サカライ2日記

サカライ2の日記

初代表

2005年06月14日 | Weblog
「おい、あいつが奥村か?」

「ったく20歳でなんでキャプテンなんだよ。監督何考えてんだ。」


…まぁこんなことになるだろうなぁとは予想してたが実際言われるとやっぱり凹むなぁ(´・ω・`)

「言いたいやつにゃ言わせとけ。すぐお前の実力がわかるさ。な、奥村?」

「そ、それは過大評価というヤツでは…(;´Д`)」

「いやいや、セリエで得点王とったお前なら大丈夫だよ。俺なんか7点だぜー?来季もっとがんばらんとなぁ。」


この人は城内和哉さん。ラツィオの永遠のライバル、ローマのストライカーだ。
今はラツィオだとかローマだとか関係ない。青いユニフォームを着て日の丸を背負ってる者同士
試合に全力を尽くすのみだ。

「それではミーティングを始める。集合!」

「お、行こうぜ奥村。」


「みんなも知っての通り、我々のグループは強豪ばかりだ。イタリア、カメルーン、ベルギー。
 GL突破は困難な道となるだろう。しかし必ずや日本初のベスト8を達成し、優勝を目指すぞ!」


みんなの士気が高まる。なんで監督という人種はこうも盛り上げるのが得意なんだろうか。


「初戦のイタリア戦はオフェンシブに戦う。相手がカウンターが得意なのは百も承知だ。
 こちらは攻めまくってカウンターをさせる隙すら与えるな。なんとしてでも先制点を取れ。
 2トップの奥村と城内。MFの福西、中田、岬。前線の選手がキーマンとなりチームを引っ張れ。いいな!」


そして開幕戦。vsイタリアが始まった。

「うぅ…緊張するなぁ。どうして初代表がこんな大舞台なんだよ…(;´Д`)」

「よぅ。奥村。まさか開幕戦でおまえさんのとこと当たるとはなぁ。」

「ディノさん!ディノさんも代表に選ばれたんですか?」

「アホか。俺は5年も前からスタメン張ってるっつの。…お、ローマの兄ちゃんがパートナーか。
 ダービーの時は苦い思いさせられたからな。ここらでリベンジといかせてもらうぜ。」

「返り討ちにしてやりますよ。な、奥村?」

「え、あ…はい。」

俺に振らないでくれ。どういう返事をしたらいいかワカラン(;´Д`)

そして試合開始。


監督の指示通り攻める日本とカウンターの糸口を探るイタリア。

そして日本がついにイタリアの壁を破る。

福西さんがサイドを切り裂きクロス。

それを俺が頭で押し込み先制点。

日本はその1点を守り切り、1:0で前半終了。

「いいゴールだったな。これで回りも認めてくれるだろう。」

「さすがウチの得点王ってとこか。だが後半はウチラが攻める番だ。覚悟しとけよ?」

敵味方両方から賛辞を受け取り、少しリラックスした気持ちで後半突入。


しかし後半早々、イタリアが牙を剥く。
ディノさんが強引に打ったミドルがバーに当たりゴール。少し不運なゴールだ。

そしてその直後、ディノさんのアシストでシニョーリさんがゴール。イタリアが逆転。

これをお得意のカテナチオで守りきられ1:2。俺達は黒星スタートだ。


しかし追い詰められた日本は背水の陣でカメルーンと戦う。
この試合で4得点と攻撃陣が爆発。

またもや先制点は俺。中田さんのシュートがバーに当たり、それをオーバーヘッド気味にシュート。これが俺達の勢いをさらに増した。

その後、中田さんがミドル。福西さんのクロスに城内さんが合わせて3点。

3:0で前半を折り返す。

後半に入り、多少攻め込まれることも多くなったがカウンターから抜け出した城内さんが
とどめの一発を決めた。

そしてGL最終戦vsベルギー。
この試合の前にイタリアが3戦全勝という結果でGL突破決定。
このお陰で引き分け以上なら俺達もGL突破だ。

リスクを犯して攻撃する必要が無い俺達は完全にスペースを消し、ゴール前に鍵をかけた。
それをベルギーの攻撃陣は敗れないまま試合終了。0:0のスコアレスドローで俺達はGL突破を決めた。
その消極的な姿勢は国内で結構非難されたらしいが、こういう大舞台では結果が最優先。
誰かさんの言葉を借りるなら「勝てばよかろうなのだァー!」


こうして無事突破を決めた俺達。次の相手は優勝候補、フランスだ。

「この試合に勝てば日本初のベスト8だ。なんとしてでも勝つぞ!」

監督からの激励を受け、気合を入れてピッチに行く俺達。

プラティニを始め、デシャン、ジョルカエフ、アネルカ…。
そうそうたる顔ぶれが揃っている。
サッカーは名前でやるもんじゃない、意気込んだ俺達だったが圧倒的なフランスの攻撃で前半に3失点。
俺達には反撃する暇さえ与えられなかった。
なんとしてでも1点返してやると前掛かりになる俺達の後ろをキレイなスルーパスを通すプラティニ。
それをジョルカエフが決めてダメ押し。4:0。

