小川の小路でピアノの音

ピアノ、音楽を通して感じたことを綴っています。

印象に残った曲

2017-11-28 22:59:28 | ピアノ
こないだの演奏会では、ピアノ以外に歌やヴァイオリンなどの演奏がありました。

歌ではシューマンの「詩人の恋」、ピアノでは偶然にもシューマンの「クライスレリアーナ」が2曲演奏されていました。そしてシューマンの歌曲「献呈」のピアノアレンジが演奏され、シューマンよりどりみどり、その魅力を改めて感じ入る事が出来ました。

やっぱりシューマンの音楽は文学的な香りがします。特に「詩人の恋」は初めて聴きましたが、物語の中に入りこんだような錯覚に陥ります。「献呈」は厳かで高貴な曲、大好きなこの歌曲がピアノアレンジされていることに驚き、編曲する人、演奏する人がいて同じように魅力を感じる人がたくさんいるんだとうれしくなりました。
「クライスレリアーナ」を含むシューマンのピアノ曲は、しばしば出てくる転調の前触れの音楽の流れがとても美しい🎵そして時折現れる独特のエスプリ感漂うリズム、これらはシューマンしか表現出来ない音楽です。これからシューマンソナタをさらう身としては魅力を存分に感じ、いいスタートをきれそうです。

余談ですが、「詩人の恋」を歌っていた人が最後歌い終わった後ずっと動きませんでした。続きがあるのかみんな様子を伺う中、伴奏者が遠慮しながら立ち上がりやっとお辞儀をしていました。周りの人達は笑っていましたが、私は、それだけ曲に没頭し曲の世界に浸った姿がとても微笑ましかったです。

次に印象に残った曲はシューベルトのピアノ連弾「幻想曲」です。これは私が普段聴き馴染んでいるシューベルトの曲じゃない...かなり衝撃を受けました。シューベルトの亡くなる前に作られた、数ある連弾の中で最も有名な曲、その音楽は悲壮感で埋め尽くされ、時折激しい感情が沸き上がる...、私が今まで弾いた清らかで歌心あふれるシューベルトの曲とは全く別物でした。
数々の失恋や貧乏を経験しながらも周りに支えられ自分のサロンで仲間と音楽を共有しあったシューベルト、そのあまりにも早すぎる死、病床の中で彼は何を思ったのか、とても考えさせられる曲でした。

シューマンも早死にした一人、周りの反対を押しきって最愛の恋人と結ばれながらも精神を病んで自ら命を絶った、その闇はなんだったんだろうと時々考えることがあります。

きっと曲を聴いたり弾いていく内に、彼らの音楽から想いや考えを汲み取れる事があるかもしれない、彼らの曲が大好きで共感出来る箇所がたくさんあるから、そんな想いで新しい曲をさらっていきます。

演奏会で弾いた感想

2017-11-27 10:05:07 | ピアノ
新宿の加賀町ホールで2曲弾いてきました。結果はというと1曲目のバッハのトッカータは、一番恐れていた出だしは上手くいきましたが、最初の緊張の反動がアダージョの部分で指が震え、その後の部分のいくつかを弾き直すミスがありましたが、後半は自分を取り戻して弾く事が出来ました。
2曲目のシャコンヌは、完全に音楽の世界に入りこむことが出来、通常心でほぼミスなく終わりました。

前回もそうでしたが、1曲目でつっかえて2曲目で持ち直す...、ただ今回はトッカータの練習時間が若干少なかったのでその結果が本番での出来だったのかなと思います。やっぱり曲が完成しても本番の前日までたくさん弾きこまないと人前で成果を発揮するのは難しいと感じました。技術的にはシャコンヌの方が何倍も難しいけどたくさん練習したシャコンヌの方が安心感からか、落ち着いて弾けました。

ただシャコンヌの途中から、ライトの暑さのせいか鼻水がとまらなくなり、鼻をすすったりして気持ちがそれるのをずっとこらえていました💧両手はふさがり鼻水は出てくる...、曲の区切りの部分で手でぬぐってしまいました。(汚い話ですみません)こんなハプニングもありえることを経験しました。(大学4年の門下勉強会でも、ドレスの肩紐が片方ずり落ちてきてしまい、焦った経験があります。)

今回は打ち上げ不参加だったため、周りの方々とゆっくり話は出来ませんでしたが、私の演奏後に何人か話かけてくれました。シャコンヌのあまりの音数の多さには驚かれたようでした。一つの指で二つの鍵盤を押さえたり、オクターブや和音を連ねて弾く速いパッセージがあったり...やはり和音の分厚さが印象に残ったんだと思います。
「岩田さんはクールな印象だからバッハがすごくマッチしてる」とも言われました(((^^;)本当の私はクールというより抜けててぼーっとした性格なのですが、大好きなバッハと自分の雰囲気が合っていると言われ、ついつい気分を良くしてしまいました🎵

