爺々ネタ?

「これ何? 委託 」(oji3のブログ375:慈306)

  「何これ? 」:寡欲(少欲)

 「心を養うは、寡欲より善きはなし。」
             (孟子)

 心の修養には、少欲知足にまさる方法はない。
欲しがるものに愛着すると、己を見失う。

【閑話休題】:民間委託
 ●上下水道「みやぎ型管理運営方式」の是非

 宮城県知事が、上下水道と工業用水の水道3事業の運営権を
民間に売却する「みやぎ型管理運営方式」に前向きです。

 これは、県が保有する上下水道と工業用水の運営を
20年間、民間企業に委託し運営する権利を売却する方式です。

 現況との変更点は、下表のとおり。

 ※業務役割分担比較表
業務内容
役割分担
備考
現在
みやぎ型

事業全体の総合管理モニタリング
変わらず
浄水場等の運転管理
民間
民間
民間が実施済み
薬品・資材の調達
民間
民間に移動
設備の修繕・更新工事
民間
民間に移動
水道法に基づく水質検査
変わらず
管路の維持管理/管路・建物の更新工事
変わらず
                         (宮城県HPより抜粋)

 宮城県は、「これまでと同様に民間事業者と連携し、県が事業の最終責任を持って、事業を運営していきます」としていることから、
民間事業者は、最終責任から逃れられることになりラッキーです。

 今回のみやぎ方式では、「設備の 修繕・更新工事」や、「薬品・資材の調達」が民間受託事業者の業務になりました。

 みやぎ型管理運営方式では、優先交渉権者が設立するSPC(特別目的会社)に対し て、県情報公開条例の趣旨に沿った情報公開取扱規程を定め、
本事業に関する情報公開を適時に行うものと規定しています。

 しかし、非開示となる情報に、薬品や機器の調達価格等があり
その購入や価格は業者の思うままです。

「みやぎ型管理運営方式では、上工下水一体化によるスケールメリット
の発現や、運転管理を担う民間事業者に薬品や資材の調達及び設備機器の
選定も委ねることにより、大きなコスト削減を実現し、料金上昇の抑制を
期待するものです」としていますが、逆に大幅なコスト増になる可能性をも
含んでいる内容です。

 何故、運転管理を担う民間事業者に薬品や資材の調達及び設備機器の
選定を委ねることが、大きなコスト削減につながるのでしょうか?

 英国では、『必ず民間会社は利益を追求し、その結果サービスの低下、
料金の値上げをする事になる』との見通しから、「国」が民間会社を
チェックする機関を創設しました。

 民間企業は各種のノウハウを持っているとの評価をしている様ですが
金儲けのノウハウも十分すぎる位持っています。

 水道事業は代替性のないインフラです。
そして施設設備の老朽化などの問題も山積しています。

 今回の宮城県の「みやぎ型管理運営方式」は、最終責任は
県が持ちつつ、「薬品・資材の調達」と「設備の修繕・更新工事」を
民間企業に投げるだけの変更内容です。

 「みやぎ型管理運営方式」と言うから、何か斬新な個所があるのかと
思いましたが、肩透かしを食らった感もあります。

 しかし、参入する民間事業者から見れば、オイシイところが
あるように見えます。

 日本は水道インフラが整っている国なので、日本人は
水道水が直接飲める事は、普通の様に感じています。

 しかし世界のほとんどの国では、水道水が直接飲め
ない状況下にあります。

 日本のように、水道水が飲める国は、全世界で9か国しかありません。
 (2004年の15ヶ国から9ヶ国に減っている。)

 上水道は命にかかわり、下水道は環境問題にかかわる
重大なインフラです。
 経済性より大切な事があることを、認識して欲しいものです。

 民間企業(特に外国資本)に委託すれば、将来的には
水質の基準を世界の状況に合わせる事にもなりかねないとの
懸念もあります。

 薬品や機器の調達価格等の情報は、「公開」として欲しいものです。

 「利益を出すことが最大の目的である民間企業には
 水道事業はなじまない」と考えられます。

 水質低下を招き、日本も水道水が直接飲めない国の仲間入りを
してしまう事の無きよう、対策を講じて欲しいものです。
 
 *人夜草 傘を持つ手の あたたかき
                2021.04.30.moai291

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