そして試合終了。フランスとの力の差を見せ付けられた試合だった_| ̄|○

結局決勝は俺達を破ったフランスと準決勝でイタリアを破ったスペインで行われた。
3-2という点取り合戦の結果、ハットトリックのラウル擁するスペインが見事世界一の座に輝いた。
そしてラウルは世界を制したスペインのキャプテン。そして大会得点王に輝いたということで
バロンドールを受賞した。
いいなぁ、俺も欲しいなぁ(´・ω・`)

そして日本代表は解散。
色々あった今シーズンもやっと終了した。

ラツィオと代表での功績を認められてか、俺にはブラボー・アワードが送られた。
タイトルは全てインテルに阻止され、W杯でもフランス戦で屈辱的な大敗を喫する等
あまりいい思い出は無かったが最後の最後に個人賞を取れてその気持ちも少しやわらいだ。
まだまだ俺は若い。多分あと2,3回はW杯のチャンスはあるだろう。
全力で戦い、必ずや優勝してやると胸に誓った。



20歳 日本代表 4試合2ゴール








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日記が消滅して必死こいて書き直しましたよ。(;´Д`)
疲れた…。


レンタルシーズン2(後半)

2005年06月13日 | Weblog
セリエの全日程が終わった。
なんていうか…インテルにやられまくった1シーズンだったヽ(`Д´)ノ

シーズン後半戦も俺はゴールをコンスタントに決め続けた。
前半戦ほどの爆発力はなかったが最後は15ゴールを上げてイタリア得点王に輝いた。
初の個人タイトルだ。ハァハァ(;´Д`)
前半11ゴールの化け物は後半に大失速、14ゴールだった。
今思えばこれが唯一インテルの選手に勝てた事だったな…。(´・ω・`)

ラツィオは昨季、2位でフィニッシュだったのでCL出場権がある。

グループリーグはエスパニョール、ナント、ヴォルフルブルグ、と比較的楽なグループかに思えたが
これが最後の最後まで苦しんだ。

開幕戦のvsナントでは俺の先制点で勢いにのったラツィオが3-0の圧勝。
幸先の良いスタートを切った。

しかし次のvsエスパニョールではディフェンス陣が崩壊。0-4の大敗だった。

これで後が無くなったラツィオ。ヴォルフスブルグ戦で勝ちを収めないとGL敗退の危機。

相手に先制点を許すもピオホさんの代わりに入ったムッツィが同点弾を叩き込む。
このまま拮抗した戦いが続き、もうダメかと思われた後半ロスタイム、
ディノさんのクロスを俺がヘッドで叩き込み見事勝ち越し。
そして試合終了。GL2位で見事に突破した。

そして準々決勝の相手はあのレアル・マドリード。
銀河系軍団と呼ばれるにふさわしく、ベッケンバウアー、ハカン・シュキル、ジーコ、サルガドなど
そうそうたる顔ぶれが並ぶ。

しかし予想に反して先制したのは俺達ラツィオ。カウンターから縦パス一本で抜け出たピオホさんが見事に先制ゴール。
それを必死に守りきった。最後はピオホさんを残して10人全員が自陣に引き篭もってたからな。

準決勝はイストレ。
どちらかというと組み合わせと運で勝ち進んできたチームというか…。
危なげなく3-0の勝利。

そして決勝は…。

「…またインテルかよ(;´Д`)」

どうやら俺はよっぽど神様に嫌われてるみたいだ。('A`)

チャンピオンズリーグ決勝戦。

ラツィオvsインテル

インテルはバティストゥータとジョルカエフという強力2トップに
イタリア屈指のスイーパー、バレージにドイツの壁、コーラーという鉄壁のストッパーだ。

両チーム大舞台での宿命というか…。負けないための戦いをして、面白みに欠ける試合だった。
0-0で迎えた後半。ジョルカエフが単独で突破してゴールを陥れる。
これで守りに入ったインテルと攻めるしか無くなったラツィオ。
俺やピオホさんに代わって入ったディ・カーニオが必死に攻め立てるもバレージ、コーラーといった
最後の壁は破れない。そして試合終了のホイッスル。俺達はその場に崩れ落ちた。


インテルの選手達が大喜びする中、Queenの「We Are The Chanpion」が流れるスタジアムで
俺達は涙を流しながら銀のメダルを受け取った。


そして次週のセリエ最終節。相手は続けてインテル。もうね、アホかと(ry
今俺達は2位。優勝はもうインテルが決めてしまってるものの、今日勝てばノルマの2位は達成できる。
リベンジとばかりに闘志を燃やす俺達とは対象的に消化試合のインテルはエースのバティを下げ19歳のガリンシャを出してくる。

