特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

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認知行動療法(CBT)は精神・神経疾患に果たして有効か?

2010年10月27日 | 看護論的経営論


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認知行動療法は有効か






この表現だけを見て結論を言うと、




Yesだろう。








しかし今、国策で認知行動療法(以下CBT)を積極的に勧めているその手法には甚だ疑問が残る。
なにせ、対象の絞り方が間違っているし、そもそも根本の問題を無視して推奨しているのだから見ていてあほらしくなる。



適応は様々な疾患。精神(以下神経症件も含む)疾患においてもかなりの効果があるようだが、薬漬けの患者にそれを実施して効率が良いと言えるのだろうか。


CBTを実施している方々は、精神科薬物療法における多剤併用療法や誤診問題に関してどの程度注目しているのだろうか。この問題を抜きにしてCBTを実施しても医療費がかさむだけである。医療費の問題を抜きにしても“完全に時間の無駄”であることは言うまでもない。



繰り返すが、CBTは非常に有効なものであるし、セルフCBTとして思考の中で処理できない人にとってはpositiveな思考を獲得するためには有効なものであると思う。

だが、それどころではなく、多剤併用大量療法で精神状態に変調をきたしているのにCBTがうつ病にいいからと積極的に勧められても、うつ病患者は減らないだろうし自殺者も減らないだろうとわたしは考えている。



昨今の発達障害ブームと同様、本質を捉えていないCBTブームはただの流行り廃りで終わりそうだ。

有効なものであろうに、有効とする条件は無視されてただの流行りとして広まっている。





また後日、blogにupしようと思っているが

患者さんが
「私は統合失調症なんですが、云々」

だいたいこういう表現をしている方を対象とする時点で統合失調症を標的にしたCBTプログラムを組むこと自体間違っている。





うつ病と診断されている方々についてもそうだ。
多剤併用の問題もあるが、果たして本当に主病名がうつ病なのか。
発達障害はそこに隠れていないのか。
これを抜きにして、CBT云々といってもうまくいくことはないし、もしうまくいってもただのまぐれにすぎない(まぁ、うつ病対象のCBTがPDDに有効でないわけではないが)。


さらに、うまくいったかどうかの評価をどのようにするかも今後重要なポイントとなるだろう。どうなったかわからないのに実施だけしてあとは放置。これは、薬の有効性だけ説明して、その適応や問題点を伝えず広めようとしているに等しい状況である。



教育的立場、あるいは専門的に学ばれていく方もこの辺りの問題は常に気にとめていておいてほしいと思う。






















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1 コメント

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Unknown (CBTを学ぶ者)
2011-06-12 19:31:14
はじめまして、精神科で勤務しています看護師です。

ネットサーフで辿り着きました。

ブログの内容のようにCBTが流行り廃りで終わってしまうことに大変危惧します。

昨年に国策のCBT研修に参加しましたが、国が取り組んでいるCBTはあくまでCT(認知療法)の側面が強いようです。

私が知る限りでは、RCTによる研究でCTは現時点ではうつに対してしかEBMはないので、統合失調症にはまた違うアプローチが必要になると思います。

EBMがないので、当然、CTを実施しても統合失調症は良くはならないと思われます。

CBTは勉強してみてよく分ったのですが、かなり幅広い分野です。

現行の国策のCBTが全てという捉え方をすると、正しいCBTが実施されないことになりかねないので、正しい知識を提供できるように考えてもらいたいものです。(CT自体が正しくないというのは間違いですが、国策はあくまでうつ病のCT・CBTというタイトルで上手に表現していますので、それを幅広いCBTと解釈してしまうとおかしくなります)

付け加えて、多剤併用の問題はまだまだ根深いものだと思われますが、越智さんのご指摘のようにCBTを実施する上で、薬物との兼ね合いを検討する必要はあります。

多剤併用というのが、どの程度の状態を想定して記事を書かれているか分りませんが、CBTを実施する上でケースバイケースだと思います。

本来、CBTの実施はあくまで個別性が重視されます。

つまり、その人の状況に合わせて実施されるので、多剤併用で何が問題となっているのかをしっかり機能分析して、ケースフォーミュレーションするので、やりっぱなしになることはないと考えます。

したがって、介入前後のデータも評価尺度等でしっかり取るので問題が解決したかどうかは分ります。

国策のCBTも前後のデータは取ると思いますよ。

うつの評価尺度は色々ありますし、その前後のデータで評価はできると思われますし。

また、現時点の国策CBTは重症うつには効果が微妙との反証があり、新しい第3世代のCBTが開発されています。

国がどのように捉えているかは分りませんが、取りあえず取っ掛かり的な感じで広めていこうという作戦かと思われるので、その方法に私は疑問ですし、大変危惧します。

同じ精神科看護の分野に所属するものとして、このようなブログで正しい情報を発信することは必要なことだと共感できますし、今後もご活躍を祈りつつ、時々こっそりブログ拝見させていただきたく思います。

長文失礼しました。
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