渡辺浩之のブログ:魂のストラテジー

この世界に漂い、けれども、決して流されないために

神楽坂のバー「歯車」にて

2011年12月29日 20時14分56秒 | 食事

神楽坂には、
バーがある。

バー「歯車」は、
和風のデザインが絶妙に調和している。 

映画「東京タワー」やCM「ウィダーインゼリー」などの製作で有名な「ヌーヴェル・ヴァーグ」がデザインした。
「真っ暗」なバーだ。

並の暗さではない。

ドアを開けて店に入ると、
足元もおぼつかない暗さだ。

目の前に蝋燭の炎が置かれる。

ゆっくりと瞳孔が開き、
目が暗さの慣れてくると、
目の前にバーテンダーの濱本氏の澄んだ顔が見えてくる。

このバーで、
無駄な口を聞く必要はない。

そして、しだいに
その暗さや沈黙は、
むしろ、心地よくなってくる。

ゆっくりと頭や心を整理する時間が流れる。

一杯でもカクテルを頼んでほしい。
魅惑の味が意識に溶け込んでくるのがわかるだろう。

午後の三時からやっているので、
季節によっては、
まだ明るいうちに、酔うことが出来る。

強い酒に身をまかせて、
店を出ると、
まだ日が落ちきっていない。

これから、
食事や酒場に繰り出すのに丁度よい時間だ。

それでも、
酔いの余韻を楽しむために
飯田橋の駅に向かい、
帰りの電車に乗ることにする。

回りだした心の歯車を止めたくはない気がする。

いや、
それでも、誘惑に負けて、
御茶ノ水あたりで、
馴染みの店に向かうことの方が多いかもしれない。

もし、時間が許せば、
近くに銭湯があるので、
そこで湯を浴びて「歯車」に向かうといい。

天国である。

バー「歯車」
東京都新宿区若宮町16塩谷ビル2F
03-5260-8837
最寄り駅 飯田橋


h渡辺浩之