先週の仕返しとばかりに攻め立てる俺達。それが実って鉄壁の2ストッパーから1点をもぎ取る。
ディノさんがGKをかわして俺にパス。触るだけでよかった。

しかしその直後、ガリンシャの突破から最後はジョルカエフにヘッドで押し込まれ同点。

1:1で折り返す。

中盤の潰しあいが繰り返され、時間がどんどん消費されていく。
同点で終了かと思ったその時、ラツィオのCBファン・ブイテンがジョルカエフを倒してしまいPK。
これをガリンシャが決めて逆転。そのまま試合終了。

この敗戦で順位を4位に落としたラツィオ。ノルマは達成できなかった。


イタリアカップは準決勝でインテルに負けてベスト4。
リーグは最終節、インテルに負けて4位。
チャンピオンズリーグは決勝でインテルに敗れて準優勝。


結局インテルはリーグ、カップ、CLとトリプルクラウンを達成したらしい。

「インテルのバカヤローー!」ヽ(`Д´)ノ




俺は来季、ラツィオに残ってインテルにリベンジしてやる、と心に誓った。

そしてシーズンオフ。




プルルルルルル

「ん、こんな時間に誰だよ…。」

せっかくのオフの朝に電話の音で起こされ、少し不機嫌に電話を取る。

「はい、もしもしぃ?」

「奥村君かね?私だ。ジュニーロだ。」

「はい?俺にジュニーロなんて知り合い、いませんがぁ?」

「あぁっと…私はジュニーロ。日本代表監督だ。こう言えば分かってもらえるかな?」

「あぁ、日本代表監督さんね。そういやそんな名前だったような…って。代表監督!?」(;´Д`)

「だからさっきからそう言ってるじゃないか」

「えっと…その代表監督さんが俺に何の用でしょうか…?」

「日本代表監督がこの時期に日本人に電話するんだから答えは1つだろう?
 君を日本代表に呼びたい。そしてW杯で活躍して欲しい」

「えぇぇぇ!?マジですか!?」

「あぁ、大マジだ。それもキャプテンとしてな。」

「キャ、キャプテンって…。俺まだ代表歴ありませんよ!?」

「関係ないさ。私は結果を重視する人間でね。ラツィオに所属してセリエ得点王、さらには
 ラツィオをチャンピオンズリーグ決勝まで導く原動力となったんだから文句なしだ。」

…言葉を失った。なんか人に言われて初めて実感した。俺、がんばったんだなぁ。

「…で、召集。受けてくれるのかい?」

「あ、はい!モチロン。喜んで!」



今年のオフシーズンは忙しいことになりそうだ…。


17歳 ル・マン   0試合0ゴール
18歳 ル・マン   1試合0ゴール
19歳 メッシーナ 17試合10ゴール カップ戦5試合4ゴール
20歳 ラツィオ  19試合15ゴール カップ戦4試合1ゴール チャンピオンズリーグ6試合4ゴール

レンタルシーズン2(前半)

2005年06月13日 | Weblog
「まぁ…多少納得できないけどラツィオの選手になったからにはがんばらないとな。」


俺は今、イタリアの地にいる。契約更新の時に(主にクソオーナーのせいで)ごたごたがあって
またイタリアへと舞い戻ってきた。

「やぁ、君が奥村君かい?君には期待してるよ。去年僕達相手にやってのけたことを
 今年はラツィオのためにがんばってね!」

この人はラツィオのエースでキャプテンのクラウディオ・ロペスさん。
31歳とベテランの域に入っているが衰える気配のないスピードキングだ。
そのプレースタイルから虱(しらみ)を意味する「ピオホ」と呼ばれている。
見た目通り親切で頼れるお兄さん、といった感じだ。おそらくこの人とコンビを組むことになるだろう。

「けっ、たまたま去年俺ら相手にラッキーゴール2回決めただけじゃねえか。
 偶然はいつまでも続かないぜ。」

この人はラツィオのアシスト王、ディノ・バッジョさんだ。
性格は…上のセリフを見てもらえるとわかるだろう('A`)
なんかストイチコフさんと同じ匂いがする人だ。

「うはww俺らのために点とってくれりゃどうでもOKww」

…この人はセルジオ・コンセイソンさん。
中盤の何でも屋で潰し屋からアシスト、ゴールまで幅広くこなす人だ。
喋り方がちょっとアレだが…。
なんでもパソコンマニアで日本のビップだかビッパーだかの喋り方を真似しているらしい。
…日本で16年ほど生きて来たけどそんな喋り方するヤツ、見たことないぞ(;´Д`)


