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生化実習まとめ

2008-01-25 21:25:38 | 考察
生化実習まとめ(構造式は各自で)

1.マイクロピペット
マイクロピペットは血清の採取を目的に作られたもので、これと粘度の違う試料を正確に測定することは出来ない。また、チップや本体はプラスチックなので、これを侵食する恐れのある有機溶媒の採取に用いてはならない。マイクロピペットには採取可能な容量が定められており、この容量を超えて採取を行ってはならず、また、この容量の1/10未満の採取を行ってはならない。つまり、
1000μlのマイクロピペットならば、100~1000μlの採取が可能である。その他、基本的にはプッシュボタンのストロークが長い方が正確に試料を採取することが可能である。

2.血糖値の測定
血糖値とはグルコースのことであり、検査の意義は糖尿病の診断である。この診断には明確な基準値が設けられており、126mg/dl以上で糖尿病、さらに、110mg/dl以上で糖尿病予備軍となる。臨床の検査では、酵素反応による測定が行われる。これは基質特異性を利用したものであり、具体的には、グルコースオキシダーゼ法(GOD法)と呼ばれる。グルコースと水がGODにより、グルコン酸とH2O2に分解され、このH2O2と、4-アミノアンチピリン、フェノール(またはDAOS)と共にペルオキシダーゼ(POD)で反応させると、グルコースのmol数に比例した赤色(DAOSの場合は青色)キノンを産生するので、これを、505nmにて測定する。なお血糖測定用採血管にフッ化Naが加えられている。

3.蛋白
蛋白は多数のアミノ酸がペプチド結合した、固有の等電点を持つ両性荷電物質である。生体においては体構成成分としての役割を持ち、血中にはAlbやGlbとして、7mg/dl含まれている。血中総蛋白(TP)はビウレット法を用いて検査する。アルカリ性下においてTPは銅イオンとキレート結合して錯体を形成し、その結果、青紫色を呈する。これを540nmにて比色する。また、AlbはBCG法で測定を行う。Alb発色試薬(pH4.2)に血清を添加すると、Albは試薬中のブロムクレゾールグリーン(BCG)とキレート結合し、青色を呈する。これを630nmにて比色する。これらの方法よってTP・Albを求めたならば、TP量-Alb量からGlb量を求めることが出来、さらにA/G比を求めることも可能である。


4.電気泳動
血中蛋白は電気泳動を用いても測定が可能である。蛋白は両性荷電物質であるので、アルカリ性下においては、陰性に荷電する。陰性に荷電した蛋白は陰極から陽極へと移動し、その距離は陰性度が強い(Albなど)ほど長くなる。具体的には支持体であるセルロースアセテート膜に蛋白を塗布し、pH8.6のベロナール緩衝液を使って、電気泳動を行う。この時、塗布した蛋白が黄色に見えるのは、間接ビリルビンによるものである。その後、ポンソー3Rを使って染色した後、低濃度酢酸で脱色し、デカリンにて透明化を行い、デンシトメーターにかける。
電気泳動でも定量と同様、A/G比を求めることが出来るが、両者の間には若干の差(泳動>定量)がある。これはAlbがGlbに比較して、色素吸着能(親和性)が高いことが原因で、これによりAlbは本来の値より高い値を示す為、相対的にA/G比も高値を示すのである。

5.アミノ酸の構造式





6.脂質
脂質は水に不溶である。これは脂質が親水性基を全く持たないか、持っていても疎水性基の数が上回っている事に起因しており、前者にはTGやコレステロールエステル(E-cho)が該当し、後者には遊離コレステロール(F-cho)やリン脂質(PL)が該当する。

7.TG
TGとはトリアシルグリセロールの略称であり、これはグリセリンに3分子の脂肪酸(FA)がエステル結合したものの総称でもある。血中のTGを測定する場合の注意事項として、TGは全てグリセリンに3分子のオレイン酸がエステル結合したトリオレインとして測定するというルールがある。
TGをLPL(リポプロテインリパーゼ)の作用で加水分解すると、グリセリンとFAに分解される。遊離したグリセリンはATPの存在下でGK(グリセリンキナーゼ)によってグリセリン-3-リン酸(G3P)になる。このG3PにGPO(G3Pオキシダーゼ)を作用させると、G3Pは酸化され同時に定量的に過酸化水素が生成される。生じた過酸化水素はPOD(ペルオキシダーゼ)の作用により、4-アミノアンチピリンとP-クロルフェノールとを酸化縮合させて赤色色素を生成。600nmで比色する。


