八幡満の作る日々

造形作家「八幡満」の製作風景をあらゆる視点から紹介
動物の作陶を中心に製作途中の作品も紹介since 2008.4

大きい作品は男のロマン

2009年03月31日 | 製作途中の作品
   「口開きカバ」を続けて作っています。
   今回は、さらに大きいサイズに挑戦です。
   焼成前の状態で、体長が約70cmになる予定です。

   
   成形途中の「粘土の状態」ですので、少し柔らかいです。
   そのために、写真では分かりませんが、粘土の重みで作品が
   少し崩れそうになっています。(下にさがってきています。)

          ちょっとピンチです・・・


   
   そんな時は、このように作品を立てて成形すれば大丈夫。

   お尻から作り始めているので、お尻の部分は少し硬くなっているので
   立てても大丈夫なんです。


   
   カバの前足をととのえています。あまり触りすぎると失敗するんですよね。
   直感で一発で仕上げる事が理想なんです。どんな物作りでも一緒ですよね。

   この作品は体長が約70cmになる予定です。私の窯に入る最大のサイズです。
   この作品がうまく完成すれば、さらに大きいサイズに挑戦します。
   その時は、知人のもっと大きい窯で焼いてもらう予定です。

   作品のサイズが大きくなるたびに夢が広がって行く感じです。


「口開きカバ」の焼成

2009年03月22日 | 完成作品
   陶芸作品は、粘土で成型が完成した作品を乾燥させてから、
   「素焼き」と「本焼き」をします。

   素焼きは約700度で軽く焼きます。
   本焼きは約1200度の高温で焼成して焼き固めるのです。
   ひとつの作品を2回焼く事が一般的です。
   
   「素焼き」された作品に色を塗った状態です。
   色を塗るために、素焼きをしているのです。

 
         ☆ これを「本焼き」すると・・・


   
            ☆ 作品の完成です! 
   色がまったく変わります。作品に色と光沢が出てきます。

   1200度で焼き付けていますので、色がはがれたり、
   色あせたりする事はありません。
   硬く焼き締まった分だけ作品が硬く冷たい感じになります。
   しかし、焼き締まった硬さの中に、「土の質感」を通して
   柔らかさや温かみを表す事が、陶芸の醍醐味なのかと思います。




子豚の完成 その2

2009年03月15日 | 完成作品
     もう一匹の子豚を紹介します。目がしっかり見開いています。
   
     
                            (陶製・体長18cm)

     この作品は物凄く誰かに似ています。
     作品作りと私生活が混ざり合う事は、私にとって理想的です。
   

     
                             (上からのショット)

     陶器は「冷たくて硬いもの」です。
     しかし作り方次第では、陶器からでも「柔らかさや温もり」を
     感じる事が出来ると思います。

     硬い物の中に、本当の柔らかさが隠れていたりするのかもね。
       

子豚の完成

2009年03月09日 | 完成作品
  少し前に完成した作品です。
  久し振りに焼き方を「酸化焼成から還元焼成」に戻してみました。
  思い切ってやってみて良かったです。

  
  両方の焼き方をする事によって、それぞれの違いが分かってくるように
  思えます。やっぱり私は、この焼き方(還元焼成)の方が好きですね。
  あまりカラフルに色は出ないけれど、土味の泥臭さが表れてきます。
  
  「酸化焼成と還元焼成」の違いは物理的には、酸素の供給量の違いなん
  ですが、焼き上がってからの色合いの違いを、私の例えで言うと
  「水彩画と油絵」の違いのように思えます。