弾いたピアノはスタンウェイ、前回弾いたスタンウェイは黒鍵の幅が狭く感じ、心理的なプレッシャーから音を外しまくっていましたが、今回の黒鍵はそうでもなく、ただ、鍵盤の厚みがややあったのか(特に黒鍵)、ある程度下まで押さないと音が出ない違和感がありました。前回程弾きにくくはなく、安心して弾けました。

そして今回のホールはミキモトの社長の邸宅の3階部分にあたる場所で、普通にガレージに自家用車があり、表札もありました。自分の家にコンサートホールを作るということは、クラシック音楽に理解があって御自身も愛好者なのかなと想像をめぐらせました。

他の方達の演奏を聴いた中で特に印象に残ったのがシューマンとシューベルトの曲、長くなったのでまた次に綴ります。


管弦楽組曲3番合わせ

2017-11-26 21:33:42 | ピアノ
この日は新宿で演奏会をした後に途中で帰り、そのまま練習場所へ向かいました。

拝島で迎えにきてもらい、車の中でおにぎりと野菜ジュースで束の間の夕食、慌ただしい一日でしたが得られたものが大きい充実した一日でもありました。

実は、ここ最近体調の関係で練習出来ないことが多く、練習するときはついつい演奏会の曲優先にしていた私、アンサンブルの曲はほとんど練習していませんでした。ガヴォットとジーグはやらないと言われていたので序曲とエールとブーレに集中してさらいました。

しかし、合わせが始まり「ガヴォットからやりましょう」と言われ、頭が真っ白に...(*_*)どうやら1回目の時に指揮者の意向で変更されたようです。(私はいませんでした)しかも、ガヴォット、ジーグの順番で合わせが進み、譜読みしていない私は左手の通奏低音のみ弾き右手の和音は余裕がある時のみ弾く形にしました。絶望の気持ちを飲み込みながらガヴォットを弾いているうちに両手で弾ける箇所が増えていき「初見試奏の練習をしていると思えばいいんだ」と開き直りの心境に...。ジーグはテンポが速いのでさすがに両手で弾くのは無理でした(T_T)

ジーグのフレーズの終わりや終止で苦し紛れに両手で和音を弾いていた私に指示が...、和音は分散させて反復を繰り返して弾いてほしいと言われ、何度か試してみましたが「まだ恥ずかしがってる」と言われました(((^^;)
「ジーグの終止に限らず、序曲の出だしの和音も分散させて弾くのか?」聞いたところ、

・ほとんどの和音の部分はアルペジオで弾くと認識してもらっていい。
・アルペジオを均等のテンポで弾くのはダサい。バスをしっかり弾いた後、徐々に速めていく。
・強弱が出せないチェンバロをどのように表現するのか、それは音を小さくしたい時は和音の一部を抜く、大きくする時は和音の数を足す、もしくはトリルやアルペジオの反復を使って音数を増やす。
・アルペジオのテンポをその時々の曲調によって変える。主張を強くしたいときは速くし、憂いのある部分や音の小さい箇所ではゆっくり弾く。

このような事を学びました。

序曲では付点のリズムを複付点に直すよう指示がありました。イネガル奏法と聞き、「ピアノ曲のフランス組曲の最初は序曲があり、イギリス組曲は前奏曲、この曲はフランス風だ」と今頃気付きましたf(^^;ガヴォットⅡで出てくるユニゾンも「まともに弾かず、余裕をもって愛嬌も含みながら」との指示に「フランス的な洗練された軽やかさが全面に出ている曲なんだ」と思いました。私にしてみると少し手ごわい曲、やや高い壁を感じます(((^^;)

この曲の合わせは後12月に1回のみで次は本番、12月の合わせには完璧に弾かないといけません。今回は練習不足のせいで序曲の速い部分もあまり弾けず、長い休符からの出だしにもついていけず、ボロボロでした。でもそれぞれの曲のテンポは分かったのでそのテンポで練習すれば次回はきっとうまくいく、と信じて頑張ります。

帰りに見識のある方からCDを渡されました。「管弦楽組曲3番の数ある演奏の中でもこのCDはチェンバロが聴こえやすくて表現も派手で目立っている。是非聴いてみて」と。自分の演奏だけではなく、周りの仲間にも意識付けて良いものを作っていく、当たり前の事だけど気付かされました。本当に感謝です🎵

