風を感じて~子宮頸がんの記録~

2007年7月に子宮頸部小細胞癌と診断され子宮と卵巣を摘出後、抗がん剤を6クール投与。2010年3月肺転移しました。

まさかの林真理子とやっぱり村上春樹

2010-10-09 08:10:31 | 抗がん剤終了後経過観察
抗がん剤の為の入院中、本を読むというのも中々大変でした。
というか気分が悪くて殆ど読めません。

2007年の抗がん剤の時に、何とか気分を紛らわせたくて、シスプラチン投与中にこっそりゲームをやってみた私。
気が紛れるかと思ったら、トンでもない、
副作用の吐き気がいつもより早く来て苦しみました。
同室の子からは「かもちゃん、当たり前だよ~。おとなしく寝てなって」と苦笑される始末。

ゲームはダメ、テレビもダメ、本も読めず、やっぱり吐き気とだるさが通り過ぎるのをジッと待つしか無かったです。
そして退院間近になると、少し起き上がれるようになり、友達とのおしゃべりも大丈夫になってきます。
本でも読みたいな~と思うものの、すぐフラフラするのでまだ無理。

家に帰っても寝てるばかりで家事もロクにできないんだけど、
だんだんと「何かしたい」欲求が出てきます。

私は村上春樹が好きで単行本が出たら買うことが多いです。
再読するので文庫本になって買い直しした本もあります。

なので、村上春樹の本を手に取ってみたのですが・・・

全く頭に入ってこない!!


記号のように出てくるモノや店。
例えば現実とそうでない世界の境目にあるクリーニング店や現実を象徴するラジカセ。
(クリーニング店にはラジカセが置いてあるのだけど、他の場面でも、ココは紛れもない現実ですよ!と示される場所の時には象徴のようにラジカセがあったりします)
まぁ今ラジカセって現実にはあんまり見ないですけど。

再読なので筋は何となく分かるんだけど、言語が違う感じで手に負えない。
ラジカセとか出てきても何のこと?って感じ。
別に小道具の意味なんて知らなくても筋は終えますが、読後は意味がサッパリ?わかりません状態になりました。
どうなってるのよ~、あんなに好きなのに。


エッセイなら読めるかも、と母にリクエストして著者は指定せずに買ってきてもらったのが林真理子さんの本です。
よく入院初日~抗がん剤投与前まで読んでいました。
何年ぶりかの林真理子ですが、この時期読めた本は彼女一人。自分でもびっくり。何故に林真理子?

エッセイは食べる事、着る事、見る事など入院中は出来ない事だらけなのに嫌味な感じがしません。
母は「これだけ上から目線な文章で、どれだけ綺麗な人かと思ったら・・・」
などと言ってましたが、私はこの人の文が好きになりました。


その内エッセイを読みつくして、小説へ。
これも良かったです。今も時々「野ばら」を再読しています。
もちろん簡単に読めるからといって、くだらない文章という訳では全くありません。

林真理子さんの小説には着物や洋服の描写が細かく書かれているのも凄く好きです。
いや、着る物だけじゃないんですが、食べ物とか目に浮かぶ情景というのが好き。
あ、これは村上春樹さんもありますね。

今でも林真理子さんの本は時々手に取ります。
この間やっと村上春樹さんの「ねじまき鳥クロニクル」を読み直しました。
嬉しいぃ~~。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (えみ)
2010-10-13 23:09:56
 かもちゃんは春樹さんが好きなのですね。
私は中学の時、ノルウェイの森の上巻を読み、
さっぱり意味が分からず、そのせいで春樹さん本に苦手意識が出来てしまい、ずっと読んでいませんでした。
 でも、かもちゃんが好きなら良いのだろうな。読んでみようかな(笑)
 
 かもちゃんのお母様…。
ぷぷぷ…。笑っちゃいました。確かに彼女のエッセイって『超』上から目線ですよね。
 以前はよく真理子さん、読んでいました。
この頃は何故かオカルト?に走ってキングなんか読んじゃっていますが(笑)
 
 ねじまき鳥クロニクル、嬉しいぃ~~って
なるくらい素敵な小説なのですね。
 私も挑戦しようかな~!
えみさんへ (かもちゃん)
2010-10-14 14:53:44
うちの母はサバサバした性格なのですが、時々毒舌にもなります。

あと現実でも上から目線というか気位の高い人が好きなようなします。
どっちかっていうとSっ気ある人の話って聞いていても面白いというか。
自分はMな気がするんですけどね。

村上春樹の一番好きな作品は・・・と聞かれたら、ねじまき鳥クロニクルなんですけど、あれはかなり長いので、最初に読むとしたら何がいいだろう・・・

考えてみます。

あと読みやすいと言えば氷室冴子さんが好き、
これはもう少女心をくすぐられましたが、いかんせん昔過ぎるか。

話尽きないので、ここらへんまでにしときます(笑)