「まぁまぁ、ディノ。彼はきっとやってくれるよ。去年のカップ戦の時感じたんだ。
 彼はきっと大物になるってね。」

「でもピオホよぉ。お前さんの予想は滅多に当たらんじゃないか。」

「まぁ、そうなんだけどね。前半戦が終わる頃にはみんなもわかってくれるさ。
 ね?奥村君。」

「え…あ。はい、がんばります!」

「ピオホと奥村の2トップ…。うはww夢が広がリングww」


こんな個性的な面々だが実力はホンモノだ。

ディノさんのアシストはものすごい。触るだけで入る、なんてパスがいくつも来る。
それを外してしょっちゅう怒られるんだけどね('A`)

ピオホさんも俺の為にスペースを作ってくれたり裏から飛び出して点を決めたりと
獅子奮迅の活躍だ。とても31歳とは思えない。
特に第4節カリアリ戦では4ゴールを上げるなど一人で試合を決めてしまった。

セルコンさんも中盤での支配力は素晴らしい。相手のゲームメイカーに張り付いて
仕事をさせないと思ったら次の瞬間にはオーバーラップして点を決めてる。
喋り方にはいつまでも慣れないが…(;´Д`)

そしてこのクラブで初めてダービーというのを経験した。
ローマダービーと言うと、ミラノダービー、スペインのクラシコに引けを取らないほど
選手達はもちろん。サポーター達も熱狂する試合だ。

まだ数回しかオリンピコのピッチには立ってなかったがそれでも明らかに雰囲気が違うのは感じ取れた。
いつも温厚なピオホさんやセルコンさんでさえピリピリしてたもんなぁ。
セルコンさんは相変わらずあの喋り方だったけど(;´Д`)

その雰囲気に飲み込まれてしまった俺は何の活躍も出来ず3-1の敗戦だった。

クライフのCKに俺と同じ日本人の城内和也がダイビングヘッドで合わせて先制されると
立て続けにクライフに2点取られてしまう。

後半終了間際にピオホさんが1点返すのが精一杯だった。

ローマサポの歓喜の叫びとラツィオサポの嘆きの声と選手への怒号。
ディノさんが
「ダービーで負けるとこれだ。いつものことだよ。それだけサポーターの皆にとって重要な試合なんだ。
 どうしても勝ちたかったんだがな…。」

と悔しそうに言ってたのが印象的だった。



前半戦を終わってラツィオは6位。当初の目標である「優勝。最低でも2位」と比べると喜べる順位ではないが
首位のインテルとの勝ち点差は5。十分挽回できる差だ。
これまでラツィオの2トップが大車輪の働きを見せている。
俺が9ゴール。ピオホさんが8ゴール。俺は去年の10ゴールという記録を塗り替えることができるだろう。

しかし上には上がいるもんでインテルのバティストゥータが前半戦のみで11ゴール。
化け物かヤツは('A`)
彼には去年、イタリアカップ決勝で苦い思いをさせられたから、なんとか勝ちたいなぁ…。
と思っていたら意外なほど早くそのチャンスはやってきた。

イタリアカップ準決勝。ラツィオvsインテル。

去年、決勝で戦ったインテルがまたしても俺の前に立ちはだかった。
このチャンス…逃すわけには行かない。

この日のためにコンディションを最高まで高めていた俺が結果を出す。
前半始まってすぐ、セルコンさんのクロスに頭で合わせて先制。

「うはwww@;::@;@www」ヽ(`Д´)ノ

興奮しすぎて、正直セルコンさんが何言ってるのか解からなかった。

しかし向こうのエース、バティに同点ゴールを決められると
ドイツのリベロ、マティアス・ザマーに逆転弾を打ち込まれる。
ビハインドで折り返すわけにはいかない、と俺達は全力で攻め込み
前半終了直前、ピオホさんが再び同点にするゴール。

2:2と点を取り合って後半へ。

後半は前半とは打って変わって中盤で潰しあう展開に。前線までなかなかボールが回ってこない。
両チーム、ロクにチャンスもないまま延長突入かと思われたが後半ロスタイム。
バティが強引に打ったミドルシュートがネットに突き刺さり、インテルが勝ち越し。
その直後ホイッスルが鳴り、ラツィオは準決勝で敗退した。

皆、控え室で意気消沈。涙を流してる選手もいた。
しかし監督が

「さっさと気持ちを切り替えろ!お前達はインテル相手によく戦った。しかし負けたんだ。今日はインテルの勝ちだ。
しかしまだリーグ戦は終わっていない。最後の最後にあいつらを見返してやれ!」


この監督の言葉で俺達は気持ちを切り替え、絶対に優勝してやる。という思いを胸に
後半戦にすべてを懸けた。





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セルコンファンのみなさんすいません(;´Д`)

レンタルシーズン

2005年06月12日 | Weblog
メッシーナでのシーズンは順風満帆だった。
リザーブマッチで2得点を挙げると開幕スタメンに。
その後はあれよあれよと得点を重ね、10得点で得点ランク3位でシーズンを終えた。
メッシーナはなんとヨーロッパカップ出場可能な6位。残留争いを繰り広げるクラブにおいて異例の躍進だった。