練習の前、リーダーの方とお話しました。それは1月の本番以降の曲について...、チェンバロコンチェルトになりそうです。11月の打ち上げの時、別の席で指揮者と主要メンバー数人でチェンバロコンチェルトの打診をしていたのを思い出します。私はその時離れた席で耳をそばだて、同席の会話も心ここにあらず状態で気になっていました、持ち時間の関係で1番ではなく、4番Adurになりそうな様子、そして指揮者の好みでピアノではなく電子チェンバロになると言われました。表現し慣れたピアノではなく、チェンバロ、今回教えて頂いたアルペジオや装飾音などの譜面にはないアレンジで表現していく事はたくさんの壁にぶち当たると覚悟しています。無知もきっとひけらかしてしまう...でも良く考えると、スラーも強弱記号も一切書かれていないヘンレ版のバッハの楽譜をみながらピアノで自分なりに解釈しながら弾いてこれたから、きっと何とかなると思います。

演奏会についても色々と感じる事がありました。鼻水が止まらなくなるハプニングはありましたが無事に弾ききりました(((^^;)その事については次回に綴ります。

演奏会に向けて

2017-11-20 20:26:34 | ピアノ
久しぶりにピアノに触りました。久しぶりでしたが指は覚えていてくれました。毎回必ず出だしで弾く「シャコンヌ」、期間を空けて弾く時、毎日弾いていた時期には分からない、曲の良い部分に改めて気付き感動することがあります。原曲は素朴ながらも圧倒的な存在感を放つ曲、その曲にピアノだからこそできる表現を最大限に駆使したアレンジを加えたこの大曲を弾いて音楽と一体化することは、この上ない幸せです。

次に弾く曲はバッハ トッカータ3番。実は上記のこの2曲は11月25日のピアノサークルの演奏会で弾く曲です。練習の期間はもうわずか、弾き辛いところもあるけれど、8割方安心しています。

バッハのトッカータ、トッカータとは曲を弾く際の指ならしという意味合いがありますが、指ならしを遥かに越え、そこにはバッハが求める音楽の宇宙があります。その中でも3番は、一際高貴で凛とした素敵な曲です。

どちらも厳格で幾重にも骨組みが張り巡らされた分厚い曲、聴く人によっては堅苦しい印象を持つかもしれない、でも私はこの2曲が大好きです。

神の領域に近くなかなか近寄りがたいバッハの音楽、でもよく目をこらしてみると、そのなかには人が共感できる感情、喜びや切なさが入り交じっている。もうこの魅力を知ってしまうと、俗っぽいロマン派の曲は弾く気持ちが半減してしまう...(((^^;)

でも演奏会が終わったら次の曲にとりかかります。シューマンのソナタ1番、もしくは「グランドソナタ」、そしてバッハのパルティータ6番を弾く予定です。じつはパルティータは痛い想い出が...。大学生の頃、デパートのトイレで置き忘れ、そのまま盗まれてしまった事があります。なので手元には楽譜がなく、新たに購入します。

まずは25日を無事に終わらせます(>_<)そして同じ日に弦楽アンサンブル合わせがあり、そちらの新しい曲を全く手をつけてない💧💧明日必ずやらなければ...。

第27回楽友クラブ演奏会
 日時:2017年11月25日(土)1330開演(1315開場)、1840頃終演予定
 場所:加賀町ホール(大江戸線牛込柳町駅徒歩5分)
    https://www.kaga2526.com/
   
加賀町ホールは宝石で有名なミキモトのオーナーが作った演奏会用スペースです。内装はどんな感じなのか、楽しみです。私は4部の中で、第2部の最後に出ます。今回は連弾が多い印象、興味がありましたら是非お越しください🎵

本番を終えて

2017-11-19 22:22:33 | ピアノ
弦楽アンサンブルの発表を無事終えました。2曲のドゥエットに関してはほぼ元のアレンジに戻しました。指揮者には「地味な方が歌とのバランスがとれる、今回は不本意かもしれないけどそれで行こう。あなたの試みは糧となって今後に必ず生きる。そのかわりヴィヴァルディはノリノリで主張して弾いてOKだから。」とフォローしてくれました。

本番は緊張しましたが、バッハに関しては指が覚えてました。逆にヴィヴァルディは練習回数が少なかったため、いくつか危ない箇所が...(((^^;)やっぱり、弾けてるつもりという意識はだめな事、弾けてると感じてもピアノ独奏の練習と同じように繰り返し繰り返し練習を重ねる事は必要だなと感じました。

次の練習日は11月25日、その日はピアノの演奏会があり、本番を終えた後そのまま新宿からあきる野へ移動して練習場所へ向かいます。

最近仕事での大きな行事が終わり、心身ともに休めていました。体調もあまり優れずピアノにあまりさわれていませんでしたが、今日からは本腰を入れてやっていきます。次に、演奏会で弾くバッハ2曲について綴ります。