キネマな日々

ちょっとマイナーな映画三昧

桃太郎 海の神兵

2005-08-14 | 邦画
戦争映画というジャンルがあって、そのなかに反戦映画があります。アクション映画とちがって、戦争の残虐さや悲哀さを強調して戦争の無意味さを主張するものですが、大きな戦争のうねりに巻き込まれるとき世論の同調は不可欠で、本当に反戦を考えるうえでネガティブさが強調されすぎてる傾向ががあります。一方、国策映画というのがあって、国家が映画会社に依頼して作らせるもので、とくに戦争中の場合、厭戦気分を抑えて戦機高揚を図るねらいがあります。毒があることを承知の上で資料として見るなら、逆説的に反戦映画といえます。潤沢な制作費と優秀なスタッフで作られることが多く、作品の質の高いものもあります。ナチスにとっての「オリンピア」もこれに含まれるし、子供のために作られたアニメ作品の「桃太郎 海の神兵」もそうです。

戦局が逼迫した昭和20年の4月に公開され、戦後焼失したと思われていたら、昭和59年(1984)になってンrガが見つかって、翌年再公開されました。高校生の頃の手塚治虫が、これを観て感動したという逸話があって、アニメ作品として当時のディズニーに匹敵するような技術で作られています。音楽監督の古関裕而は「モスラの歌」「六甲おろし」「君の名は」など数々の耳に親しんだ作曲家として知られる。

「桃太郎 海の神兵」(1945/松竹)