MoCA研究所(JL1MCA 無線とコンピュータのBlog)

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NanoVNA-H4の修理(その1)<電源入らず>

2023-11-05 22:58:30 | アマチュア無線

この記事を参照し改造を実施した事による機器の故障並びに故障に伴う損害について、当方は一切保障できません。同様の改造を実施する場合は、あくまで自己責任でお願いします。
メーカー保証がある場合は、メーカー保証は受けられなくなります。


ローカルOMより、故障したNanoVNA-H4を預かりましたので、修理を試みます。

故障状況は、

 ・電源ONしても何の反応もない

 ・充電ランプは点灯するので、充電動作は問題ない模様

 ・完全に動かなくなる前は、動作が極端に遅くなったり、時々反応しなくなる症状が出ていた

という事でした。

最初に疑うのは電源スイッチですが、スイッチON後に主要チップの電源ラインを確認すると、正常に電圧がかかっているようです。故障時の症状から、ARMマイクロプロセッサそのものの故障では?とあたりをつけ、プロセッサ自体を交換することにします。

■部品の入手

対象のARMプロセッサは「STM32F303CCT6」です。AliExpressあたりが最安ですが、今回はマルツオンライン経由でDigKey社からの取り寄せました。残念ながら送料無料キャンペーン前に注文してしまったのでしっかり国内分送料を取られてしまいましたが、直接DigKey社発注するよりは費用は抑えられます。

■修理方法

といっても、ARMプロセッサを交換するだけです。成功率は低いと思っていたので、修理中の写真を撮っていませんでした。イメージのみでご紹介します。

まずはケースを外し、基板からバッテリーと液晶パネルを取り外します。両面テープでがっちり固定されているので、ヘラのようなものや薄い定規などを突っ込んで、壊さないように注意しながら外します(マイナスドライバはおすすめしません)。

続いて、基板上の対象部品を以下の記事を参考にヒートガンで外して交換します。ヒートガンでの作業については、下記を参考にしてください。

NanoVNA表面実装部品の交換修理

(取り外したARMプロセッサ)

交換が完了したら、半田ブリッジがないかを再度ルーペで確認し、液晶とバッテリーを取り付けて電源を入れます。反応が無いようならすぐ電源を切ってバッテリーを外し、再度半田ブリッジと半田不良がないかをよく確認しましょう。

問題なさそうなら、アップデートと同じ要領でファームウェアの書き込みを実施します。PCとUSBケーブルで接続して、レバースイッチを押し込みながら電源ONすれば、DFUモードで起動するので、dfu-utilを使って書き込みます。

今回はこれで無事復活できました。ついでにMicroSDカードスロットを付けて、依頼主へお返しとなりました。

NanoVNA-H4(旧バージョン)にmicroSDカードスロットを追加する

 



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