8.総コレステロール(T-cho)
T-choとはF-choとE-choの総和であり、測定にはこの原理が利用される。血清中のE-cho類をコレステロールエステラーゼでF-choとFAに分解する。生成したF-choと血清中のF-choはCOD(コレステロールオキシダーゼ)によって酸化され同時に過酸化水素を生成する。この過酸化水素はPODの作用でDAOS・4-アミノアンチピリンと定量的に酸化縮合して青色色素を産生する。これを600nmで比色する。

9.HDLコレステロール(HDL-cho)
CM・VLDL・HDL・LDLといったリポ蛋白はA・B・C・Eのアポ蛋白をそれぞれ持っている。アポ蛋白の構成はリポ蛋白によって違いがあり(以下の表)、この違いからHDLのみを遠心分離することが可能である。
  A B C E
CM + + + +
VLDL - + + +
HDL + - + +
LDL - + - -
表からも分かるようにHDLはリポ蛋白の内、唯一アポ蛋白Bを持たない。そこで血清にアポ蛋白B共沈剤(リンタングステン酸+マグネシウムイオン、またはヘパリン+マンガンイオン)を加えて遠心することで、上清にHDLだけが分離されることになる。こうして得られたHDLに発色試薬を加えると、T-choの場合と同様の反応が起こり、青色色素が産生される。これを比色定量する。

10.LDL-cho
T-choはF-choとE-choの総和であると同時に、CM-cho、VLDL-cho、HDL-cho、
LDL-choの総和でもある。これらの内、CM-cho、VLDL-choの量はCM、VLDLに含まれるTGのおよそ1/5程度であり、HDLやLDLにはほぼ含有されていない。以上の条件からLDL-choは以下の式で算定することが出来る。
LDL-cho=(T-cho)-(HDL-cho)-TG/5

11.コレステロールの構造式


12.LDH(乳酸脱水素酵素)
LDHは乳酸が酸化されてピルビン酸に変化する反応およびその逆向きの反応を触媒する。乳酸→ピルビン酸の反応では、NADが還元され、NADHとH(+)が生成する。この反応は弱アルカリ下での反応であり、H(+)が生成されることで、pHは低下し、反応が進行するほど反応速度は低下する。NADHの340nmにおける吸光度の増加はLDH活性に比例する。

13.乳酸とピルビン酸の構造式




14.ALP(アルカリ性ホスファターゼ)
血清中のALPはフェニルリン酸を、フェノールとリン酸とに分解する。生成されたフェノールはフェロシアン化Kの働きで、アルカリ下において4-アミノアンチピリンと反応して、赤色色素を生成する。この色素を500nmで比色する。実際の試験では、基質濃度を変化させて、反応速度を求め、ラインウェーバーのグラフから、ミカエリス定数・最大反応速度を求める。

15.以下のデータから正確度と精密度の評価
  1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
SpⅠ 291.3 272.6 291.3 286.6 278 286.6
SpⅡ 546.6 493.3 513.3 485.3 458 563.3

  1班 2班 3班 4班 5班 6班
SpⅠ 281 206 322 272 286 284
SpⅡ 495 329 561 536 505 510

・正確
下のデータの各班のデータを平均する。このとき最高値と最低値を除くと良い。
平均値→SpⅠ281 SpⅡ512
次に自分の班のデータ(仮に6班とする)と平均値との乖離度を求める。
乖離度=((自分のデータ)-(平均値))/平均値×100
SpⅠ1.1% SpⅡ0.4%
この程度の乖離度ならかなり正確といえる。


・精密
上のデータからSpⅠ・Ⅱの平均値・SD・CVを求める。
CV=SD/平均×100
SpⅠ2.6% SpⅡ7.7%
これをTonksと比較(この実習で測定した物質はすべてTonks=5%)。
TonksよりCVが低ければ精密。

16.以下のデータからラインウェーバーのグラフを描き、最大反応速度を求めよ
吸光度 基質濃度[s](mM) 1/[s]
Std 0.837 5.00  
Sp1 0.159 0.25 4.00
Sp2 0.243 0.50 2.00
Sp3 0.307 1.00 1.00
Sp4 0.455 2.50 0.40
Sp5 0.537 5.00 0.20
Sp6 0.537 7.50 0.13
※50K-Aとする

まず(Spの吸光度/Stdの吸光度)×50(K-A)から反応速度を求める。
Sp1から順に9.5 14.5 18.3 27.2 32.1 32.1
これの逆数(1/V)を取る。
順に105 68.9 54.5 36.8 31.2 31.2(全て×10の3乗)
縦軸に1/V、横軸に1/Sを取ってグラフ作成。
縦軸と交わる点を1/Vmax 横軸と交わる点を-1/Kmとする。
それぞれの逆数を求め、Vmax Vmax/2 Kmを求める。
1/Vmax=2.9×10-3
Vmax=34.5
Vmax/2=17.25
-1/Km=-1.15
Km=0.870
大体こんな感じ。


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