清水湊とバイクとカメラ

日常の旅って?
  

岸辺のふたり

2009-10-11 | 映画とマンガと小説!
Father And Daugther


あまりにも有名なショートフイルム
以前TVで観たことがあった
家のなかに、山ほどある文庫本、単行本、漫画本を整理していたら偶然にもこの絵本があった



見開き12ページ、フイルムからの何枚かの場面がある

サブタイトルはあなたの大切な人はいま、どこにいますか。別れからはじまる小さなものがたり・・・・・・

ひとの言葉、会話が一切ない映像だけど本には訳が?あるん


                                                                                                               <訳>



父と娘が自転車にのって干潟をはしっていく

土手のうえに自転車をとめた ふたり 「それじゃな」「・・・・・・うん」

父は そっと 水平線にむかって こぎだした       岸辺にうちよせる 小さな波紋

陽がしずむまで 少女は じっとまっている

父は 帰ってこなっかった

夏が去り 冬が去る

少女の車輪と 季節は めぐる

そして 木々は成長する

父は 帰ってこなかった

夏は いつでもやってくる まぶしい空 ふきぬける風 ほとばしる笑い声

それでも 時おり 父を思う・・・・・・

やがて かけがえのない人の ぬくもりに ふれる少女

彼とふたりで こぎだした 自転車に こどもたちが のっている

土手をころがり 父とはしゃぐ こどもたち

少女は もう 若くない

こどもたちは巣だち 母のやくめも 終えた

水のきえた岸辺に 鳥がたたずむ 土手は あのころのまま

人生は あらゆる歓びを もたらしてくれる ただ いくつも年をかさねた 少女のもとに 父だけは帰ってこなかった

彼女は 土手を ゆっくり おりる       水のかわりに広がる 葦のなかを 先へ 先へとすすんでいく

そして 空き地に よこたわる

なにかの 気配に ふと 身をおこす

高鳴る胸 咲きほこる思い       少女はたちあがり 駆けだした





映像より絵本のほうが10倍伝わってくるものがあるしわかりやすいんだ

すこし あったかい すこし さびしく おもったん

おやすみん