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氷月神示 扁桃 その1310

国之常立神より皆様へ

(10才の翠さんが書き、12才の時に清書した物語の抜粋の続きです)

[アレクセイとケオドフの] 二人は別荘へ帰ると、リアの容態を聞いて居間に入りました。
「…なあ、アレクセイ。」
しばらくして、ケオドフが口を開きました。
「ターシャ・ヤフラスカのことなんだけど。明日の彼女のバースデーパーティーに行くかい?」
「あまり行く気はしないな。」
「彼女は条件つきらしいよ。やしきに下宿しているフランス人がリアを治してくれるようにとりはからうから、パーティーに来てくれって。」
「…行くよ。」
「じゃあ、電話するよ。」
何事もリアのためだ、とアレクセイは考えていました。
「もしもし…あ、ターシャさん。アレクセイは行くって。ぼくは行かないよ。[リアの]いとこだもの、つきそってなきゃ。うん…午前十時だね。じゃあ、そう言っておくよ。さよなら。」
ケオドフはアレクセイを行かせたくありません。でも、本人がそう言うのですから仕方ありません。
そのころリアは、一時的に良くなりベッドにすわって母と話していました。
「そうそう、アレクセイさん、明日町長さんのやしきであるパーティーに行くんですって。」
「まあ、アレクセイが!…お母様、わたしも行くわ。もう、こんなによくなったんですもの。」
「だめですよ。又熱が上がったらどうするの。そんなにアレクセイさんと行きたいの?」
リアは真っ赤になってふとんをかぶりました。
その夜、彼女はあまりねむれませんでした。

第六章 飛び立つハト

〈中略〉
やがてパーティーは終わりました。[ターシャは口を切りました。]
「ね、アレクセイ。わたしも、もう十七才よ。だから…わたしと婚約してくれる?」
これは大へんな事です。だって、アレクセイはリアの方が好きなんですから。
「でも、ぼくは…。」
「いいでしょ?」
「僕はリアが好きなんだ。」
アレクセイは思い切って言いました。
「アレクセイ…」
ターシャはふるえていました。アレクセイはそのままさっさと別荘に帰りました。

〈中略〉
[リアが治った後日の夜、離れにあるリアの部屋に侵入者が行くのを、アレクセイが見つける]
中ではさっきの人かげが、テーブルの上で何かしています。
「だれだ?」
かげは、いきなり声をかけられて窓から逃げ出そうとしました。アレクセイはすかさずつかまえました。
月あかりでみると! 何と、それはターシャでした。
アレクセイは驚いて、しばらく口もきけませんでした。テーブルの上にはコップがあり、中には緑色の粉が入っています。
「これは何だい?」
「ごめんなさい…リアがにくらしかったの…。」
ターシャがびんを見せました。中にはコップに入っているのと同じ粉が入っています。その粉はドクヤクでした。
[〈中略〉ターシャは、泣きくずれました。〈中略〉]
「ターシャさん…」
リアはさっきから目を覚まして [聞いて] いました。
「今の内に帰って。この薬は捨てるから。」
「ほ、本当?…もう、あなた達のじゃまなんてしないわ。」
ターシャは、二人に何度もあやまりました。リアは、早く、とターシャを窓から出しました。
やがて人かげは暗い町の中にと、消えて行きました。空はもうあけて、夜つゆが朝の光にあたって虹のようです。その光と虹の中を一羽の白いハトが果てしない大空へ飛んで行きました。
「リア。君もあのハトのように飛んで行くんだ。新しい青春の始まりだ…」
アレクセイは心の中でそっとつぶやきました。

終わり

(注:文中の[ ]は近年、わたしが補足して翠さんに伝え、書き足してもらったものか、今回説明として加えたものです)

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