしまいます。なぜならば、その方が安定するからです。
つまり、 ←スッキリ~
化学では「安定」って頻出します。
なぜなら、この世に存在するためには、安定でなければならないのです。落ち着いてください。
不安定な落ち着きのないものは、すぐに消え去ってしまうのです。
化学の世界に戻すと、このイボ切除は、最外殻電子 M(1) を取ったことになるので、
電子配置は、K(2) L(8) となり、ちょうど、原子番号10番の Ne と同じになります。
しかし、取ったのは 電子のみで、原子核の中にある陽子は11個のままです。
つまり、電子は10個で、陽子は11個。
つまり、マイナスの電子が10個で、プラスの陽子は11個。
つまり、プラスが1個多いのです。
これが、イオン状態です! それもプラスが多いので、陽イオン!
これを化学式では、Na+ と書いて、「プラスが1個多いよ」という「印(しるし)」を右上に付けて表します。これが、イオン式。
名称は、ナトリウム原子がイオン化したので、ナトリウムイオンです。
Naの場合、最外殻にある余分な電子(イボ●)は1個しかありませんので、Na+ にしかなれません。
しかし、原子番号12番のMgの場合、電子配置は K(2) L(8) M(2) で、余分な電子が2個あるので、マグネシウムイオンは Mg2+ になります。
原子番号13番のAlの場合、電子配置は K(2) L(8) M(3) で、余分な電子が3個あるので、アルミニウムイオンは Al3+ になります。
"+3"ではなく"3+" と書きます。"1+"の場合は単に"+"と書きます。
実は、この「原子が余分な電子を持っている」ということが、金属元素の特徴です。
なので、金属元素の原子がイオン化すると、必ず、陽イオンになるのです。
銀 Ag や 鉄 Fe などのいわゆる遷移元素はやや複雑ですが、基本は同じです。
やはり、Ag+ とか、Fe2+ とか、Fe3+ とかの陽イオンになります。
Feのイオンを2つ書いてしまいましたが、これが「やや複雑」の部分です。
Na+ を理解できてない人は、まだ気にしちゃダメです。
では、なぜ、フッ素原子がイオン化したフッ化物イオンは、F2+ ではなく、F- なのでしょうか?
もう書くのが面倒なので、ヒントのみ。
フッ素は原子番号9番で、電子配置は K(2) L(7)。
L殻には電子が8個入れるのですが、7個しか入っていません。中途半端です。つまり、不安定です。
イメージはコレ→ どうなる?
ちなみにフッ素原子がイオン化すると、名称はフッ素イオンではなく、フッ化物イオン。覚えるしかない。
受講生は講義資料のp.9を復習して下さい
己のイオン式"力"を確認したいならコレとかコレも。