看護師の仕事は多岐に渡っており、患者さんとコミュニケーションを取ることも含まれます。看護の基本として教えられるのが、看護師による声かけです。特に難しい技術も必要なく、誰にでもできることでもあります。
看護師が患者さんに声かけをすることで、落ち着いて検査や手術を受けてもらうことができますし、患者さんの今の状態がわかるようになります。どこか痛むところがあるのかとか、気分は悪くないのか、何か心配なことがあるのか、など言葉を交わすことで読み取るのです。
患者さんは検査を受ける前や手術の前は不安を感じています。どんなことをするのだろうか、痛みはないのだろうか、自分はどうなるのだろう、など不安な気持ちがあればそれを吐き出してもらいます。そして看護師は受け止め、励ますようにします。
看護師が適切な声かけをしたおかげで苦手だった胃カメラ検査が受けられるようになったとか、肩の力を抜いて楽に検査を受けることができた、といった声がたくさん集まっています。不安な気持ちがある中で検査台に乗るのは緊張しやすく、簡単に済む検査でもうまくいかないケースもあります。
看護師が患者さんへ声かけをするのは、患者さんの状態を見るためだけでなく、緊張をほぐしたり医療行為がスムーズに進むようにするためでもあります。患者さんの気持ちをくみ取り、それに合わせた声かけは、最初のうちは難しいかも知れません。先輩看護師で声かけが上手な人を参考にするなどして自分なりの声かけ法を身につけましょう。