注目すべきはカップ戦。我がメッシーナは決勝までコマを進める。
俺は5試合に出場して4得点と大爆発。
特に準決勝ラツィオ戦での延長決勝ゴールを含む2得点は素晴らしかった。
決勝ではバティストゥータ率いるインテルに3-0と完敗するも、
準優勝は十分過ぎる結果だった。

イタリアでの俺の評価はうなぎのぼり。こりゃル・マンでレギュラー獲得も余裕だな。
と、意気込んでいると…。

「奥村さん!大変ですよ!」

「あ、ジョージさん。どうしたんですか?」

「今、ル・マンの在籍選手を見てみたんですがすごいことになってるんですよ!」

「すごいこと?」

「とにかくこれを見てください!」

FW ストイチコフ
FW ビエリ
FW ロセッティ
FW V・ランゼ
FW セルドナン

( Д) ゜  ゜

「しかもストイチコフさんは30億、他3人も移籍金20億程度あります。」

「な…なんじゃこりゃー!」

「と…とにかく今日はル・マンのオーナーとの契約更新の日です、行ってみましょう」




「あぁ、奥村君?いや、優勝して賞金いっぱい入ってきてね。大型補強をしたんだよww
 君入るとこないねwwもっかいレンタルする?w」

「(このクソオーナーが。調子に乗りやがって…。)」

「なんでもイタリアカップでラツィオ相手に大活躍したそうだね。そのラツィオの監督が君に
 惚れ込んだらしくて獲得を熱望してるんだよ。どうだい?ラツィオならビッグクラブだし君も
 満足だと思うけど。」

「でも…俺。ル・マンの役に立ちたいです。」

「え?うそ?ww君ならOKすると思って向こうに承諾の返事送っちゃったww」

「え…といいますと?」

「うんww来シーズンから君ラツィオの選手ねww一応こっちも保有権50%持ってるから
 必要だと感じたときは戻ってきてもらうよww」


(  Д) ゜  ゜



「あ、お帰りなさい。契約更新どうでした?」

「…なんか勝手にラツィオの選手になってました」

「え…と。どういうことですか?」

「かくかくしかじかで…」

「そうですか…それは残念ですね。でもラツィオで活躍すればきっとル・マンに戻ってこれますよ。」

「…ですよね。ハァ…トレセン時代、ナイジェリアに強制連行された時のことを思い出したよ…」



こうして今度はラツィオへと移籍。…俺、ル・マンに戻ってこれるのかなぁ…(;´Д`)


17歳 ル・マン   0試合0ゴール
18歳 ル・マン   1試合0ゴール
19歳 メッシーナ 17試合10ゴール カップ戦5試合4ゴール

3シーズン目の転機

2005年06月12日 | Weblog
「…レンタル移籍ですか?」

今俺はオーナーや監督のいる前で書類に目を通してる。
今日は契約更新の日だ。

「あぁ、このままいてもセルドナンとストイチコフがいる限りスタメンは難しいだろう
 そこでだ。レンタル移籍を1,2シーズンほどしてもらって経験を積んだほうが
 君にとっても、チームにとってもプラスになるだろう。」

「なるほど…。で、受け入れてくれるところはあるんですか?」

「あぁ。ウチはメッシーナと交流関係にあってね。あそこなら受け入れてくれるだろう。」

「…わかりました。」

「そうか。わかってくれて嬉しいよ」

「それでは失礼します。」


「おぉ!奥村どうだった?契約更新したか?」

「セルドナン…。俺、レンタル移籍することにしたよ。」

「…そっか。向こうでもがんばれよ。帰ってきてもストイチコフさんのパートナー役は
 渡さないけどな!」

「なにお!向こうで成長しまくってお前なんかスタメンから引き摺り下ろしてやるぜ!」

「…レンタル移籍か。」

「えぇ。きっと帰ってきたときはストイチコフさんの隣でプレーして見せますよ」

「はっ。期待しないで待ってるよ。」


こうして俺はメッシーナへとレンタル移籍することになった。
必ずル・マンに戻ってきてもう一度優勝を掴み取ってやると心に誓いながら
またも殺し屋をとなりに乗せてイタリアへと旅立った。

プロ2年目

2005年06月12日 | Weblog
今日はミーティングだ。監督の今期目標と新人選手の挨拶がある。
すがすがしい朝だ。俺はベットから降りると携帯を見る。

9:01 ジョージさん
9:06 ジョージさん
9:12 ジョージさん
9:13 ジョージさん
9:14 ジョージさん

うわ、なんだこれ。ジョージさんから着信ありまくりじゃないか。

~♪~♪

うお、またジョージさんから着信だ。

「はい、もしもし?」

「ちょっ、おまっ、何してるんディスカー!」

「え?あいや、今起きたトコですけど…。」

「今日は9時からミーティングですよ!」

「えと…今何時ですか?」

「9時15分です!今すぐミーティング室に向かってください!」

Σ(;´Д`)

