Tooth wearとはむし歯や外傷でなく歯が溶けたり欠けたりする疾患です。
Tooth wearは次のように分類されます。
① 酸蝕(Erosion) 酸による歯の化学的溶解
② 咬耗(Attrition) 歯の接触による機械的な磨耗
③ 磨耗(Abrasion) 歯の接触以外の機械的作用による歯の磨耗
④ アブフラクション (Abfraction) バイオメカニカルな荷重による歯質の喪失
Tooth wearは軽度のものを含めるとほとんどの人に見られ、その罹患率は97%に達します。これはむし歯の罹患率よりも圧倒的に多いわけで、ほとんどの人にとって他人事ではないといえます。
しかしむし歯は知っていてもTooth wearは名前すら知らない人が多いのではないでしょうか。むし歯にしろTooth wearにしろ歯がなくなるのは良くありません。酸蝕、咬耗、磨耗、アブフラクションの4つのうち単独よりも複数絡まれば歯は大きく減ります。Tooth wearとむし歯が併発することもあります。
酸蝕や咬耗、磨耗はわかりますが、アブフラクションとは何でしょうか?
歯軋りなどで荷重がかかると構造上欠けやすいエナメルーセメント境界(歯ぐきとの境目付近)がV字型に欠けることがあります。これがアブフラクションです。
歯みがきによる磨耗とは違うので予防対策も違います。
歯周病などで歯ぐきが下がり歯根が露出している状態は磨耗しやすいので歯みがきの圧力や歯磨剤に含まれる研磨剤に注意が必要です。歯根はエナメル質ではなく軟らかいセメント質や象牙質で覆われているからです。
御自身の歯の状態を正確に把握することは必要だと思われます。
酸蝕は文字通り酸によって歯が溶けるわけで柑橘類、清涼飲料水、酢などの酸性の飲食物がダイレクトに歯を溶かすことがあり要注意です。
あるいは塩素消毒されたプールで長時間泳ぐことで歯が酸蝕になるケースもあります。
嘔吐によって胃酸が口に入り酸蝕になることもあります。
酸性飲食物をよく口にする人は酸蝕のリスクが高くなります。
レモン、グレープフルーツ、りんご、オレンジ、パイナップル、コーラ、コーヒー、炭酸飲料、スポーツ飲料、ジュース、ワイン、梅干、酢、ピクルス等数え上げればきりがありませんが、要するに「すっぱい」系統の飲食物には注意すべきです。ビタミンCやアスピリンなどの内服薬でも酸蝕の可能性があります。
健康に良いということで酢を毎日飲まれていた患者さんでやはり酸蝕になって歯が溶け落ちた例もありました。
レモンの皮やレモン汁で歯を磨く方法がありますが、これは非常に酸蝕のリスクが高くやめたほうがよいでしょう。
気をつけないといけないのは酸性飲食物を口にした直後は強く歯みがきしてはいけないということです。
もとし歯科クリニックではTooth wearを的確に診断しそれぞれの状態に応じた処置及び予防対策を講じています。
むし歯でないのに歯が減っていく、 Tooth wearにもご注意です。
*Tooth wearは主に欧米で研究が盛んで適当な日本語がないのが実情です。
医療法人社団 もとし歯科クリニック
院長 岡持 元志
〒654-0151
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TEL 078-794-4182
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