氷月神示 他の暗号解読編 348

国之常立神より皆様へ

…この間の続きですね
インドでの翠さんの前世の話です

翠(=イブ=ミロク)
…また、過去にノートに書いた事の、更なる詳細が思い出されました

十代後半の私は家庭教師について勉強していた
彼は、中国系のインド人で、スートンナン (仮名) と言い、自由な考えを持っていた
知見が広く、おもしろい話をいろいろ聞かせてくれた
…私は父の後を継いでバラモンの神官になるはずだったが、ある時、スートンナンからお釈迦様が町に説法に来られることを聞いた
スートンナンは前に別の町でお釈迦様の辻説法を聞いたことがあり、なかなか良い考えだと印象を受けたそうだった
私は好奇心に打ち勝てず、ぜひ行って聞いて見たいものだと言った
すると、スートンナンは少し考えた後、違う宗教の者の考えを聞くのもいいだろうと言って、案内してくれることになった
本当は、父の許可を得るべきだったが、許されないことはわかっていた
だから、2人でお忍びで行った……

街角の広場にお釈迦様らしい人が立っていて、数十人の人に取り巻かれてお話をされていた
低い台に乗っておられたが、私は背伸びしてもお顔が半分見える程度で、声を聞いた
(ここから、お話の詳細が初めて思い出されました)
その中でも特に印象的だったのは、生老病死についてのお話で、人間は特別ではない、みんな生まれて来る時にそれぞれに合った環境に生まれるのだが、恣意的に自分で選ぶことはできない、
みな天におられる大日如来の采配によって決まる、そこから人生が始まるのだが、持って生まれた運が良いように見えるものでも、それなりの苦労がある…
みな、起伏の多い通りを歩いているようなものである
整えられた道を歩いている者でも突然穴ぼこが空くこともあるし、天から何か降ってくることもある
反対に、限りなくひどい泥田のような道を歩いている者でも、時に天から救いの手が差しのべられる…
人生とはこんなものだと侮ってはいけない、常に試されていると思った方がいい
全ては流転しているのであり、回転している荷車の車輪のようなもので、でこぼこ道もあれば、素直な草道もある…
都会の大道をゆくようでもあり、心細い細道を行くようでもある
素直な人はそれを受け入れ、次に何が来ようと心の準備ができている
あの時ああだったからこうしよう、ではなく、あの時が懐かしくて恋しいから離れがたい、とか、今の自分に不満だらけで憎いから、わざとみなから外れた道を行ってやれ、とか、
あいつがうらやましくて仕方ないから邪魔して穴を掘ってやれ、とか、それどころか裏を向いて、自分の生まれに復讐しよう、とことん堕ちてやれ、とか
みな自分の欲望に打ち勝てないからである
自分の今の現況より優れたものをねたみ、もっと上を行ってやれ、とか反対に下のものをあざ笑い、頭を押さえつけるとか、全て自分に対する不安から来ている
常に良くなければならない、理想の理想、限りなき永遠に近づかなければならないと思うほど、現況の自分との差が見えて、焦るはめになる
そうではなくて、永遠普遍でなくて、人は常に人生流転、車のごとく回転するからこそ、様々な道を通り、木面を磨かれ、これ以上ないほどするすると、地形に合わせて伸びやかに進めるようになる…
それは自分に対する新しい見解であり、酔いどれた幻想ではなく、正しい物の見方、客観性を得た時に、他人と自分を等価に比較でき、それぞれの抱える問題も等分であり、各自にとって意味のあるものであると、わかるようになる…
形こそ違え、各人を磨くために大日如来が下さった足かせなのである
それは時にうっとうしいが、正しく扱うことを知っていれば、共に歩む伴侶となる…
つまり、無理なく静心で歩く道中の友なのである…
良い友とは、気の合う時もあれば、互いに口ゲンカをすることもある…それでよいのである
それが自然なのである
あなたの内部が生み出す問題、苦労、病や夫婦のこと、子供、お金、仕事、愛情、友情、そして年老いること、全ての問題、課題があなたを整えることになる……
そして、扱い方を心得てゆるやかに安らかに自分の道を歩んでいると、死を恐れなくなる…
全ては変成し、無常であるが故に、永遠である
過去に固執せず、己れの失敗、弱点にいつまでも固執せず、いつも現況を見て、適正に行動し考えて発言するようにしていれば、自然と運も寄ってくる、正しい運命も開ける、人はあなたを正しく評価するようになる…
自分は形のない水のようであり、時に滞るが、いっときのことであり、迷いが晴れれば、またするすると、素直に流れていくものである
永遠に完成して動かないものなど、どこにもない
みな、常に揺れ動いて迷いつつも己れを透明な水のようになるように、磨いていくのである…

これが、お釈迦様のお話の骨子であった