なんてこった…。と思いながら寝癖バリバリでミーティング室へとひた走る。

「すんません!遅れました!」

中を見渡すと監督とストイチコフさんを始め数人しかいなかった。

「おぉ、奥村。まーた遅刻かぁ。もうミーティングは終わったからな。
 とりあえず今期は多少納得の行く補強もできたから1ケタ順位でも狙ってみようと思う。
 もしかしたら優勝とかいっちまうかもなぁ!ワッハッハ!」

「ったく…。ホラ、みんなはもう練習を始めてるぞ。来週はリザーブマッチだろうが。
 さっさと練習してこい。」

「すっすんませんっした!」


また遅刻か…。と思いながら練習に精を出し、リザーブマッチに向けて気合を入れた。


リザーブマッチ当日。

「お、相手チームが来たようだな。」

「随分豪華なバスですねぇ。俺達もあんなん乗りたいなぁ。」

「優勝でもしたら買ってくれるかもな。さ、控え室に行くぞ。」

「うし、今日は絶対ゴールを決めてやる!」

「毎年そんなこと言ってるな。で、去年は?」

「ボールに触れませんでした…」

「パスを貰うことが目標だな。」

('A`)こんな顔しながら控え室へ。すでに相手チームはユニフォームに着替え、アップを始めている。

「あのユニフォームかっこいいなぁ。青と黒の縦縞で。…ん?青と黒の縦縞!?」

バタン!勢いよく選手控え室へ入る。

「かか、監督!あれインテルじゃないですか!聞いてないですよ!」

「うむ、言ってないからな。」

…。(;´Д`)

「インテルっつってもどーせリザーブだ。お前らとたいして変わらんよ。
 この機会にインテルをボコボコにしてこい!」

オォー!リザーブ選手達が気合を入れる。

リザーブとはいえインテル相手にプロ初ゴールとかだったらうれしいなぁ
と思いながらピッチへ。

相手の選手を見て( Д) ゜  ゜

グアルディオラ、レコバ、ブレーメ、メラー…。

「これホントにリザーブかよ…(;´Д`)」


試合は予想通り3-0の完敗。

ボールに触ることすらできなかった_| ̄|○

「ワッハッハ!まぁ仕方ないさ!」

「なんでインテルとなんスかぁ…。もっと挌下と組んでくださいよ…」

「これも経験だろ!ワッハッハ!」

ホロ苦い思い出を残し、リザーブマッチは終わった。

そしてシーズン開幕。

俺は今ベンチにいる。後ろのスタンドで

「おい、あの日本人のにーちゃん。選手だったのか?」

とか聞こえるが気にしない。

開幕戦はモナコ相手に3-0の完勝を収める幸先のいいスタートだ。

「この勢いで優勝行くぞー!ワッハッハ!」

監督もご機嫌だ。俺もベンチ入りできたし去年よりは少しは成長できたのかな。

その後も安定してベンチ入りしたが出場機会は0。

そのまま前半戦が終わった。チームはなんと2位。本気で優勝が狙えるかも。

チームの勢いに乗ってゴールでも決めれたらなぁと思いながらも
試合に出ることなくシーズンは過ぎていく。

そして迎えた最終節。2位リヨンに勝ち点差1をつけ現在なんと首位。
この試合に勝つと自力優勝が決まる。
相手はオセールだ。

「この試合に勝って絶対優勝決めるぞー!」

ウオォー!

監督とチームメイト達のテンションも絶好調だ。

いつも通りにベンチへ。声が枯れるんじゃないかというほど叫びとおした。
前半、ストイチコフさんが2ゴール!キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━

一点返されるも2-1のスコアで前半終了。

しかし後半開始直後、FKを直接叩き込まれ同点。
さらにクロスを頭で押し込まれ逆転されてしまう。

後半30分ぐらいだっただろうか。

「奥村、セルドナンと交代だ。なんとしてもゴールを決めて来い!」

頭真っ白、足はガクガク。なんか軽く吐き気もするし。
プロ初出場は優勝のかかった大一番。しかも1点ビハインド。
ストイチコフさんが何か叫んでいるが何も聞こえない。

そして訳もわからず試合終了。

_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○

「…。初めてがあんな試合なんだ。動けなくもなるだろうよ。」

激しく落ち込みながらナイトゲームであるリヨンの試合を見る。
得失点差は完全に負けている。リヨンが引き分け以上ならそれで終わりだ。
サポーター達もずっとスタジアムに残ってくれている。

そして…。

ウオオオオオオオ

スタジアムが地鳴りしている。俺達はとうに声は枯れている。
でも叫び続ける。喉が潰れるほど。

「いよっしゃー!!」

監督はまた裸だ。何かと裸になりたがるなこの人。

ストイチコフさんも満面の笑みだ。

その後は夜が明けるまでビールをかけまくり、サポーター達と騒ぎ、喜び合った。

ストイチコフさんは13ゴールでぶっちぎりの得点王。

チームも優勝ということ無しのシーズンだった。

17歳 ル・マン 0試合0ゴール
18歳 ル・マン 1試合0ゴール

プロ初シーズン

2005年06月11日 | Weblog
リーグ・アンが開幕した。
リーグ初戦、相手はバスティアだ。
俺は今、ル・マンサポーターと一緒にスタンドから選手達に声援を送っている。
早い話、開幕スタメンは無理だった。というかベンチからも外された。
17歳の俺が、しかもほとんどコネで入ったようなチームで
試合に出れると思ったのが甘かった。('A`)

そうこう考えてるうちにストイチコフさんのゴールでル・マンが先制。
キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!
それを守りきり開幕戦を白星で飾った。


一年間、ひたすら練習練習練習。

一年間、ひたすらベンチ外ベンチ外ベンチ外。

まだ17歳だしなー。未来はまだまだあるぞー。と楽天的な考えで過ごした。
結局チームは15位でフィニッシュ。無事残留を決めた。

監督が真っ裸でピッチに躍り出て警備員に捕まるという一幕があったものの
俺達はピッチで喜びを爆発させた。ヘタすりゃ優勝チームよりはしゃいでるんじゃないか
というほど狂喜乱舞した。

ストイチコフさんは9ゴールで得点ランクは3位だが
チームではぶっちぎりの得点王。来シ-ズンの契約延長も決めたらしい。

そして俺も契約延長にサインした。ジョージさんに任せたところ1年契約で年棒600万だそうだ。
正直クラブの役に全く立ってないのに年棒はほぼ倍に。
喜びながら家路に着いた。
来シーズンこそストイチコフさんを見返してやる、と思いながら。


17歳 ル・マン 0試合 0得点

ル・マンに入団

2005年06月11日 | Weblog
ル・マンはお世辞にも強いとはいえない。
残留が目標の地方クラブだ。
キャプテンでブルガリアの英雄、ストイチコフのワンマンチームでもある。

「へぇ、入団する時は気付かなかったけどストイチコフがいるのかぁ。
 一緒にプレイできるかなぁ。楽しみだ。ハァハァ(;´Д`)」

「そんなに興奮しないで。さ、今日は新獲得選手の挨拶と今シーズンの目標の発表ですよ。
 ミーティング室に急いでください。」

「ストイチコフかぁ…ハァハァ(;´Д`)」


ミーティング室に入ると20人程度の選手が椅子に座り、その前に
監督としては比較的若い感じの男が立っている。彼が監督のバンゼフーだ。

「うわ…遅れたみたいだ(;´Д`)」

「初っ端から遅刻とは大物だな。試合でも大物っぷりを見せてくれよ!」

怒られると思ったが大丈夫みたいだ。そういえば日本人は時間にきっちりし過ぎてると聞いたことがあるな。
外国は多少遅刻しても大丈夫なんかなぁ。低血圧の俺にとっちゃうれしいな。

…とかいろいろ考えてるうちに監督から今シーズンの目標が発表された。

「みんなもわかってると思うが今シーズンも目標は残留だ!優勝?ヨーロッパカップ出場?
 そんなもんに興味は無い。ワシの望みはただ一つ!来シーズンもこうしてお前らの指揮をとりたい!」

選手達がオォー!と大きな声で叫ぶ。潔いというか欲が無いと言うか…。

そして新人選手団の挨拶だ。
下位チームらしく補強はベテランばかり。
若い選手は俺と18歳のフランス人FWセルドナンの2名である。

「えっと…日本人の奥村です!チームの役に立てる様、がんばるので
 よろしくお願いします!」

頭が真っ白だ。特に緊張するタイプではないが今は違った。
しかしチームメイト達が励ましとも冷やかしともとれないような声援を
送ってくれたので安心した。

「おし、これで今日は解散だ!来週はリザーブマッチがあるからな。
 控えのやつらはがんばれよ!内容によっては開幕スタメンもありえるぞ!」

「オォー!」

なんていうか…監督やチームメイト達との距離が近くていいクラブだな、と思った。

「さて、挨拶も終わったことだし帰るか。」

と、金もないので徒歩で帰ろうとしたらなんか後ろから爆音で赤のスポーツカーが走ってきた。

「おう、確か…奥村だったか?日本人の。」

「あ、はい!ストイチコフさん、これからよろしくお願いします!」

「…若造がチームの役に立てると思うな。今は死ぬほど練習しろ。どこの馬の骨ともわからん
 日本人じゃパスも回ってこんぞ。じゃあな。」

スポーツカーはまた爆音を立てながら走り去っていった。

「うえ…なんか勝手にやさしくて面倒見のいいお兄さんとか想像してたよ…。
 現実はこんなもんなのか(´・ω・`)ショボーン」


リザーブマッチ当日…。

「今日は試合に出れないおまえらが日頃のうっぷんを晴らす日だ!
 存分に暴れて来い!」

「オォー!」

相変わらず熱いなぁ…と思いつつユニフォームに着替える。

「緑のユニフォームか…。お世辞にもかっこいいとは言えないなぁ。」

「おい若造。俺はこの緑のユニフォームに誇りを持ってるんだ。
 バカにするなら許さんぞ。」

「あ、すいませんストイチコフさん…。そんなつもりじゃ…」

「いいからさっさとピッチに出ろ。FWなんだから点とって監督にアピールしとけ。
 お前みたいな若造にゃ開幕スタメンはムリだろうけどな。」

ショボーンとしながらピッチに降り立つ。


・・
・・・

結果、2-0の負け。
ボールに触ることすらできなかった('A`)

「そらみろ、とにかくチームメイトの信頼を勝ち取ることが最優先だ。
 お前がマラドーナじゃない限りパスが回ってこないとゴールもクソもないだろ。」

「はい…精進します…」


プロの道は思ってたよりも随分険しそうだ…。

ついにサッカーライフが始まる

2005年06月11日 | Weblog
俺の名前は奥村相太。

トレセン入団直後のコーチの言葉は今でもはっきり覚えている。

「君には今からナイジェリアに9ヶ月ほど留学してもらう。
 向こうのチームとは話が付いているから君は空港へ向かうだけでいいよ。」

( ゜ Д゜) ポカーン

なんていうか、嫌がらせとしか思えなかった。
必死こいてトレセン受かって喜んだ矢先がこれか!ヽ(`Д´)ノ

嫌なら辞めてもらってもかまわないよ。とか言ってやがる。
俺が逆らえないのを知ってるくせに。クソコーチが。
しかも
「あぁ、それと1人で未知の土地に住むのは不安だろうから彼について行ってもらう。」
だと。
どんな人だろう。と思ってたら…。

「彼の名前はジョージ・ヴィンセント2世だ。」

…。(;´Д`)

いや、もうね。明らかに日本人じゃないじゃないですか。
なんか喋ってるみたいだけどさっぱりわからん。
こちとら中卒だコンチクショー。

そもそもこのおっさん。見た目が異常だ。
黒の上下にグラサンオールバック。しかもかなりでかい。
どうみても殺し屋にしか見えん。なんだこれ。

まぁそれで半ば強制的にナイジェリアに行かされて殺し屋の恐怖にガクブルしながらも
英語とか教えてくれて実はいい人だったり
ナイジェリアのクラブは予想に反して施設が中々よかったり
帰国するころにはジョージさんに教えてもらって日常会話ぐらいなら英語喋れたり
ナイジェリアサッカーで主にフィジカルを鍛えたりと
かなり充実した9ヶ月だった。
クソコーチとかいってごめんね。感謝してるよホント。
殺し屋と一緒に飛行機のった時は生きた心地しなかったけどな。

そして帰国後も毎日サッカーサッカーサッカー。
それで1ヶ月ほど経ったある日、すっかり仲良くなったジョージさんが俺に話しかけてきた。

「やぁ奥村君。今日はビッグニュースがあるんだ!」
「あ、ジョージさんお久しぶりです。どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもないよ!フランスリーグのFCル・マンが君の獲得を希望してるんだよ!」

聞いた時はさっぱりわからなかった。まだ16歳の若造だ。
23歳ぐらいになってJ2あたりでデビュー出来たらな。とか思ってたのに
海外のしかも5大リーグの一つ、リーグ・アンのチームでデビューなんて
考えたことすらなかった。

聞くところによるとこの一ヶ月、ジョージさんやコーチがいろんなところを
駆けずり回って俺のことをアピールしてくれたようだ。
それでジョージさんの友達のそのまた友達の…。とにかくジョージさんの
コネでなんとかル・マンのオーナーに話をつけたらしい。

「ほ、ほんとですか!?」
「本当さ!アメリカン嘘つかない!どうする?このオファー。」
「受けるに決まってますよモチロン!」

話がトントン拍子で怖いくらいだったが9月の頭からル・マンで
プロ生活を送っていくことに決定した。
ジョージさんに代理人をやってもらうことにして
年棒もすべて代理人まかせ。
結局350万程度でまとまった様だ。

17歳の俺に350万もの金を払ってくれるなんて…。
金はあるところにはあるんだなぁと思いつつ
一年前はガクブルしてた殺し屋を横に乗せて、俺はフランスへと旅立った。